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染色・草木染めにおいて、ウール(羊毛)のフェルト化を防ぐ方法

羊毛(ウール)を染色した際に素材がフェルト化して硬くなってしまうと、風合いが大きく変わってしまったり、糸を染めた場合は糸同士がくっついたりして、使い物にならなくなってしまいます。

羊毛(ウール)のフェルト化は、水分、高温と圧力、薬品などが作用することで起こる可能性があるため、それらの要素に注意して染色を行う必要があります。 続きを読む

ウール(羊毛)の特徴と素材の特性。ウール(羊毛)はなぜ縮むのか?

ウール(羊毛ようもう)は、家畜として飼育されている羊の毛を言い表します。

国際的な商取引では羊毛に限って「ウール(wool)」と呼んでおり、他の獣毛じゅうもう繊維を「ヘア(hair)」と呼んで区別しています。

品質表示において「毛」と表記する場合は、すべての獣毛じゅうもうに適応できます。

高級品であること示すために、カシミヤ(cashmere)モヘア、アンゴラなどとそれぞれ表記できる場合もあります。

Wilderness Road - Sheep for wool (7047953945)

Sheep for wool,Virginia State Parks staff, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons,Link

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フェルト(Felt)とは?フェルトの分類や作り方、歴史について

フェルト(Felt)とは、代表的な不織布として日常生活の中でも使用されており、ウール(羊毛ようもう)や獣毛繊維じゅうもうせんいを縮ませて作られるものです。

フェルトという言葉は、ギリシャ語のFulzen(結合させる)からきているように、ウール(羊毛ようもう)の縮絨性しゅくじゅうせい(縮むこと)をはっきりと表しています。

フェルトの技法は、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国にも古くから伝わっており、フェルトの帽子や靴下など、その保温性の高さと摩擦に強いことから、現在でも世界中で広く親しまれています。
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「金よりも価値がある」超高級繊維ビキューナ(Vicuna)の特徴について

「金よりも価値がある繊維」ともいわれるビキューナ(Vicuna)とは、南米のアンデス山脈に生息しているビクーニャ(Vicugna)からとれる「毛」またはそれを用いた織物を表します。

ビクーニャ(Vicugna)とは、ペルー、アルゼンチン、ボリビア、チリ北部、エクアドルなどの標高約3800m以上のアンデス山脈に生息しています。

ラクダ、アルパカ、リャマと近縁のラクダ科の小さな動物で、すべてのラクダ科動物の繊維と比較しても、良質な獣毛繊維が採れます。

ビクーニャ(Vicugna)Vicuña - Chimborazo, Ecuador

ビクーニャ(Vicugna)Vicuña,Dabit100 / David Torres Costales Riobamba, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

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カシミヤ(cashmere)とは?「繊維の宝石」カシミヤ繊維の特徴について

カシミヤ(cashmere)は「繊維の宝石」とも呼ばれ、長い歴史の中で常に高品質な繊維としての高い地位を維持してきました。

カシミヤと呼ばれるのは、インド北西部の高山地帯のカシミール地方に生息しているカシミヤヤギ(カシミヤ山羊)に由来があります。

カシミヤヤギから取れる優良な毛は、絹(シルク)に似た光沢を持ち、繊維もしっかりしており(強靭きょうじん)、滑りが良いのが特徴的です。 続きを読む

ウールの黄ばみの原因とは。黄ばんだウールの洗濯方法と、黄色の変色とカビをできる限り防ぐ方法

ウールは日光に当たったり、酸化さんかによって、次第に黄色味を帯びてきます。

もちろん黄ばみに関しては、ウールだけではなく、コットンやシルク、ナイロンやポリエステルなどさまざまな繊維に対して発生します。

ウール糸のストック,Stock of wool

ウール糸のストック,Stock of wool ,Lauchap, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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ハリスツイードの特徴と歴史。ハリスツイードとして認められる条件について

ハリスツイード(HarrisTweed)とは、スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で作られている伝統的な毛織物を意味します。

スコットランドの西側に浮かぶアウター・ヘブリディーズ諸島は、古くはロングアイランドと呼ばれ、非常に長い距離に渡って島々が点在しており、その中のルイス島(Lewis)とハリス島( Harris)がハリスツイードの故郷といえます。

北に位置する大きい島がルイス島で、南に位置する小さい島がハリス島であり、地理上では陸続きでつながっている一つの島ですが、通常二つの島と考えられています。

あえて人々が別名で呼んでいたのは、ハリス島は岩山が連なり木々が少ないなど、二つの島の環境が非常に異なっていたためです。
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羊毛(ウール)・獣毛の特徴的な性質である湿潤熱(しつじゅんねつ)の発生

羊毛や獣毛の特徴的な性質として、湿潤熱しつじゅんねつの発生が挙げられます。

湿潤熱とは、羊毛の繊維が水分を吸収する際に(湿潤)によって、放出する熱のことです。

湿潤熱を実感として感じたことがあるという人は、ほとんどいないと思いますが、実話として、水浸しになったウールを保管している倉庫が中にはいれないほど熱気に包まれたり、雨に打たれた毛織り物が凍っても濡れ雑巾のようにはならなかったために、雪山で人が救われたということがあるようです。 続きを読む