投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

キモノスリーブ(kimono sleeve)とは何か?キモノスリーブの特徴について

スリーブ(sleeve)は、日本語ではそでにあたる部分です。

キモノスリーブ(kimono sleeve)とは、その名前の通りですが、日本の着物からインスパイアを受けて、ヨーロッパで表現された袖の形です。

キモノスリーブに対する解釈は、その言葉の発生から現在に至るまでに、変わってきている点もあるようです。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

絹(シルク)をこすり合わせた時に出る音「絹鳴り(きぬなり)」

絹(シルク)をすり合わせた時や、絹でできたおびを手や指でこすったりした時に出る音を「絹鳴り(きぬなり)」と言います。

一般的には、毛羽がほとんどない長繊維(フィラメント)の織物は、すり合わせると音が発生しやすいです。

特に絹糸は、単糸たんしの断面が三角形であるため、より高い音が出ます。 続きを読む

オーガンジー加工とは? Organdie finish

オーガンジー(organdy、organdie)とは、経糸、緯糸に細糸を使用した平織などの、透け感のある硬めの薄地織物です。

オーガンジーという言葉の由来ははっきりしていませんが、ウズベキスタンの古都「ウルゲンチ(Urgench)にちなむとされます。

オーガンジー加工(Organdie finish)は、もともとは綿織物の用いられてきましたが、レーヨン、シルク、アセテート、ナイロン、ポリエステル繊維にも使用されます。 続きを読む

ファッション・服飾におけるカンガルーポケット(kangaroo pocket)

カンガルーポケット(kangaroo pocket)とは、衣服の前面中心に貼り付けた、カンガルーのお腹にある子袋に似ていて、出し入れ口が上部にあるものをポケット(パッチポケット)を表します。

ホームドレス(日常使いのワンピース)のスカート部分にカンガルーポケットがついた「カンガルードレス(kangaroo dress)」や、オーバーオールの胸当て部分などに用いられたりします。

パーカー(フーディー)においては、左右に出し入れ口がある形のポケットがよくついています。

この形のものはカンガルーポケットというよりも、両手を左右から差し込んで手を暖める「ハンドウォーマーポケット」や、手を暖めるために携帯用の筒状服飾小道具の「マフ」にちなんで、「マフポケット」といったようが適切な場合があります。

ハナモモ(花桃)バラ目バラ科モモ属に着生しているウメノキゴケ(Lichen Parmotrema tinctorum)

染色・草木染めにおけるコケ(苔)。地衣類(ちいるい)による染色方法や歴史について

コケ(こけ)と呼ばれる植物には、スギゴケやゼヒゴケに代表される蘇苔類せんたいるい(moss)と地衣類ちいるい(lichen)が含まれますが、この2種類は別の分類に属する植物であり、コケ(こけ)と呼ばれるのは主に蘇苔類せんたいるい(moss)の方です。

地衣類ちいるい(lichen)の染色は、「コケ(こけ)染め」として知られています。

地衣類ちいるいは、植物学的には、菌類と藻類そうるいの2種類の植物から成る生活共同(共生)体として、互いに必要な要素を供給しあっている特殊な植物です。 続きを読む

藍染された浅葱色(あさぎいろ)の糸

京の水藍(みずあい)。幻の京藍の歴史と栽培方法について

藍染の原料となる藍の栽培は、古くは日本中で行われていました。

京都においては「京の水藍みずあい」という言葉が江戸時代の文献に残っており、色合いがあざやかで品質が高かったとされ、水藍の色は京浅葱きょうあさぎ(淡い水色)とたたえられていました。

水藍とは、その名前だけあって、水稲すいとうのように水を張って田んぼで栽培された藍のことです。

水藍は、京藍、東寺藍、ちょぼ藍(田んぼのことを、その土地の言葉で「ちょぼじ」と言ったことから)などと呼ばれていました。

Persicaria tinctoria bergianska

蓼藍,タデアイ,Persicaria tinctoria bergianska,Udo Schröter, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

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八重鬼菊唐草文『江戸・明治藍の手染め』愛知県郷土資料刊行会

デザインにおける唐草模様(からくさもよう)。唐草模様(アラベスク)の起源について

人類が文明を持つようになり、エジプト、メソポタミア、中国、インドなどの国において、数多くの模様が作られるようになります。

エジプトのピラミッドにある装飾壁画には、死後の再生や転生の祈願を込めて、広大な宇宙の回転を象徴する渦巻き模様や星形模様などが描かれたりしています。

西欧社会においても、模様がある種の呪術性じゅじゅつせいをもって登場します。

例えば、古代ギリシャの赤絵や黒絵に描かれたギリシャ神話のモチーフには、人間とは遠いようで近い存在であったギリシャの神々の姿をわかりやすく表現し、華やかな神々の世界の喜びや悲しみ、怒りなどの感情を表現しています。 続きを読む

茜染め(絞り)

染色・草木染めでムラなく染める方法。染めムラになる可能性を低くするポイントについて

染色や染料を煮出して染める草木染めにおいては、染めムラが発生する要素はさまざまです。

いわゆる手染めであれば、どうしてもムラは出てしまうことがありますが、染めムラになる可能性を低くするポイントをいくつか挙げることができます。

染めムラが起こり得る原因を知り、細心の注意を払うことによって、良い染め上がりが期待できるのです。 続きを読む

染色・草木染めにおける浴比(bath ratio)

浴比よくひ(bath ratio)とは、染めるべき布や糸の量と、染液(染浴せんよく)の量の比を表します。

例えば、布100gを染めるために染液(染浴せんよく)の量を5リットル使用すると、浴比よくひは、「1:50」ということになります。

浴比よくひが小さいほど、染料の濃度が高くなるため、工場などの機械染色の場合は、できるだけ浴比よくひを小さくする努力がされています。

ただ、浴比よくひが小さければ小さいほどムラにもなりやすいので注意が必要です。 続きを読む