素材」カテゴリーアーカイブ

藍染された糸

糸を撚る(よる)とは?撚糸(ねんし)における甘撚り糸(あまよりいと)と強撚糸(きょうねんし)の特徴について

1本の糸をつくるためには、1本から複数の糸をねじりあわせることでりをかける作業が必要です。

り」とは、糸をねじり合わせることを意味し「撚糸ねんし」という言葉は、「りをかけた糸」を表します。

糸をることで、丈夫な1本の糸をつくることができるのです。

りの方向には、左り(Z撚り)とり(S撚り)がありますが、一本の糸のみでつくられた単糸たんしは、基本的にZりです。

Yarn twist,左撚り(Z撚り)と右撚り(S撚り)

左撚り(Z撚り)と右撚り(S撚り),PKM, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

この糸のりについて考えるのは、すごく重要なことです。

なぜなら、る方法によって、糸の強度、肌ざわりや風合いに大きく影響するためです。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

日本における絹(シルク)の歴史。中国からシルクロードを通じて世界へ

絹(シルク)の起源は、紀元前2650年前、古代中国の神話伝説時代の8人の帝王の一人で黄帝こうていの妃である、西稜せいりょうまゆから糸をとり出すことを考え、貴人などのそばに仕える女性たちに養蚕ようさんと製糸の技術を教えたことから始まったとされています。

殷代安陽期いんだいあんようき(紀元前1200〜1050年)に出土した甲骨こうこつ文字の中に「蚕」「桑」「絹」「糸」に関する文字が見られることから、遅くとも殷王朝いんおうちょう時代の中国では、(紀元前1600年頃〜紀元前1046年まで続いた中国最古の王朝)すでに養蚕ようさんが行われていたと考えられているのです。 続きを読む

サイザル麻(sisal hemp)とは?サイザル麻の特徴と用途について

サイザル麻sisal hemp(学名:Agave sisalana)は、キジカクシ科リュウゼツラン属の植物、およびそれから採取した繊維を表します。

「サイザル麻」と名付けられているように「麻」の繊維の一つとされますが、いわゆるアサ科アサ属の「アサ」とは植物学的に別種です。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ),絹糸(シルク糸)の原料

絹紡糸(けんぼうし)とは?絹紡糸のメリットとデメリットについて

絹紡けんぼうとは、まゆから生糸きいとを取る時に残った部分(製糸屑せいしくず)や屑繭くずまゆをほぐしたものなどの「副蚕糸ふくさんし」を原料にして、糸にする(つむぐこと)を表します。

つむいだ糸は、「絹紡糸けんぼうしスパンシルクヤーンspunsilkyarn)」などと言います。

日本においては、明治時代中期からは紡績技術が発達し、副蚕糸ふくさんしから絹紡糸けんぼうしがつくられてきました。

絹紡糸けんぼうしを用いた織物は、主に和装や風呂敷などに用いられてきました。 続きを読む

再生繊維であるキュプラ(cupra)とは?キュプラの特徴やメリット、デメリットについて

キュプラ(cupra)という繊維は、「レーヨン」と同じくセルロースを原料とします。

キュプラの原料は、レーヨンが用いている木材パルプではなく、綿花を採取した後の種子の表面に付いて残っている2mm〜6mmほどの短い繊維で、紡績ぼうせき用には向かないコットンリンター(cotton linter)です。

コットンリンター(cotton linter)を溶かしてから固めて、繊維の状態にします。 続きを読む

木材パルプと非木材パルプ。木材から作られる繊維、レーヨン、アセテート、トリアセテートについて

木材パルプは、紙の原料として主に使用され、木の幹の樹皮を取り除き、そのままチップ化したものに、機械的、科学的、あるいは複合的な処理をしてつくられます。

原料の木材は、針葉樹と広葉樹共に使われますが、針葉樹のパルプは繊維が長く丈夫であるのに対して、広葉樹は繊維が短くきめ細かいパルプができるという特徴があります。

海外では、えぞ松などロシアのシベリア地方で産出される北洋材の針葉樹が多く使用されていますが、国産材ではブナやナラなどの広葉樹が主体になっています。

木材の組成は、原木の種類によって大きく変わってきますが、おおよそセルロース分が約50%、リグニンが約25%、ヘミセルロース約23%、樹脂・その他が約2%からなっています。 続きを読む

平織りされた麻織物であるキャンブリック・カンブリック(cambric)生地

キャンブリックcambric(カンブリック)と呼ばれる生地は、本来は細番手の亜麻あま(リネン)糸を用いた緻密な平織物で、ベルギーとの国境に近いフランスの「カンブレー(cambrai)」という町で作られたものを言いました。

カンブレー(cambrai)は、フランドル(英名:フランダース)地方の一部として11世紀ごろから麻織物や毛織物などの織物工業が盛んでした。

現在は、オー=ド=フランス地域圏(Hauts-de-France)に属するこの町は、「シャンブレー(chambray)」の発祥の町でもあります。

シャンブレーとは、経糸を色糸、緯糸には白系の糸(晒糸晒糸さらしいと)を使用する生地で、綿またはリネンの先染め織物です。

イギリスでは、カンブレーで生産された麻織物に似せて、綿織物の裏にだけのりを付け、つや出し機(カレンダー)で「艶出し加工(カレンダーフィニッシュ)」を施したものを大量生産したため、もっぱらそれをキャンブリック(カンブリック)と言いました。

のり付けと艶出し加工を合わせて、「キャンブリック仕上げ(キャンブリックフィニッシュ)」と言われました。

かつては主にワイシャツにキャンブリック(カンブリック)の生地が用いられていましたが、現在では雑多な用途に用いられています。

インドの綿織物であるキャリコ・キャラコ(calico)。ヨーロッパ人を魅了したキャリコと産業革命との深い繋がり

インドにおけるキャリコ(calico)と呼ばれた平織りの綿織物が、17世紀終わり頃からヨーロッパに伝わり、人々を魅了しました。

キャリコは、カーテンやシーツ、そして肌着等にも適していました。

もともと、ヨーロッパには綿花の栽培と綿工業がなかったため、インドからやってきた綿織物が、人気を博すのは必然でした。

人々に愛されたキャリコですが、歴史をたどってみると、イギリスの産業革命とその背景にあった悲しい歴史がみえてきます。

更紗の断片 (インド)、18 世紀後半,,Chintz Fragments (India), late 18th century (CH 18481741)

更紗の断片 (インド)、18 世紀後半,Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

絹(シルク)をこすり合わせた時に出る音「絹鳴り(きぬなり)」

絹(シルク)をすり合わせた時や、絹でできたおびを手や指でこすったりした時に出る音を「絹鳴り(きぬなり)」と言います。

一般的には、毛羽がほとんどない長繊維(フィラメント)の織物は、すり合わせると音が発生しやすいです。

特に絹糸は、単糸たんしの断面が三角形であるため、より高い音が出ます。 続きを読む