針と糸があれば、布を自由に装飾できる刺繍は、世界中で古くから行われてきました。
中国では、殷代(紀元前17世紀〜紀元前1046年)の青銅器に付着していた絹に菱形の模様(文様)が刺繍された例が見つかっています。
日本においては、中国から発達した刺繍の影響を受けながらも、織りや染めの技法と混ざりあいながら、日本的な美しさが数多く表現されてきました。
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針と糸があれば、布を自由に装飾できる刺繍は、世界中で古くから行われてきました。
中国では、殷代(紀元前17世紀〜紀元前1046年)の青銅器に付着していた絹に菱形の模様(文様)が刺繍された例が見つかっています。
日本においては、中国から発達した刺繍の影響を受けながらも、織りや染めの技法と混ざりあいながら、日本的な美しさが数多く表現されてきました。
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型染めにおける地張りから糊置きまでの工程については、以下のような流れとなります。 続きを読む
長板中形は、小紋や形友禅などと同じく、日本に古くからある型染めの一種です。
長さが3間半(約6m36cm)、幅が約46cm、厚さが約2cmの一枚板である「長板」に生地を広げ、中形と呼ばれる、大紋と小紋の中間ぐらい柄の大きさに彫られた型紙を使用して型付けを行うため、長板中形という名前がありました。
階級制度の厳しい封建社会のため、庶民は武士の目を意識して、大紋と小紋の中間の型を使用して、木綿の着物を染めたのが始まりと考えられます。
長板中形の技術は、江戸時代中頃から浴衣地の型付け・藍染に多用されたため、中形といえば浴衣の代名詞のようになっていました。
埼玉で「長板中形」が盛んになった理由として、中川・綾瀬川などの水量の豊富な河川に恵まれていたことに加えて、何より大消費地であった江戸、東京の隣接地であったことが挙げられます。
江戸の需要に応える形で、多くの人々が型付け職人として仕事に従事していました。
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有松絞りは、鳴海絞りとも呼ばれます。
有松と鳴海は、ともに旧東海道五十三次の宿場町ですが、有松で絞り加工されたものが、賑やかな隣町の鳴海で盛んに販売されたため、鳴海絞りの名で全国的に有名になったのです。
このことは、安藤広重の「東海道五十三次・鳴海の宿」の江戸浮世絵の中にもみることができます。
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染色において、先染め(さきぞめ)、後染め(あとぞめ)という言葉があります。
先染めと後染めの違いとしては、染色の工程を生地(布)を「織る・編む」前にするか、後でするかという点です。 続きを読む
板締めは、布地に両面から板を当てて、きつく両側から固定することで防染し、模様を染める技法です。
日本で古くから行われてきた染色技法を表す言葉に、絞り染めの纐纈、ろうけつ染めの臈纈、そして板締めの夾纈があります。
上記の三種類の技法は、「三纈」という言葉でまとめて表されます。 続きを読む
2022年11月にOpenAIによって公開された人工知能チャットボットであるChatGPTは、世界中からの関心を集めました。
それからというものの画像生成AIや動画生成AI、音楽生成AIなど、さまざまな分野での人工知能の発達が目まぐるしく、日々進化しています。
良質なコンテンツが安価で、無限につくられてしまうAIが発達した社会においては、本体の内容(コンテンツ)に付随する付加情報がより大事になってくるとされています。 続きを読む
糸目糊とは、友禅染め(ゆうぜんぞめ)の一工程である「糸目糊置き」に使用する防染糊も言います。
友禅染めでは、青花液で下絵を描いた後に、筒描きによって模様(文様)を描き、ある色と他の色との境目を糊で線描きすることがあります。
色を挿すときに染料のにじみを防ぐために、青花で描いた下絵にそって、糸のように細い防染糊を置くのです。
この色と色の境目を防染する糊を「糸目糊」といい、糸目糊を使用して糸目糊置きが行われます。 続きを読む
一陳(一珍)とは、江戸時代から伝わる糊防染の一つです。
一陳糊(一珍糊)を使用した一陳染め(いっちんぞめ)は、手描き友禅に用いられる糸目糊とも、板場友禅に用いる写しの色糊とも、また長板中型や紅型、その他の型染めに用いる防染糊とも違う、特徴的な糊を使う技法です。
貞享4年(1687年)刊の『雛かた』(源氏ひながた)の下巻に、一陳(一珍)についての記載があります。
これについて、後藤捷一氏は、「一珍糊を使って模様を染めること。一珍糊とは小麦粉と消石灰の混合物を布海苔で練り合わせたもので、この糊で型付けし乾燥した後、色差しを行ない、乾燥後布の両耳を斜に引いて糊をかき落とすもので、一名掻き落し糊ともいい、水洗いが不要である」と指摘しています。 続きを読む
タペストリーは、模様(文様)に応じて緯糸を下絵にしたがって織り上げた綴織の一種です。
綴織は、織りたい図柄の下絵を、綴機に張った経糸の下にあてがいながら、平織の組織で経糸に地緯糸と絵緯糸を織り込み、図柄を織り表していきます。
タペストリーは、古代ローマ時代から建築や宮殿を飾ったといわれ、中世以後、フランスのフランドルを中心として発達していきました。 続きを読む