日本においては近世以降に、産業が発達して富の蓄積が増加すると、財力のある商人などが高価で手の込んだ衣服を着用し、その富を誇りました。
支配者層は、富を持った者の目にあまる振る舞いは、身分制による社会秩序を崩すものとして、贅沢を禁止する法令を出すのです。 続きを読む
日本においては近世以降に、産業が発達して富の蓄積が増加すると、財力のある商人などが高価で手の込んだ衣服を着用し、その富を誇りました。
支配者層は、富を持った者の目にあまる振る舞いは、身分制による社会秩序を崩すものとして、贅沢を禁止する法令を出すのです。 続きを読む
絵革(えがわ)は、画革とも書き、革に絵を染めつけたという意味からこの名前があります。
革を染めるのは、平安時代の頃からおこなわれていたとされます。 続きを読む
藍染の原料となる蒅は、収穫した蓼藍の葉を乾燥させ、水をかけかき混ぜる作業を挟みつつ、約100日以上の発酵期間を経て出来上がります。
蒅づくりにおいては、良い葉藍を栽培することが何よりも大事とされていますが、それと同じくらいに、乾燥葉を蒅と呼ばれる状態にするまでの発酵期間も重要です。
藍の葉を発酵させる際に注意する点として、「藍師・水師七悪」という言い伝えがあります。 続きを読む
菖蒲は、江戸時代には品種改良が始まっていたというくらい、古くから日本で愛されてきた花です。
音が「勝武」や「尚武(武を尚ぶ)」に通じることから、菖蒲を文様化した菖蒲文が武人に好まれて用いられました。 続きを読む
正倉院裂とは、正倉院宝物として保存されている裂(布きれ)のことです。
正倉院裂には、奈良時代の天平勝宝年間(749年〜757年)に行われた東大寺大仏開眼供養に用いられた裂や聖武天皇(701年〜756年)にゆかりのあった裂などがあります。
その大部分は絹と麻でできた織物で、他には羊毛(ウール)を熱や圧力をかけて縮めた毛氈があります。 続きを読む
竹は中国で古くから愛でられてきた植物の一つで、松や梅とともに歳寒三友として古くから中国で讃えられてきました。
歳寒三友とは、竹、松、梅を表す言葉で、冬の厳しい寒さの中でも力強く美しい様を見せることから、画題(絵画のテーマ)として用いられてきました。
中国から文化が伝わり、日本で竹、松、梅が画題とされるのは平安時代ごろからと考えられ、一般庶民に盛んに用いられるようになるのは江戸時代からです。
現代でも松竹梅は、吉祥(縁起が良い)を一番象徴する模様と言っても良いほどの立ち位置となっています。 続きを読む
バティック(Batik)とは、蝋を使って防染するろうけつ染め(臈纈染)によって模様が染められた布地の全般を表し、2009年にはインドネシアのバティックがユネスコの無形文化遺産に登録されています。
インドネシアのジャワ島で作られるバティックは有名で、ジャワ更紗とも呼ばれます。
バティック(Batik)という言葉の由来は、インドネシアのジャワ語で「書くこと」を意味する「アンバー(amba)」と「点を打つ」を意味する「ティティック(titik)」を組み合わせたもので、「点を描くこと」を意味していました。
中国からの影響を受け、日本において金銭の形をそのまま模様化(文様化)され、金銭文(銭形文)としてデザインに用いられてきました。 続きを読む