ファッションにおけるケープ(Cape)

ファッションにおけるケープは、肩や胸、背中の真ん中辺りが隠れるよううな短めのマントのような形をしています。

服の上から羽織るような形で使用するケープ(Cape)は、ポルトガル語のカーパ(capa)に由来するとされます。

ケープは、円形、扇形、四角形などさまざまな形がありました。

当時の上着であるプールポアンの上から肩にかけるように着用し、上半身を覆うぐらいの長さであったことが当時の肖像画などからわかります。

ケープの中には頭巾のついたものや大型のマント風のものもありました。 続きを読む

「小袖 白黒紅染分綸子地熨斗藤模様」慶長小袖(けちょうこどで)地無し

慶長小袖(けいちょうこそで)とは?慶長小袖の特徴について

慶長小袖けいちょうこそでと呼ばれる衣服は、庶民ではなく主に上層武家階級を対象として慶長けいちょう(1596年〜1615年)の終わりごろから元和げんな(1615年〜1624年)・寛政かんせい期(1789年〜1801年)にかけて制作された小袖こそでと推定されています。

主に黒・紅・白の綸子地りんずじ(経糸、緯糸に生糸をつかって織りあげた繻子しゅす織りの一種で、後染め用の生地)、または黒・紅・白の三色に染め分けられた生地に摺箔すりはく(型紙を用いてのりを生地に置き、その上に金箔きんぱく銀箔ぎんぱくを貼りつけることによって、織物を装飾する技法)で柄をつくり、刺繍ししゅう鹿子かのこ絞りで模様が表現されています。

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染色・草木染めにおける胡桃(くるみ)。オニグルミ(くるみ)の染色方法について

胡桃くるみは、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称です。

古くから胡桃と呼ぶのは、「鬼胡桃(オニグルミ)」を示すこと多く、日本列島に自生しているクルミの大半はオニグルミ(学名:Juglans mandshurica var. sachalinensis)です。

樹皮は、暗灰色あんかいしょくで縦に大きく割れ目が入ります。

4月〜6月にかけて若葉とともに花をつけ、その後に仮果かか(外皮)とよばれる実を付けます。

オニグルミ,Juglans mandshurica var. sachalinensis 03

オニグルミ,Σ64, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

仮果かか(外皮)の中に核果かくかが有り、その内側の種子(じん)を食用にする。

胡桃くるみ(オニグルミ)の青い仮果かかの皮や緑葉、樹皮などが染料に使用されます続きを読む

九曜文(くようもん

デザインにおける九曜文(くようもん)

九曜くよう」とは、古代インドの占星学にみえる9つの天体とそれらを神格化した神を表します。

九曜くようは、天地を守る仏神として信仰され、日本においては九曜を模様化(文様化)した九曜文くようもんが平安時代末には衣装や牛車ぎっしゃに用いられていました。 続きを読む

染色・草木染めにおける桑染(くわぞめ)

くわは、クワ科の落葉喬木きょうぼくで中国において古代染料の一つとして使用され、漢方にも用いられてきました。

幹は直立して高さ10メートルほどにも成長しますが、栽培種は毎年、木の枝が刈られるので低い木にみえます。

葉はかいこの重要な飼料となります。
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藍鳶(あいとび)色

染色、色合いにおける紫鳶・紺鳶・藍鳶・黒鳶

鳶色とびいろと呼ばれる色は、鳶(トビ)の羽毛の色のような赤暗い茶褐色のことを表します。

とびは人里の近くでも飛び回り、江戸時代に生きた人々にとっても馴染みのある鳥でした。

鳶色とびいろは、江戸時代初期ごろから、茶系統を代表する色の一つとして扱われていました。

鳶色とびいろから派生し、「紫鳶」、「紺鳶」「藍鳶」「黒鳶」など、「鳶」の付く色名がさまざま生まれ、染色がおこなわれてきました。

鳶色とびいろを染める材料としては、蘇枋すおう(蘇芳)がよく用いられていました。
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