繊維の宝石、世界最高級の海島綿(シーアイランド・コットン)。


木綿の原産地は、インドと言われています。

インドのパンジャブ地方は、古くから織物の技術の世界的な源であり、ヒマラヤを源流としインド洋に注ぐインダス川流域の文化とともに世界中へ広がっていきました。

紀元前一世紀頃の古代ローマでは、人々はすでに綿の布を身にまとっていたようです。

日本に木綿が入ってきたのは1200年ごろの鎌倉時代初期、中国から綿がやってきたと推定できる文献はあるそうで、その後に種子が伝わってきて、三河や遠江、大和、摂津、河内、和泉などが産地となりましたが、明治時代の産業の近代化の波に飲まれ、衰退していきます。

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綿を巡る歴史は、世界中数え切れないほどありますが、西インド諸島で栽培されていた海島綿とコロンブスの話があります。

コロンブスが出会ったシルクのような海島綿

15世紀半ばから17世紀半ば頃までの大航海時代において、キリスト教世界の白人としては最初にアメリカ海域へ到達したとされていた探検家のコロンブス。

1492年のアメリカ発見となる航海の時に、海島綿に出会いました。

1492年コロンブスがアメリカ発見となる航海をしたときに、彼は未開の島だと思っていたカリブ海に浮かぶ小島バハマで、原住民から絹のような光沢をした見事な綿糸を進呈され、また、彼らがしなやかでソフトな感触の立派な綿布を使用していたことに驚いたという。これが現在でも世界最高級の島海綿(シーアイランド・コットン)である。引用21世紀へ、繊維がおもしろい』

西インド諸島の六つの島で栽培され、繊維の宝石とまで言われるような価値のある綿として、イギリスの王室や貴族の間で古くから珍重されたり、古代ペルーの奥地で栄えたインカ帝国の遺跡からも、多くの海島綿の糸や布が発見されているようです。

1533年にインカ帝国が滅亡したとされているので、それ以前には綿を糸にする技術や織物の技術が伝わっていたのです。

現代でも海島綿が品種改良されたものが、良質な超長綿として栽培されており、海島綿も西インド諸島の一部地域で栽培されています。

海島綿の何が最高級なのか?

綿花は、種類によって採れる繊維の長さが違います。

大きくわけると、エジプト綿やスーダン綿の系統は超長繊維綿で、アメリカ綿に代表されるアンプラント綿は中長繊維綿、アジア在来種のデシ綿は短繊維綿に分類できます。

綿の繊維の長さは、糸にするときに、その糸の細さに大きく関係してきます。繊維が長いほど、糸も細くなり、それによって手触りもなめらかで、糸にすると光の反射率が高いため、光沢感が生まれます。

海島綿は、超長綿であり、コロンブスの時代から、その質の良さが世界中に伝わっていったのでしょう。


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