赤色」カテゴリーアーカイブ

一斤染(いっきんぞめ/いっこんぞめ)とは?紅花で染められた淡い色合い

紅花べにばな(学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属で花弁かべんを植物染料にします。

秋に種をまいて、冬を越して春になってから開花、結実してから枯れる越年草えつねんそう(二年草)として生育したり、寒い地域では一年草として春早い時期に種をまく場合もあります。

紅色の染料としての用途のみならず、食用油の原料としても栽培されています。 続きを読む

染色・草木染めにおける冬青(そよご)。染色方法の一例について

冬青そよご(学名 Ilex pedunculosa)は、山梨県より西の本州、四国、九州の山地に生えている常緑樹で、実が美しいことから庭木としても植えられます。

雌雄異株で、6月ごろに小さな白い花が咲き、実は丸く熟すと紅色になります。

冬青そよごという名前の由来は、葉が風にゆれて、ザワザワ音をたてながらそよぐさまからきています。

Ilex pedunculosa fruit

冬青,Ilex pedunculosa,Alpsdake, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色における赤土(あかつち)。赤色の顔料であるベンガラについて

天然に出る赤色の土は、世界中のいたるところで見ることができます。

日本においては、水稲農耕すいとうこうさくが始まる弥生時代やよいじだい(紀元前10世紀頃〜紀元後3世紀中頃)以前に用いられた顔料は基本的には赤と黒の2色で、赤は赤土あかつち(せきど)が使用されていたと考えられます。

赤土あかつち(せきど)の主成分は、酸化鉄さんかてつです。

インドは、インディアンレッドと称される赤土が古くから産することで有名で、ベンガル地方がその本場であったため、日本では「ベンガラ(弁柄)」といわれていました。 続きを読む

茜染め(絞り)

染色・草木染めにおける茜(あかね)。茜染に用いた茜の種類や染色方法、歴史について

あかね(学名:Rubia argyi)は、アカネ科アカネ属のつる性多年生植物で、日本においては、赤色を染めた最初の染料と一つと考えられています。

あかねは、根っこが赤い色をしており、根っこの煎汁せんじゅうによって染色された赤い色合いは、古来「赤根」と呼ばれていたのです。

あかねは、植物名と染色名が同じであり、例えば「むらさき」と「紫草むらさき」、「べに」と「紅花べにばな」、「きはだいろ」と「黄檗きはだ」など、非常に古くから染色と関係性があったこと名前からもわかります。
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赤(あか)とは?

赤は、それを見る人に動的な感じを与え、暖かみを与えるような色合いです。

赤は、中国では五色ごしきの一つとされていました。

古く中国では、青(藍)、赤(朱)、黄、白、黒(玄)の五つの色を「五色ごしき」としており、五色ごしきは、正色せいしきとされ、その中間の色を「間色かんじき」として、間色かんじきは正しくない色であり、聖人君主は用いる色ではないとしていました。 続きを読む

染色・草木染めにおける紅花(べにばな)。薬用効果や歴史について

紅花べにばな(学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属で花弁かべんを植物染料にします。

秋に種をまいて、冬を越して春になってから開花、結実してから枯れる越年草えつねんそう(二年草)として生育したり、寒い地域では一年草として春早い時期に種をまく場合もあります。

紅色の染料としての用途のみならず、食用油の原料としても栽培されています。

紅花,Carthamus tinctorius 050709b

紅花,Carthamus tinctorius,Pseudoanas, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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桜染め,アルミ媒染

染色・草木染めにおける桜(さくら)

桜は、古くから人々に親しまれてきました。

7世紀後半から8世紀後半(奈良時代末期)にかけてに成立したとされる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集まんようしゅう』には、4,500首以上歌が集められていますが、桜を詠んだ歌が非常に多く、「桜の花」、「桜花」、「山桜」、「山桜花」などとあり、40首が収められています。

ただ、桜が染色に用いられるようになったのは近年になってからと考えられます。

江戸時代には「桜鼠さくらねずみ」など色名がありますが、桜自体を使用したわけではなく、桜色がかった鼠色ねずみのことを指していると考えられます。 続きを読む

染色・草木染めにおけるバラ(薔薇)

ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。

日本においても古くからバラが栽培されていたとされ、バラを描いた美術や工芸品も残っています。

バラ(薔薇),Rosa 'Karneol Rose' Rupprecht Radke 1964

バラ(薔薇),Geolina163, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

平安時代には、中国からコウシンバラ(庚申薔薇こうしんばら)が渡来していたと考えられており、「古今和歌集」や「枕草子」、「伊勢物語」や「源氏物語」などから、バラが観賞されていたことがわかります。

関連記事:デザインにおけるバラ(薔薇)

歴史的には、紅花べにばなのように花を染料にして染めことは行われてきましたが、バラの花びらを使った染色というのは、ほとんど行われなかったと考えられます。

一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました.

ただ、花びらを使用した染色において、バラの花が活用されることがあります。 続きを読む

染色・草木染めにおけるチューリップ

花を染料にして染める行為は、古くからおこなわれてきました。

特に有名なのが紅花べにばなで、赤系の色を染めるのに重要なものとされてきました。

紅花以外にも、杜若かきつばたや、はぎ露草つゆくさなどの花りであったり、槐花かいかえんじゅ)、金銀花きんぎんか(すいかずら)、向日葵ひまわりなども染料とされていました。

紅花染めが色の移ろいが激しい染料として、数々の歌にも読まれているように、一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました。 続きを読む