デザイン」カテゴリーアーカイブ

江戸小紋

三纈(さんけち)とは?古代の染色技法である纐纈(こうけち)、夾纈(きょうけち)、臈纈(ろうけち)について

古くから、「三纈さんけち」と呼ばれる染色技法があります。

上代じょうだい三纈さんけち」「天平てんぴょう三纈さんけち」などと称し、三纈さんけちの染色技法が、奈良時代には(710年〜794年)今の中国からすでに伝わっていました。 続きを読む

デザインにおける月象文(げっしょうもん)

日本において、月を題材にした模様(文様)は「月象文げっしょうもん」として、古くから活用されてきました。

月の姿が変化していく様子は、季節ごとの情趣じょうしゅ(風情)を表し、「花鳥風月かちょうふうげつ」として好んで詩歌にも詠まれてきました。

工芸品や染織品など、月を模様(文様)に取り入れた優れた作品が数多く作られてきました。 続きを読む

慶長小袖(けいちょうこそで)とは?慶長小袖の特徴について

慶長小袖けいちょうこそでと呼ばれる衣服は、庶民ではなく主に上層武家階級を対象として慶長けいちょう(1596年〜1615年)の終わりごろから元和げんな(1615年〜1624年)・寛政かんせい期(1789年〜1801年)にかけて制作された小袖こそでと推定されています。

主に黒・紅・白の綸子地りんずじ(経糸、緯糸に生糸をつかって織りあげた繻子しゅす織りの一種で、後染め用の生地)、または黒・紅・白の三色に染め分けられた生地に摺箔すりはく(型紙を用いてのりを生地に置き、その上に金箔きんぱく銀箔ぎんぱくを貼りつけることによって、織物を装飾する技法)で柄をつくり、刺繍ししゅう鹿子かのこ絞りで模様が表現されています。

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デザインにおける雲(くも)。雲文(うんもん)の種類や意味について

雲(くも)は気象状況や季節によってその形は様々に変わりますが、雲の模様(文様)は古くから意匠いしょう(デザイン)に活用されてきました。

雲の模様(文様)は「雲文うんもん」とも呼ばれ、中国や朝鮮ではさまざまなデザインが作られてきました。

中国では、山中の巨岩きょがんから雲気うんきが湧き出るとされたことから、「雲気文うんきもん」と呼ばれました。

日本では奈良時代に中国の影響を受けて、さまざまな意匠いしょう(デザイン)において雲文うんもんが取り入れられるようになったとされます。 続きを読む

九曜文(くようもん

デザインにおける九曜文(くようもん)

九曜くよう」とは、古代インドの占星学にみえる9つの天体とそれらを神格化した神を表します。

九曜くようは、天地を守る仏神として信仰され、日本においては九曜を模様化(文様化)した九曜文くようもんが平安時代末には衣装や牛車ぎっしゃに用いられていました。 続きを読む

デザインにおける薬玉文(くすだまもん)

薬玉くすだまは、古くはさまざまな香料を袋にいれ、飾りをつけて五色の糸を垂らし、主に5月5日の「端午の節句」における魔除けとして、柱や几帳きちょう御簾みすなどにかけられました。

日本には、中国から伝わり、『続日本後記』(849年)の5月5日の項に「薬玉」とあるのが最初の記載とされます。

平安時代、宮中では5月5日に薬玉をかけられ、9月9日の「重陽ちょうようの節句」まで掛けられ、「茱萸袋ぐみぶくろ」と取り替えるという風習がありました。

中国の風俗では、薬玉は「命縷しょくめいる」や「長命縷ちょうめいる」、「五色縷ごしきる」などと呼ばれていました。 続きを読む