紫色」カテゴリーアーカイブ

染色・草木染めにおけるロッグウッド。世界最大の需要を誇った染料、ロッグウッドの普及と衰退の歴史

ロッグウッド(学名 Haematoxylum campechianum)は、マメ科の植物で、属名のHaematoxylumは、ギリシャ語でhaima(血液)とxylon(樹木)の二語から由来し、種名のcampechianumは、原産地がメキシコ湾のカンペチェ湾(Campeche)沿岸であることから命名されています。

血木と呼ばれるのは、材木を空気に酸化させると美しい赤褐色の色が出てくるためです。

原産地は、中米などの熱帯地方で、樹高は6〜12mほどになり、幹にはドゲがあります。

小さくて黄色い花が咲き、幹の中央部の心材しんざいが染料として使用され、青紫色の色素であるヘマトキシリンが含まれています。

Haematoxylum campechianum (Campêche)

ロッグウッド,logwood,Haematoxylum campechianum,Fpalli, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

ロッグウッド(logwood)は、国によって様々な名称があり、イギリスにおいてロッグウッドという名称がはじめて文献に現れたのは、1581年のことです。

17世紀の始め頃からヨーロッパの市場では、ホンジュラスのベリーズから産出するものとユカタン半島のカンペチェから産出するものの棲み分けがされていました。

カンペチェ産のものの方が、ホンジュラス産のものに比べて品質が優れているとされていたため、名称も区別する必要があったのです。

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染色・草木染めにおける紫草(むらさき)。染色方法の一例について

紫色を染める材料としては、古代から紫草むらさきが主に使用されてきました。

平安時代には、藍と紅花による紫色も使用されはじめ、二藍ふたあい桔楩色ききょういろなどと言われていました。

江戸時代になると蘇芳すおうによる紫色が多くなり、単にむらさき似紫にむらさきと呼ばれています。

桔楩色ききょういろは、江戸時代になると藍と蘇芳すおうによる染色になっていきます。

江戸末期から明治にかけてロッグウッドが輸入されるようになってからは、主にロッグウッドが紫色の染めに使用されるようになりました。

その他、紫系の色を染める際には、五倍子ごばいし矢車附子やしゃぶしなどが活用されました。

五倍子ごばいし矢車附子やしゃぶしは、採取してからすぐに染めると紫色と言ってもいいような色合いになります。 続きを読む

紫根で染められた日本古代の色彩である紫色。深紫・深紫・中紫・紫・黒紫・深滅紫・中滅紫について。

日本古代の色彩は、薬草と考えられる草木で、草木の中に存在する木霊こだまに祈りつつ染付けがされていました。

飛鳥時代(592年〜710年)、奈良時代(710年〜794年)平安時代(794年〜1185年)の色彩の代表的なものに紫色があります。

紫根染めされた色の総称として「紫」が多く使われていましたが、呼び名は単に「紫」とひとくくりではありませんでした。

深紫(こきいろ)・黒紫(ふかむらさき・くろむらさき)・浅紫(うすいろ・あさきむらさき)中紫(なかのむらさき)・紫・深滅紫(ふかきめつし・ふかけしむらさき)・中滅紫(なかのめつし・なかのけしむらさき)・浅滅紫(あさきけし・あさきけしむらさき)など、さまざまな名前で表現されたのです。

それぞれの紫色の色彩について、取り上げます。 続きを読む