栗(くり)は、古くから瑞祥的(縁起が良い)な意味を持つ果実として知られています。
デザインにおける栗文(くりもん)
室町時代ごろには、戦勝を祝福するために、出陣の際に「搗栗(勝栗)」を食していました。
勝栗は、栗の実を乾燥した後、加熱して臼でつき、殻と渋皮を除いたものです。
栗の葉と実を模様化(文様化)した栗文は、縁起が良いものとして家紋としても用いられてきました。
栗は身近な植物文(植物模様)として、絵絣などの染織模様にも使用されてきました。
ちなみに、勝栗と同じように武将にとって縁起の良いものとして、褐色に染められた藍染の布がありました。
藍染で染めた(褐色に染められた)軍旗をもって戦に勝ったことから、縁起の良いものとして知られ、また、「かちんの裃」と唱え、藍染のものを用いて主君の前に伺うことがめでたい先例となり、武将が勝ちを祈って藍染を勝染めと言うようになったとも言われます。
関連記事:藍染における勝色(褐色/搗色)の由来とは?武将にとって藍染は縁起の良い「勝染め」であった