天然染料の多くは、媒染剤の使い分けによって、茶色、灰色、黄色系統の色を染めることができます。
タマネギは、鉄媒染以外、どれも鮮明な黄色系統を染められます。 続きを読む
天然染料の多くは、媒染剤の使い分けによって、茶色、灰色、黄色系統の色を染めることができます。
タマネギは、鉄媒染以外、どれも鮮明な黄色系統を染められます。 続きを読む
黄八丈とは、主に草木染めで染められた黄色・樺色・黒色の三色の糸を使って、さまざまな縞模様を織り出す絹織物のことです。
黄八丈は、広い意味で茶系統の鳶八丈や黒系統の黒八丈を含めた、八丈島で生産された紬を総称しています。
全体的に渋く、味わいのある色合いであるため、絹織物らしい光沢感は抑えられます。
染色の工程で、乾燥のために長い日数を八丈島の強い直射日光にさらすため、堅牢度が良く変色したり退色しづらい特徴があります。
黄八丈は、たくさん使われ、洗われることで、年を経るにつれて、より一層色合いが冴えてくるともいわれたりします。 続きを読む
モチツツジ(学名:Rhododendron macrosepalum)は、ツツジ科ツツジ属の植物で樹高は1m~2mほどに成長します。
名前に「モチ」と付くだけあり、花の外側にある萼や葉などから粘着性のある液体を分泌します。
モチは食べる餅ではなく、「鳥モチ(鳥や昆虫を捕まえるのに使うゴム状の粘着性の物質)」のモチに由来しています。
また、モチツツジ以外にも、ネバネバした様子から「ネバツツジ(粘躑躅)」という別名もあります。
メギ(学名:Berberis thunbergii)は、山地の落葉樹林に生える落葉小低木です。
和名の目木由来としては、枝や根を煎じたものは黄色になり、洗目薬として目の病気に使用されたことから名付けられたとされます。
メギ(目木)の生薬名は小蘗といい、薬用のみならず、染色にも用いられてきました。
黄檗(学名 Phellodendron amurense RUPR.)は日本各地の山地に自生するみかん科の落葉高木です。
幹の外皮は厚く、外皮の内側の内皮が黄色いため、古くから黄色を染める染料に使用されてきました。
飛鳥時代の染織品の中で、緑色系のものの多くは、藍染した上から黄檗で染め重ねたものとされています。
福木(Garcinia subelliptica)は、琉球紅型(びんがた)に使用される沖縄で有名な染料植物の一つです。
フクギの属名(Garcinia)は、フランスの植物学者ガルサン(Laurence Garcin)の名前に由来しています。
日本においては、奄美大島や沖縄、八重山諸島などに分布し、同属の植物も世界中の熱帯や亜熱帯地方に分布しています。
福木の木は硬く、虫害の影響を受けにくいため、建築材に使用されてきました。
また、台風や潮風、火災、干ばつなどの厳しい環境に耐えうる強さを持っているので、沖縄では古くから防風・火が燃え移らないようにする防火を兼ねた生垣や、防潮林などとして道路や沿岸に植えられてきました。
5月〜6月ごろ黄色の花を小さく咲かせ、果実は食用にはなりませんが、球体で直径3センチくらいの大きさで、熟すと黄褐色になり、中に3、4個の種子ができます。
皂莢(学名:Gleditsia japonica)は、マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の落葉樹で、河原藤木とも呼ばれていました。
5月〜6月頃の初夏に、枝先から黄緑色の花を大量に咲かせます。
幹に鋭いトゲがあることや、大型のマメができることで知られ、10月頃に成熟した豆果は長さ20cm~30cmほどにもなります。 続きを読む
黄色は、赤と青とともに三原色の一つです。
古代中国においては、一年を四季に分けて、春(青)、夏(朱)、秋(白)、冬(玄)としていましたが、時間が経つにつれ、五行説にしたがって黄色を中央に入れることになります。
つまり、夏を二つに分けて一年を五季として、春は青、夏の前半は朱、夏の後半は黄、秋は白、冬は黒(玄)の五つの色によって表すことにしたというわけです。
日本も初めは五行説の考えを取り入れましたが、奈良時代ごろには、黄色は無位無冠(特別な地位がないこと)で一般民衆の服の色でもありました。
金のことを黄金というのは、その色が黄であるということからきています。 続きを読む
黄土による染色は、植物染料の発達にともなって、次第に衰退していったと考えられますが、日本においても広い地域で黄土を使用した染めが行われていたのではないかと推測されています。
7世紀後半から8世紀後半にかけて編集された、現存する日本最古の歌集である『万葉集』には、黄土を詠ったとされるものが6首あり、大阪の住吉地域での黄土についての記述があります。 続きを読む
ハゼノキ(ヤマハゼ)は、ウルシ科ウルシ属の落葉小高木で、学名はToxicodendron succedaneumです。
黄色の心材(樹木を輪切りにしたときに、中心部分にある色の濃い部分の材木)が、染料になります。
本来、中国の黄櫨は、ウルシ科の別属の木ですが、平安時代にまとめられた三代格式の一つである『延喜式』には、「採黄櫨一人」との記載があることから、日本で自生していたハゼノキ(ヤマハゼ)も利用されていたようです。
ハゼノキ(ヤマハゼ)の心材を染料として使用し、明礬媒染で黄色、灰汁媒染でやや赤みを増し、石灰水では赤茶色、鉄塩による媒染で真黒に発色します。