慶長小袖と呼ばれる衣服は、庶民ではなく主に上層武家階級を対象として慶長(1596年〜1615年)の終わりごろから元和(1615年〜1624年)・寛政期(1789年〜1801年)にかけて制作された小袖と推定されています。
主に黒・紅・白の綸子地(経糸、緯糸に生糸をつかって織りあげた繻子織りの一種で、後染め用の生地)、または黒・紅・白の三色に染め分けられた生地に摺箔(型紙を用いて糊を生地に置き、その上に金箔や銀箔を貼りつけることによって、織物を装飾する技法)で柄をつくり、刺繍と鹿子絞りで模様が表現されています。