デザイン」カテゴリーアーカイブ

デザインにおける雲(くも)。雲文(うんもん)の種類や意味について

雲(くも)は気象状況や季節によってその形は様々に変わりますが、雲の模様(文様)は古くから意匠いしょう(デザイン)に活用されてきました。

雲の模様(文様)は「雲文うんもん」とも呼ばれ、中国や朝鮮ではさまざまなデザインが作られてきました。

中国では、山中の巨岩きょがんから雲気うんきが湧き出るとされたことから、「雲気文うんきもん」と呼ばれました。

日本では奈良時代に中国の影響を受けて、さまざまな意匠いしょう(デザイン)において雲文うんもんが取り入れられるようになったとされます。 続きを読む

九曜文(くようもん)

デザインにおける九曜文(くようもん)

九曜くよう」とは、古代インドの占星学にみえる9つの天体とそれらを神格化した神を表します。

九曜くようは、天地を守る仏神として信仰され、日本においては九曜を模様化(文様化)した九曜文くようもんが平安時代末には衣装や牛車ぎっしゃに用いられていました。 続きを読む

デザインにおける薬玉文(くすだまもん)

薬玉くすだまは、古くはさまざまな香料を袋にいれ、飾りをつけて五色の糸を垂らし、主に5月5日の「端午の節句」における魔除けとして、柱や几帳きちょう御簾みすなどにかけられました。

日本には、中国から伝わり、『続日本後記』(849年)の5月5日の項に「薬玉」とあるのが最初の記載とされます。

平安時代、宮中では5月5日に薬玉をかけられ、9月9日の「重陽ちょうようの節句」まで掛けられ、「茱萸袋ぐみぶくろ」と取り替えるという風習がありました。

中国の風俗では、薬玉は「命縷しょくめいる」や「長命縷ちょうめいる」、「五色縷ごしきる」などと呼ばれていました。 続きを読む

黒地孔雀羽文錦陣羽織

デザインにおける孔雀文(くじゃくもん)

孔雀くじゃくは、鳥の中でもその姿や色が美しいため古くから世界各国で愛好され、デザインにも用いられてきました。

中国は漢代頃に彫刻された画像石がぞうせき(平板な石材に線刻や浮彫で様々な画像を表したもの)に、孔雀くじゃくの模様(文様)があったり、キリスト教においては、孔雀くじゃくは「不死の意」を表すとされていました。 続きを読む

組紐(くみひも)に歴史と技法。高麗組(こうらいぐみ)について

組紐くみひもとは、数本から数十本の糸を一束とし、それを幾束か一定方式で斜めに交差させながら紐状に組んだものです。

高麗組こうらいぐみと呼ばれていたものは、刀の下緒さげお(日本刀のさやに装着して用いるひものこと)に多く用いられていた組紐くみひもです。

組紐くみひもの生産は、伊賀上野いがうえのと京都が2大産地として有名でした。 続きを読む

小葵地桐竹鳳凰文二重織物表着

デザインにおける桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)

桐竹鳳凰文きりたけほうおうもんは、有職文様ゆうそくもんようの一つで、洲浜に生い立つきりと竹に飛翔する鳳凰ほうおうがデザインされた模様(文様)です。

有職文様ゆうそくもんようとは、平安時代以降の公家社会において装束や調度、輿車よしゃ、建築などに用いられた伝統的な模様(文様)です。

鳳凰ほうおう(Chinese phoenix)は、中国統治した五帝の最初の聖帝とされる黄帝こうていが、南苑なんえんで祭りをしたときに現れたとされる幻獣です。 続きを読む

「金銀襴緞子等縫合胴服(きんぎんらんどんすとうぬいあわせどうふく)」伝 上杉謙信 上杉景勝所用/上杉神社

布の切継ぎ(きりつぎ)・裂仕立・縫合せ、寄裂文様について

色や柄の異なる二種類以上のきれを接ぎ合わせて一枚の衣服を仕上げる手法を「切継ぎ」や「裂仕立」、「縫合せ」などといいます。

布の接ぎ合わせ方には、布目を合わせて細かく返し針で縫っていく方法や、つなぎ合わせる部分に別の布を細かく挟んでパイピングのようにする方法などがあります。
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