倉吉絣(くらよしがすり)の特徴や歴史


鳥取県の倉吉で生産された木綿の絣織物は、「倉吉絣くらよしがすり」という名で有名でした。

山陰地方では、島根県から鳥取県にかけての広い範囲で、絣織物が生産されてきました。

倉吉絣(くらよしがすり)

倉吉は、江戸時代中期頃から農機具である稲扱千把(千歯扱せんばこき)の生産地として知られ、全国に販路を持っていました。

久留米や近くの絣産地から絣の技術が技法が導入され、倉吉で生産された絣織物の販売にもこの販路が役立ったとされます。

生産の最盛期は明治30年(1897年)頃で、大正5年(1916年)頃から衰退していきましたが、周辺地域では昭和初期頃まで製織されていました。

倉吉絣の特徴

倉吉絣くらよしがすりの糸染めには、地域で栽培された地藍じあいが多く用いられたとされます。

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絣の技法は久留米絣と同じで、緯糸によって絵模様(文様もんよう)を織り出した絣織の一種である絵絣えがすりの産地としても知られていました。

ちなみに、「絵絣えがすり」という名前自体は、昭和7年(1932年)〜昭和10年(1935年)ごろに、柳宗悦やなぎむねよしを中心に集まった初期民芸運動の人々の間で生まれ、定着していったと考えられます。

緯糸に型紙を用いることによって模様(文様)を写し、そのまま手括り(てくくり)をして絣糸にするということも行われていました。

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絣の柄は、まんじの形をくずしてつづり連ねた紗綾形さやがた亀甲繋ぎ青海波せいがいは麻の葉立涌たてわく、十の字など、多種多様な連続模様(文様)が特徴的でした。