デザイン」カテゴリーアーカイブ

金彩(きんだみ)とは?金彩の技法や加工技術、金属材料の種類や使用する糊料、道具について

金彩きんだみとは、文字の通り「金」で「いろどる」金加工のことを表し、細工物にはく金泥きんでいで装飾する技法です

金彩きんだみの技術を簡単に言うと、繊維の上に金属を糊料こりょうで接着する技術ということになります。

金彩きんだみと同じ金加工の技法に、印金いんきんがあります。

印金いんきんは、しゃなどの薄手の生地に加工し、袈裟けさ表具ひょうぐ、仏具に主な使途がありました。

白繻子地桔梗模様摺箔-Noh Costume (Surihaku) with Chinese Bellflowers MET DP217601

白繻子地桔梗模様摺箔,Metropolitan Museum of Art, CC0, via Wikimedia Commons,Link

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インド更紗

更紗(さらさ)とは?基本的な染色方法と装飾加工。インド更紗における主な植物染料について

更紗さらさとは、16世紀以降、ポルトガルやオランダ、イギリスなどのいわゆる南蛮船なんばんせんが運んできた、インドや東南アジアの模様染めされた布を指して呼ばれたものです。

更紗といえば、木綿に東南アジアやインド的な模様を細かく模様染めされた布を指していることが多いです。 続きを読む

清水裂(きよみずぎれ)

名物裂(めいぶつぎれ)とは?名物裂の種類や特徴(金襴、緞子、間道、錦、繻珍、風通、金羅、金紗、印金、天鵞絨、モール、更紗)

特色ある染織品を、「名物裂めいぶつぎれ」と呼ぶことがあります。

名物裂めいぶつぎれと名付けられ、尊重されるようになる織物との関係が深いのが「茶の湯」です。 続きを読む

デザインにおける金嚢文(きんのうもん)

金銭や財宝を入れる袋で、現代でいうお財布のような役割を果たしていたものを「金嚢(きんのう)」と呼んでいました。

お金だけでなく、香料やお守りなど、大切なものを入れておく袋としても用いられていた金嚢きんのうは、模様(文様)としても活用されてきました。 続きを読む

清水裂(きよみずぎれ)

名物裂のひとつである清水裂(きよみずぎれ)

名物裂めいぶつぎれのひとつに、「清水裂きよみずぎれ」と呼ばれるものがあります。

名物裂めいぶつぎれとは、鎌倉時代から江戸時代初期にかけて主に中国やインド、ベルシャや東南アジアから渡来した絹織物の呼び名のひとつです。

名物めいぶつを包む裂・・・・・・として、「名物裂めいぶつぎれ」という名前で、後世に染織文化が伝わったのは、茶の湯による功績といえます。

関連記事:名物裂(めいぶつぎれ)とは?名物裂の種類や特徴(金襴、緞子、間道、錦、繻珍、風通、金羅、金紗、印金、天鵞絨、モール、更紗)

名物裂のひとつである清水裂(きよみずぎれ)

清水裂きよみずぎれは、元禄げんろく4年(1691年)に撤去された京都の清水寺本尊帳に使用されていた裂と伝えられています。

清水裂きよみずぎれには、繻子しゅす織りされた地が濃色に藍で染められ、梅とうぐいすが写実的に表現されています。

『古錦綺譜』には、「清水寺本尊外帳ノ切ナリト云」と書かれ、「地色濃アイミル茶、紋梅の立木ニ鶯也、ヨリ金入ル、地色茶モ有リ」とあります。

名物裂めいぶつぎれは、金襴きんらんの部類に入りますが、東京国立博物館に所蔵されているものや、前田家伝来の裂にも金糸は使用されていません。

名物裂清水裂,東京国立博物館所蔵

名物裂清水裂,東京国立博物館所蔵

江戸小紋(えどこもん)

小紋(こもん)とは?小紋の歴史や江戸小紋の制作工程について

江戸小紋えどこもんという言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、そもそも小紋こもんとはどのような意味でしょうか。

もんという言葉は、単一または反復文様を表し、一般的には秩序立って乱れがなく、きちんと並んでいる様を表す模様(文様)を意味します。 続きを読む

紙で織られた紙布(しふ)。紙布(しふ)の製造方法や種類について

紙布しふは、江戸時代頃から、全国の紙の産地で織られていたようで、特に有名だったのが宮城県の白石しろいし市です。

白石しろいしは、仙台の仙台藩せんだいはん伊達藩だてはん)の統治下にあった城下町です。

この地方では、東北という寒い地域でもあったため木綿の栽培に適さず、藩の財政上の理由から綿の買い入れも禁止されていました。
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