投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

清水裂(きよみずぎれ)

名物裂のひとつである清水裂(きよみずぎれ)

名物裂めいぶつぎれのひとつに、「清水裂きよみずぎれ」と呼ばれるものがあります。

名物裂めいぶつぎれとは、鎌倉時代から江戸時代初期にかけて主に中国やインド、ベルシャや東南アジアから渡来した絹織物の呼び名のひとつです。

名物めいぶつを包む裂・・・・・・として、「名物裂めいぶつぎれ」という名前で、後世に染織文化が伝わったのは、茶の湯による功績といえます。

関連記事:名物裂(めいぶつぎれ)とは?名物裂の種類や特徴(金襴、緞子、間道、錦、繻珍、風通、金羅、金紗、印金、天鵞絨、モール、更紗)

名物裂のひとつである清水裂(きよみずぎれ)

清水裂きよみずぎれは、元禄げんろく4年(1691年)に撤去された京都の清水寺本尊帳に使用されていた裂と伝えられています。

清水裂きよみずぎれには、繻子しゅす織りされた地が濃色に藍で染められ、梅とうぐいすが写実的に表現されています。

『古錦綺譜』には、「清水寺本尊外帳ノ切ナリト云」と書かれ、「地色濃アイミル茶、紋梅の立木ニ鶯也、ヨリ金入ル、地色茶モ有リ」とあります。

名物裂めいぶつぎれは、金襴きんらんの部類に入りますが、東京国立博物館に所蔵されているものや、前田家伝来の裂にも金糸は使用されていません。

名物裂清水裂,東京国立博物館所蔵

名物裂清水裂,東京国立博物館所蔵

Amazonふるさと

「Amazonふるさと納税」が2024年12月19日スタート

Amazonが2024年12月19日から、新サービスの「Amazonふるさと納税」をはじめました。

▶『Amazonふるさと納税』サイトページ

都市部を含む日本全国の地域の活性化や中小企業支援を目指すというコンセプトのもと、Amazonのサイト上でふるさと納税の寄付ができるサービスとなっています。

サイト上には、Amazonでふるさと納税をするための手引きである「はじめてガイド」もあるので、サイトを参照しながらふるさとの手続きを行えます。
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藍染された糸

糸の撚りの強さは品質にどのように影響するか?撚糸(ねんし)における甘撚り糸(あまよりいと)と強撚糸(きょうねんし)の特徴について

1本の糸をつくるためには、1本から複数の糸をねじりあわせることでりをかける作業が必要です。

り」とは、糸をねじり合わせることを意味し「撚糸ねんし」という言葉は、「りをかけた糸」を表します。

糸をることで、丈夫な1本の糸をつくることができるのです。

糸のりについて考えるのは非常に重要で、なぜなら糸のり方によって、糸の強度、肌ざわりや風合いに大きく影響するためです。 続きを読む

江戸小紋(えどこもん)

小紋(こもん)とは?小紋の歴史や江戸小紋の制作工程について

江戸小紋えどこもんという言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、そもそも小紋こもんとはどのような意味でしょうか。

もんという言葉は、単一または反復文様を表し、一般的には秩序立って乱れがなく、きちんと並んでいる様を表す模様(文様)を意味します。 続きを読む

紙で織られた紙布(しふ)。紙布(しふ)の製造方法や種類について

紙布しふは、江戸時代頃から、全国の紙の産地で織られていたようで、特に有名だったのが宮城県の白石しろいし市です。

白石しろいしは、仙台の仙台藩せんだいはん伊達藩だてはん)の統治下にあった城下町です。

この地方では、東北という寒い地域でもあったため木綿の栽培に適さず、藩の財政上の理由から綿の買い入れも禁止されていました。
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ファッション・服飾におけるキュロット(culotte)

ファッション・服飾におけるキュロット(culotte)とは、一見すると大きいヒダのあるスカートですが、実際には股の間が縫い付けられて二股になっています。

キュロット(culotte)は「スカート風」の半ズボンというべきもので、「キュロットスカート」、「パンツスカート」(スカートパンツ)」、「ディバイデッド・スカートdivided skirt」などが同義語になります。 続きを読む

20世紀初頭に起こった美術運動であるキュビズム

キュビスム(仏:cubisme)とは、「キューブcube(立方体)」と「イスムism(主義)」を組み合わせた造語で20世紀初頭に起こった美術運動を意味します。

「モダンアートの父」とも呼ばれるポール・セザンヌ(1839年〜1906年)の美術思想(芸術概念)が、キュビスムのムーブメントの基礎をつくったとされます。 続きを読む

帷子(かたびら)とは?裏地のない単衣の麻着物

帷子かたびらとは、裏地のない単衣ひとえ単物ひとえもの)の着物です。

ただし、江戸時代末期ごろから、絹や木綿でできた裏地のない着物を単に単衣ひとえといい、帷子かたびらは麻布でできた単衣ひとえの着物を特に表すようになっています。 続きを読む

インド更紗

インドの綿織物であるキャラコ(calico)。ヨーロッパを魅了したキャラコと産業革命との深い繋がり

インドにおけるキャラコ(calico)と呼ばれた平織りの綿織物が、17世紀終わり頃からヨーロッパに伝わり、人々を魅了しました。

キャラコは、カーテンやシーツ、そして肌着等にも適していました。

もともと、ヨーロッパには綿花の栽培と綿工業がなかったため、インドからやってきた綿織物が、人気を博すのは必然でした。

人々に愛されたキャラコですが、歴史をたどってみると、イギリスの産業革命とその背景にあった悲しい歴史がみえてきます。

更紗の断片 (インド)、18 世紀後半,,Chintz Fragments (India), late 18th century (CH 18481741)

更紗の断片 (インド)、18 世紀後半,Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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