デザイン」カテゴリーアーカイブ

竜胆唐草(龍膽唐草)りんどうからくさ

デザインにおける竜胆文(りんどうもん)。枝笹竜胆文・竜胆唐草について

日本において薄紫色に咲く竜胆りんどうは、古くから人々に親しまれてきた植物です。

昔から人々に特に愛された植物は、デザインに際して模様化(文様化もんようか)されてきましたが、竜胆りんどうは平安時代から染織デザイン(衣服の文様)において好まれていました。 続きを読む

紗綾形(さやがた)に彫られた型紙を使用して染められた小紋

デザインにおける紗綾形(さやがた)・工字繋ぎ(こうじつなぎ)

紗綾形さやがたは、卍形まんじがたを繋いて構成された文様(模様)です。

光沢のある絹織物である紗綾さや地紋じもん(布地に織り込まれた織模様)に、まんじを斜めにかさねた「万字繋ぎ」(紗綾形)が頻繁に織り出されたことから、「紗綾形さやがた」という模様の名称になったとされます。 続きを読む

燕文(つばめもん)が彫られた伊勢型紙

デザインにおける燕・燕文(つばめもん)

燕をモチーフにした文様(模様)である燕文つばめもんは、日本や中国をはじめとする東アジアの工芸品などのデザインに古くから用いられてきました。

燕は古来より、春の訪れを告げる鳥として親しまれ、縁起の良い象徴とされてきました。そのため、燕文つばめもんには単なる装飾としてだけでなく、幸福や繁栄を願う意味も込められました。 続きを読む

鳥襷文(とりだすきもん)『文様織文図絵』文化12年(1815年)出版,彩色木版

デザインにおける鳥襷文(とりだすきもん)

日本画の題材は、古くから花鳥風月が中心となり、染織品の模様(文様)にも花や鳥をテーマにした作品が多く作られてきました。

鳳凰ほうおう朱雀すざくのような架空の瑞鳥ずいちょう(吉兆とされる鳥)から、鶴や鷹、うずらさぎ千鳥ちどり鴛鴦おしどりなど実在するさまざまな種類の鳥が「鳥文とりもん」として描かれてきました。 続きを読む

西陣織(にしじんおり)

西陣織(にしじんおり)の技法と歴史

長い歴史を経てきた西陣にしじん織物には、多種多様な技法によって、さまざまな織物が生産されてきました。

西陣織にしじんおりは、京都で生産され、高級な紋織物もんおりものとして有名です。

生産は意匠紋紙業、綜絖そうこう業、糸染め業、金銀糸加工業、織物業、原糸商など、複雑な分業工程を経過して行われてきました。
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デザインにおけるすすき・芒文(すすきもん)・薄文(すすきもん)

すすき(芒/薄)は、秋の七草の一つで、穂が風になびく動物の尾を思わせることから「尾花おばな」という別名があります。

デザインにおけるすすき・芒文(すすきもん)・薄文(すすきもん)

すすきは、秋の野の情景を表現する文様(模様)として、蒔絵まきえや陶器、染色品に多く用いられ、秋草や月、蝶、水鳥、小鳥などと組み合わされて、写実的に表現されてきました。

16世紀の安土桃山時代に作られたとされる「扇面芒丸紋模様繍箔裂せんめんすすきまるもんもようぬいはくきれ」には、芒文すすきもんが丸紋とともに紅色の練貫ねりぬき地に刺繍ししゅうで表現されています。

関連記事:デザインにおける秋草文(あきくさもん)

デザインにおける菖蒲(しょうぶ)・菖蒲文(しょうぶもん)

デザインにおける菖蒲文(しょうぶもん)・菖蒲革(しょうぶがわ)について

菖蒲しょうぶは、江戸時代には品種改良が始まっていたというくらい、古くから日本で愛されてきた花です。

音が「勝武」や「尚武(武を尚ぶ)」に通じることから、菖蒲を文様化した菖蒲文しょうぶもんが武人に好まれて用いられました。 続きを読む

8世紀「浅緑地花卉鳥獣文錦」正倉院蔵

正倉院裂(しょうそういんぎれ)とは?正倉院宝物として保存されている裂(布きれ)について

正倉院裂しょうそういんぎれとは、正倉院宝物しょうそういんほうもつとして保存されているきれ(布きれ)のことです。

正倉院裂しょうそういんぎれには、奈良時代の天平勝宝てんぴょうしょうほう年間(749年〜757年)に行われた東大寺大仏開眼供養だいぶつかいげんくように用いられた裂や聖武天皇(701年〜756年)にゆかりのあった裂などがあります。

その大部分は絹と麻でできた織物で、他には羊毛(ウール)を熱や圧力をかけて縮めた毛氈もうせんがあります。 続きを読む