投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

染色・草木染めにおける黄金花(こがねばな)。黄芩(おうごん)の薬用効果や歴史について

黄金花こがねばな(学名 Scutellaria baicalensis Georgi)は中国北部からシベリア、モンゴルや朝鮮半島などに分布しているシソ科の多年草です。

7月から8月ごろに枝先に花穂をつけ、青色や紫紅色の唇形花しんけいかが美しいのが特徴的です。

Scutellaria baicalensis kz04

黄金花,Scutellaria baicalensis,Krzysztof Ziarnek, Kenraiz, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

地中に埋まっている根っこ部分は、外皮が暗褐色あんかっしょくですが、内部は美しい黄色です。

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染色・草木染めにおける虎杖(いたどり)。薬用効果や歴史について

虎杖いたどり(学名 Reynoutria japonica)は、日本各地の山野や道ばた、土手などに群生するタデ科の多年草で、日本や朝鮮半島、中国などに分布しています。

春から秋にかけて多数の白や薄紅色の小さい花が咲き、花が夏の季語に用いられています。

漢名の虎杖いたどりは、明代みんだい李時珍りじちん(1518-1593年)が26年の歳月をかけ、700あまりの古典を調べ、自らの調査も合わせて1900種の薬物について記述した本草書である『本草綱目ほんぞうこうもく』に由来が記述されており、「杖とはその茎を形容したもの、虎とはその斑を形容したもの」とあります。

Reynoutria japonica. 2020-08-30, Seldom Seen, 02

虎杖(いたどり),Reynoutria japonica.,Cbaile19, CC0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおけるマリーゴールド。

マリーゴールド(英語 marigold学名 Tagetes)は、キク科でマンジュギク属の一年草で、広く園芸種として栽培されています。

マリーゴールドの名前で親しまれている植物には、アフリカン・マリゴールドとフレンチ・マリゴールドがあり、アフリカン・マリゴールドはメキシコ原産で、和名では、千寿菊せんじゅぎくまたは万寿菊まんじゅぎくといいます。

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マリーゴールド,Tagetes,Sabina Bajracharya, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

すず媒染で花の色に近い色合いを染められ、酢酸アルミの媒染で黄色、酢酸銅の媒染で金茶色、鉄媒染で海松みる色を染めることができます。 続きを読む

草木染め、植物染料とは何か?語源と定義、一般的な染色方法について

「草木染め」という言葉は、日本の作家で染織家の山崎斌やまざきあきら(1892年〜1972年)に命名されました。

1930年(昭和5年)、化学染料が普及してきたころ、天然染料は衰退の一途をたどっていきました。

「草木染め」という言葉は、古くから伝承されてきた染色方法を復興するにあたり、化学染料と区別するために名付けられたのです。

現在、草木染めという言葉の定義は、自然から得られる染料で染色することの総称として定着しています。 続きを読む

染色におけるインド藍。歴史と染色方法について

インド藍(学名 Indigofera suffruticosa)は、熱帯地方に分布するマメ科コマツナギ属の藍色素を持つ植物から抽出した染料の名前でもあり、植物の名称でもあります。

日本の本土で古くから栽培されてきたタデアイ(くさの藍)に対して、木藍きあいと呼ばれたりもしました。

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インド藍,Indigofera suffruticosa,Forest & Kim Starr, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおける黄檗(きはだ)。黄檗の歴史と薬用効果、染色方法の一例について

黄檗きはだ(学名 Phellodendron amurense RUPR.)は日本各地の山地に自生するみかん科の落葉高木です。

幹の外皮は厚く、外皮の内側の内皮が黄色いため、古くから黄色を染める染料に使用されてきました。

飛鳥時代の染織品の中で、緑色系のものの多くは、藍染した上から黄檗きはだで染め重ねたものとされています。

Phellodendron amurense Korkowiec amurski 2019-05-24 05

黄檗,キハダ,Phellodendron amurense RUPR.,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおける馬酔木(あせび)。歴史と馬酔木の毒性について

馬酔木あせび(学名 Pieris japonica D.don)は、ツツジ科の常緑低木で、日本固有の植物です。

属名のPierisは、ギリシャ神話の文芸、芸術、音楽をつかさどる神の名前に由来があります。

馬酔木あせびという漢字が当てられますが、中国名ではなく日本でつけられた名称です。

大体は2〜3メートルくらいの樹高ですが、大きいものだと5メートルほどにもなり、庭木としても使用されます。

3月から5月ごろ、小枝の先にスズランのような白色で、ツボ状の形をした花が密集してたくさん咲くのが特徴的です。

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馬酔木,あせび,Pieris japonica,Photo by David J. Stang, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

馬酔木あせびは、園芸品種も様々あり、薄紅色の花を咲かせるアケボノアセビ、花の穂が長いホナガアセビ、葉にまだら模様が入っているフクリンアセビなどがあり、江戸時代終わりごろから欧米などの海外でも観賞用として栽培されるようになっています。

Pieris japonica 'Katsura' Pieris japoński 2019-04-06 01

馬酔木,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link


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フェルトとは?不織布の代表であるフェルトの歴史と分類について

フェルト(Felt)とは、代表的な不織布として日常生活の中でも使用されており、羊毛や獣毛繊維を縮ませて作られるものです。

フェルトという言葉は、ギリシャ語のFulzen(結合させる)からきているように、羊毛の縮絨性しゅくじゅうせい(縮むこと)をはっきりと表しています。

紀元前3世紀ごろから、中央アジアの遊牧民たちは、羊毛や獣毛からフェルトを作り、カーペットや衣類などとして使用してきました。

日本においては、正倉院の御物中に、中国から渡来した花文のある毛氈もうせんが残されています。

毛氈もうせんとは、羊毛などの獣毛を原料に、延ばしたり、加熱や圧縮して織物風に仕上げたフェルト状の敷物です。

フェルトの技法は、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国にも古くから伝わっており、フェルトの帽子や靴下など、その保温性の高さと摩擦に強いことから、広く親しまれています。

Colored felt cloth

Colored felt cloth,Bastet78, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおける杏(あんず)。薬用効果や歴史について

あんず(学名 Prunus armeniaca)は、バラ科のブンゴウメに良く似ており、春先に花が咲かせ、果実は6月下旬から7月上旬にかけて収穫されます。

日本では、東北、信州、甲州などの比較的北国での栽培が適しています。

原産地は中国北西地方や中央アジアで、中国では古代からウメやモモと共に重要な果樹、もしくは薬木やくぼくとして栽培されてきました。

Prunus armeniaca in Donetsk

杏,Prunus armeniaca,Andrew Butko, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

種を割った中に入っている杏仁きょうにんは、生薬として使用されてきました。
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