素材」カテゴリーアーカイブ

木材パルプと酢酸からつくるアセテート繊維。

レーヨンを化学的に改良したものに、アセテート繊維があります。

レーヨンの主原料である木材パルプに、合成薬品の酢酸(さくさん)を化学的に作用させてつくった半合成繊維です。

植物繊維と合成繊維の両方の性質を併せ持っているアセテート繊維の特徴は、シルクのような光沢感とやわらかい感触に加えて、染色における発色の良さなどが挙げられます。 続きを読む

化学繊維の糸はどのように作られているのか。代表的な3種類の紡糸方法、湿式紡糸、乾式紡糸、溶融紡糸。

化学繊維を製造するためには、まず最初に原料から鎖状の高分子を溶剤に溶解するか、加熱して水あめのようなドロドロの状態にします。

鎖状の高分子は、原料のセルロースを反応させ改質したり、石油や天然ガスなどの繊維と無縁の原料から合成したりして作ります。

そしてドロドロの高分子を、ノズルといわれる口金(くちがね)の穴から押し出して固めて繊維にする「紡糸」の工程が必要になります。

化学繊維の糸をつくるための紡糸方法は、大きく分けて①湿式紡糸、②乾式紡糸、③溶融紡糸の3種類あります。

他にも、液晶紡糸法、ゲル紡糸法、エマルジョン紡糸法などさまざまな化学繊維の紡糸方法がありますが、今回は上記の基本的な3種類について紹介します。 続きを読む

羊毛はなぜ縮むのか?ウール・羊毛の特徴と性質。

羊毛は、家畜として飼育されている羊の毛です。

国際的な商取引では羊毛に限って「ウール」と呼んでおり、他の獣毛繊維を「ヘア」(毛)と呼んで区別しています。

品質表示では、「毛」というのは、すべての獣毛に使用できますが、高級品であること示すために、カシミヤはモヘア、アンゴラなどとそれぞれ表記できる場合があります。 続きを読む

石炭や石油、天然ガスからつくる繊維について。合成繊維の共通的な特徴。

ほとんどすべての繊維は、ポリマーと呼ばれる高分子物質で構成されています。

合成繊維では、繊維とは一見すると無関係な石炭や石油、天然ガスから化学的処理によって繊維をつくります。

合成繊維は、合成高分子の繊維であり、繊維を合成するのではありません。石炭と水と空気からナイロンがつくられ、この発明から続々と合成繊維が発明されていきました。

ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等、合成繊維の例はたくさんあげることができます。

世界三大合成繊維はナイロン、ポリエステル、アクリルの3種類で、合成繊維のほとんどのシェアを占めています。 続きを読む

羊毛(ウール)・獣毛の特徴的な性質である湿潤熱(しつじゅんねつ)の発生。

羊毛や獣毛の特徴的な性質として、湿潤熱(しつじゅんねつ)の発生が挙げられます。

湿潤熱とは、羊毛の繊維が水分を吸収する際に(湿潤)によって、放出する熱のことです。

湿潤熱を実感として感じたことがあるという人は、ほとんどいないと思いますが、実話として、水浸しになったウールを保管している倉庫が中にはいれないほど熱気に包まれたり、雨に打たれた毛織り物が凍っても濡れ雑巾のようにはならなかったために、雪山で人が救われたということがあるようです。 続きを読む

羊毛・ウールは体の部位によって品質に違いがある。梳毛糸(そもうし)と紡毛糸(ぼうもうし)と各品種の羊毛の繊維直径、繊維長、質番、巻縮数について。

羊毛は、毛を採取するその部位によって品質や性質が変わってきます。

胴体の側面で、肩のあたりがもっとも良質なウールがとれるようです。

公益社団法人畜産技術協会の記事「目的にあった羊毛の扱い」に非常にわかりやすい図と説明がありますので、ここに引用します。 続きを読む

羊毛の歴史。新石器時代から中央アジアで家畜として飼育される。

一万年前の新石器時代、中央アジアでは、羊が家畜として飼育されていたと言われます。

現在のイラクの一部にあたるメソポタミア地域で栄えたバビロン王朝時代には、(紀元前1830年〜1530年)すでに毛で織られた織物があったそうです。

紀元前200年ごろになると、ローマ人が羊毛を改良し始め、1世紀には、現代にも名前が知られているスペイン・メリノ種が生まれました。スペインでは、品質にすぐれたこの種類の羊を独占するために、長年に渡って国外持ち出し禁止としていました。 続きを読む

獣毛繊維の種類と特徴。獣毛繊維は、羊毛や化学繊維との混紡で、特徴をうまく表現できる。

羊毛(ウール)以外に、紡績繊維として使用される動物繊維のこと獣毛と言います。

実際に使用されている獣毛は、かなりの数になり、それぞれ動物が違えば、繊維の特徴が変わってきます。

代表的な、獣毛を簡単に紹介します。

モヘア

アンゴラ山洋の毛繊維で、シルクのように細く光沢感があり、羊毛に似ている性質を持ち、繊維が滑らかなので縮んだりフェルト化しにくいという特徴があります。 続きを読む

紙を染める方法と色紙の歴史。漉染め、浸け染め、引き染め、吹き染めについて。

古くから日本において、色のついた紙が漉(す)かれていたことが知られています。

紙を染めるためには、さまざまな方法がありますが、漉染め(すきぞめ)、浸け染め、引き染め、吹き染めの大きく4つに分類することができます。

①漉染め(すきぞめ)

漉染めは、紙の原料となる繊維を先に染めてから紙を漉く方法です。 続きを読む

綿・麻以外の植物繊維。カポック、パイナップル繊維、ヤシ繊維、芭蕉繊維。

植物繊維といえば、綿と麻に代表されますが、その他にも実用的に繊維として使用されている植物があります。

カポック(パンヤ)

カポックは、インドネシアやその周辺の国々で生育しており、日本ではパンヤという名前でよく知られています。

種子を保護するために生えている、コットンボールのようなものを繊維にします。種子毛繊維と呼ばれます。綿花とは異なり、軽くたたくだけで繊維と種子が分離するので収穫が簡単です。

繊維の特徴としては、筒状で内部がつ空洞になっているので、非常に軽く、やわらかいです。ただ、天然撚りがなく、表面がなめらかので、紡績はしにくいです。

関連記事:糸の撚り(より)の強さは品質にどう影響するか?甘撚りと強撚の特徴。

繊維内部の空洞に水が入りにくいという特徴もあるので、水に浮きやすく、救命用具の中綿として使われたり、弾力性や保温性にすぐれているので、枕やふとん、マットレスなどに用いられています。 続きを読む