ものづくり」カテゴリーアーカイブ

江戸小紋

「だれが作ったか?」という物語の大切さ。ものづくりにおける「作家性(さっかせい)」について

2022年11月にOpenAIによって公開された人工知能チャットボットであるChatGPTは、世界中からの関心を集めました。

それからというものの画像生成AIや動画生成AI、音楽生成AIなど、さまざまな分野での人工知能の発達が目まぐるしく、日々進化しています。

良質なコンテンツが安価で、無限につくられてしまうAIが発達した社会においては、本体の内容(コンテンツ)に付随する付加情報がより大事になってくるとされています。 続きを読む

日本や世界における刺繍(ししゅう)の歴史や特徴。奈良、平安、鎌倉、室町、江戸、それぞれの時代における刺繍について

針と糸があれば、布を自由に装飾できる刺繍ししゅうは、世界中で古くから行われてきました。

中国では、殷代いんだい(紀元前17世紀〜紀元前1046年)の青銅器に付着していた絹に菱形ひしがたの模様(文様もんよう)が刺繍ししゅうされた例が見つかっています。

日本においては、中国から発達した刺繍ししゅうの影響を受けながらも、織りや染めの技法と混ざりあいながら、日本的な美しさが数多く表現されてきました。
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蚊帳・蚊屋(かや)とは

蚊帳かやは、蚊屋とも表記し、夏にを防ぐために麻や木綿で作った寝床ねどこを覆うものです。

蚊帳・蚊屋(かや)とは

蚊帳かやは、古くは『日本書紀』(720年)や平安時代にまとめられた三代格式さんだいきゃくしきの一つである『延喜式えんぎしき』にその名があり、中世にはかなり使われていたようです。

江戸時代後期には、ほぼ現在でいうところの蚊帳かやの形となりました。

蚊帳かやに使用される材料は、本麻のみ・平麻(麻と木綿)・木綿のみが多く用いられてきました。

蚊帳かやの染色には、藍で染められた水色、柿渋で染められた茶色、色は黄緑色系統の色である萌黄もえぎ苅安かりやす(刈安)と藍染を併用した緑などの色が染められていました。

竹や針金などを骨組みにして、子供用の小さな蚊帳かやである母衣蚊帳ほろがやも作られました。

不器用で下手な素人のものづくりには価値がある。ものづくりの本質は、心でつくること

初版が1993年に発行された岡本太郎(著)『自分の中に毒を持て』は、人生において大切だと思えるエッセンスがたくさん詰まった本です。

不器用で下手な素人のものづくりには価値がある

岡本太郎は芸術家でしたが、「ものづくり」に関しても、本書にて言及しています。

ものづくりに関わる人でも、そうでない人にとっても示唆に富むことが書かれています。


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意義目標をチームとして設定すること

「何のためにものづくりをするのか」という意義目標を設定することの大切さ。

働くということにおいては、人と人のやりとりがまったく生じないというのは、ほとんどの場合でありません。

組織で働くということ、どうすれば人と人とがスムーズにやりとりできるのかなど、今も昔も変わらず話題になることです。

チームとしてうまく機能するための一つのポイントとして、皆の考えの方向性が同じ向きを向いている点が挙げれられます。 続きを読む

絞り染めの柄に彫られた伊勢型紙

型染めで絞り染めのような柄を表現する技法

絞り染めとは、部分的に布に染まらない部分を作る防染ぼうせんの技術です。

布の一部を糸で強く巻き締める「巻締め」や、針と糸で布を縫い、その糸を引き締めることによって防染する「縫締め」と呼ばれるものが基本的な技法です。

巻締めの一種である鹿子かのこ絞りは、江戸時代には非常に流行したため、たびたび奢侈禁止令しゃしきんしれいの対象にもなっていました。

そこで絞り染めの手間とコストを抑えるために、型染めで絞り染めを表現する工夫がなされました。 続きを読む

張木(はりき)小巾

ものづくりにおいて、仕事道具を大事に扱うことの大切さ

ものづくりにおいて、仕事で使用する道具を大切にできるかどうかは作り手としては非常に大切なことです。

なぜなら、道具を大切にするという取り組みの姿勢が、結果的に成果物の出来上がりの質に影響すると考えられることが多いためです。

木版画家として知られていた立原位貫たちはらいぬき氏(1951年〜2015年)は、著書の『一刀一絵』にて、仕事道具について、以下のように語っています。

いい道具は時を繋いで、いい仕事をしてくれる。使い続けることでその命が生かされていく。『一刀一絵

立原位貫たちはらいぬきは、江戸時代と同じ手法、絵具、紙を独学で研究し再現し、それらの道具をつかって江戸時代の浮世絵の復刻を成し遂げた木版画家であり、著書である『一刀一絵』からは、道具に徹底的にこだわる姿勢が伝わってきます。

加賀友禅(かがゆうぜん)とは?加賀友禅の技法と京友禅との違いについて

加賀友禅かがゆうぜんが染められてきた石川県の金沢市は、周囲を美しい山々に囲まれ、犀川さいがわと浅野川が流れる、加賀百万石の城下町でした。

この地域における染色の歴史も非常に古く、1500年代頃にはすでに「梅炭うめずみ」といわれる無地染が発達し、布地を梅の皮やしぶで染め、黄色味がかった赤色に染め上げたのです。

江戸時代初期には、「御国染おくにぞめ加賀染かがぞめ)」や「兼房染かねふさぞめ(けんぼうぞめ)」と呼ばれる友禅染めのような模様染めが行われていました。

このように染色の土台があった加賀において、京都から宮崎友禅斎みやざきゆうぜんさいが移り住んできたのです。

のり置の防染法が導入された江戸時代中期以降は、臙脂えんじと藍、紫の三色を基調にぼかしを加えた形式の友禅染めを特色としていました。 続きを読む