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樫(かし)の木の樹皮を使った染色。

1986年06月号の月刊染織α (アルファ)に、平安時代中期には、樫の木を使って染色が行われていたことを示す記述があります。

樫は白樫、赤樫、荒樫などの樫の類の総称である。

枕草子には「白樫といふものは、まいて深山木の中にも、いと、け遠くて、三位二位のいへの衣染むるをりばかりこそ、葉をだに人の見るめれば、をかしきこと、めでたきことに取り出づべくもあらねど、」とあって、白樫で黒袍(くろほう)を染めていたことが記されている。この事から万葉時代にも黒染にしようされていたものと考えれれる。

樫の類はすべて常緑の葉であって、葉による染色はあまりよくは染まらないが、白樫では銀鼠色、荒樫では黒鼠が染まる。

古くから樹皮を用いて黒染してきたが、樹皮では鉄媒染で黒鼠から黒色を染め、灰汁媒染で茶を鉄と灰汁の併用で焦茶色を染めてきた。また堅果(どんぐり)殻斗(かくと)ではいわゆる橡色(つるばみいろ)といわれる茶色と黒橡(くろつるばみ)といわれる黒茶色が染まり、平安後期以降の黒袍を染めていた。 引用:月刊染織α1986年06月号

昔から樫の樹皮を使い、鉄媒染で黒みがかったねずみ色から黒に、灰汁媒染で茶色を。鉄と灰汁を一緒に使用して、焦げ茶色を染めていたのですね。

樫の木に限らず、その他多くの木の樹皮でも同じように色が出るような気もしますが、樫の木の樹皮だからこそ出てくる色合いというのも、あったのでしょうか。

樫の木といえば、木偏に堅いと書くその字の通り、強度に特徴があるので、少なからずそれが色にも影響があったのかもしれませんね。

ちなみに、木の堅さは材の細胞の大きさや細胞壁の厚さなどによって決まるそうです。

参照:硬木・軟木と気候との関係について

樹皮を使った染色は、木によって染まり上がりの風合いが違うのかどうか、非常に興味が湧きますね。

タイのチェンマイに生きた染色家、瀧澤久仁子。

すでに亡くなられた方ですが、タイのチェンマイで染色家として活動をしていた、瀧澤久仁子(たきざわくにこ)さんという人がいたという話を聞きました。

タイで古くから行われていた黒檀染め(こくたんぞめ)も、おこなっていたそうです。

滝澤さん、そして黒檀染めについて、詳しくまとまっているサイトがありました。 続きを読む