僧侶が着用する袈裟(けさ)の特徴や歴史について


袈裟けさは、僧侶が着用する法服の一種で、「功徳衣くどくえ」、「無垢衣むくえ」ともいいます。

僧侶が着用する袈裟(けさ)

袈裟(けさ)Perayaan Hari Raya Waisak yang selalu mengambil Candi Borobudur sebagai pusat tempat perayaan bagi umat Budha di Indonesia

袈裟(けさ)Rrinaldy, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

袈裟けさ」は、梵語ぼんご(サンスクリット語)の「kasaya」の日本語読みで、
「不正色」「壊色」「濁色」「濁染色」などを意味します。

古代インドでは、青・赤・黄・白・黒の五色を正色とし、その他を不正雑色としていました。

僧侶は立派な衣服を着ると欲心をおこして罪を作るとして、捨てられたボロ切れや死人の衣服を継ぎ合わせて身につけていたため、「雑色な色の衣服」の意味で、彼らの衣服(袈裟)を名付けたことに由来しています。

袈裟の特徴

インドから中国へ伝わり、形式化して日本へ伝わりました。

インドの袈裟型衣の系統を引き継ぎ、衣の上に左肩から右脇へかけて着用するタイプの衣服です。

大小の正方形、長方形に裁断して縫い合わせ、その数によって五条を下衣、七条を中衣、九条から二十五条までを大衣とし、これらを合わせて三衣と称します。

大衣は集会などの際に着用し、中でも十一条以上は大法会用に用いられます。

中衣は、寺の行事などに用い、下衣は外出や雑事用に着用されます。

日本における袈裟の歴史

日本において、正倉院しょうそういんに所蔵される宝物の中には、奈良時代に作られたとされるものがあります。

平安時代には美しいにしきなども用いられ、鎌倉時代にはそう(中国)から金襴きんらん緞子どんすなど、高級な織物でできた袈裟がもたらされました。

色彩によって僧侶の階級を区別したり、宗派によって模様(文様)や仕立ての違いが生まれていきます。

首にかけるだけのものや、たたんで輪にしたような略式の袈裟も作られました。