代表的な4種の化学繊維。ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維とは。


一概に化学繊維といっても、さまざま種類があるので、ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨンの代表的な4種類を取り上げてみます。

ポリエステル繊維

ポリエステルという名称は、「エステル基」という化学構造を持つ分子の総称ですが、繊維に使われるのはそのうちの数種類で、ポリエチレンテレフタレートを主に指します。

ポリエチレンテレフタレートは、ペットボトルの原料と同じもので、1990年代以降にペットボトルの消費量が急増したことによって手に入れるコストが下がり、それによってポリエステル繊維の生産量も増えました。

21世紀にはいってからは、綿の生産量を上回り、現在世界で一番多く生産されている繊維となっています。

繊維の特徴としては、引っ張った時の伸びにくさや、強度が非常に高く、ナイロンやアクリルなどと比較しても熱に強い繊維になっています。

水を弾きやすく、布に吸い付きづらく、水分が付着しても性能があまり変わらないのも特徴的です。そのため、型崩れしにくかったり、しわができにくい繊維と言えます。

ナイロン繊維

ナイロンは、アメリカに本社を置く化学メーカーであるデュポン社(Du Pont)が開発し、商標登録したものでしたが、現在は「アミド基」という化学構造をもつ分子でできた合成繊維の総称として使われています。

ひとくちにナイロンといってもさまざまな化学構造を持つものがあり、代表的なのが、ナイロン66とナイロン6が挙げられます。

ポリエステルと同じくらいの強度を持ち、型崩れが非常に起きにくく、肌触りがやわらかいのも特徴的です。

ポリエステルと比較すると、密度小さく変形させても切れにくいため、ストッキングによく使われます。また、ナイロンは水を吸いやすく、水を吸った時の性能変化が起きやすいですが、酸性染料によって鮮やかに染めることができるのは大きな利点です。

アクリル繊維

アクリル繊維は、ポリアクリロニトリルを主成分とする繊維です。

主に短繊維(ステープル)として使われ、熱を加えると縮みやすいことから、体積の大きい紡績糸に加工し、ニット製品に活用されることが多いです。

アクリル繊維は、カチオン染料による染色性においては、合成繊維の中では最も鮮明に染めることができます。

また、酸やアルカリなどの薬品に強く、太陽光による劣化や水に対する耐久性に優れる等の特徴があります。

レーヨン繊維

20世紀前半は、「レーヨン(人絹)の時代」と言ってもいいほど、レーヨンという繊維が台頭していました。

レーヨンは絹に似せて作った再生繊維なので、昔は人絹(じんけん、人造絹糸)とも呼ばれていたのです。

木材パルプを主な原料としています。木材パルプは、木の幹の樹皮を取り除き、そのままチップ化したものに、機械的、科学的、あるいは複合的な処理をしてつくられます。

ポリエステル、ナイロン、アクリルの強度と比べてしまうと弱いですが、水分を含みやすく、光沢感があり、染色性が非常に良く、熱に強いなどの特徴があるので、それを生かしてある程度の市場規模をもっています。

人造絹糸というだけあって、染色後の美しさは化学繊維のなかでは、抜群に良いです。

化学繊維の構造と性質

ガラス繊維や金属繊維のように、無機物を人工的に繊維としたもの以外の化学繊維は、「高分子」と呼ばれ、細長い形をした分子でてきています。

分子自体が長くて細いので、繊維に適しているといえます。

化学繊維の基本構造は、「ミクロフィブリル」と呼びますが、分子が並んでいる強度としなやかさが増して、結晶になっている部分となっていない部分が混ざり合っていることで、耐熱性と染色性や強度と柔軟性が両立するのです。

糸を作る際に、分子の並びや結晶部分の量を変化させることで、同じ種類の繊維でも、性質を大きく変えることができるというのも面白い点です。

参考文献:はじめて学ぶ繊維


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