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黄八丈(きはちじょう)絹織物

黄八丈(きはちじょう)とは?八丈島の絹織物である黄八丈の歴史と染色技法について

黄八丈きはちじょうとは、主に草木染めで染められた黄色・樺色かばいろ・黒色の三色の糸を使って、さまざまな縞模様を織り出す絹織物のことです。

黄八丈きはちじょうは、広い意味で茶系統の鳶八丈とびはちじょうや黒系統の黒八丈くろはちじょうを含めた、八丈島で生産されたつむぎを総称しています。

全体的に渋く、味わいのある色合いであるため、絹織物らしい光沢感は抑えられます。

染色の工程で、乾燥のために長い日数を八丈島の強い直射日光にさらすため、堅牢度けんろうどが良く変色したり退色しづらい特徴があります。

黄八丈きはちじょうは、たくさん使われ、洗われることで、年を経るにつれて、より一層色合いが冴えてくるともいわれたりします。 続きを読む

フェルト(felt)

フェルト(Felt)とは?フェルトの分類や作り方、歴史について

フェルト(Felt)とは、羊毛(羊毛ようもう)や獣毛繊維を原料とし、繊維を織らずに絡ませて作る代表的な不織布です。

日常生活では、帽子や敷物、手芸材料、工業用資材など、幅広い用途で使用されています。

フェルトという言葉は、ラテン語の「feltrum」や、ギリシャ語で「結合させる」を意味する語に由来するとされ、羊毛が持つ縮絨性(繊維同士が絡み合い縮む性質)を端的に表しています。

フェルトの技法は、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国をはじめ、中央アジアや中東地域にも古くから伝わってきました。

高い保温性と耐摩耗性を持つことから、フェルトの帽子や靴下、敷物などは、現在でも世界中で親しまれています。

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染色にも用いられるマリーゴールドの花

草木染めで木綿を染める方法。濃染剤(のうせんざい)を使用した方法が、簡単で染まりやすくオススメ

ウールやシルクなどの動物性の繊維であれば、比較的かんたんに染められますが、木綿を草木染めする場合は非常に難しいです。

草木を煮出して染め液を抽出しない藍染であれば、木綿との相性が良いのでよく染まりますが、いわゆる草木染めのなかでは特殊な例となっています。

一般的な煮出して染めるような草木染めは植物性の繊維に染まりづらいので、木綿や麻などの植物性の繊維を染めるためには特殊な下処理が必要です。

木綿を草木染めで染色する場合、例外的に絹よりよく染まることもありますが、基本的には絹に比べて染まりが悪く、染まったとしても淡くしか染まりません。 続きを読む

【ウールの黄ばみの原因】黄ばんだウールの洗濯方法と、黄色の変色とカビをできる限り防ぐ方法

ウールは日光に当たったり、酸化さんかによって、次第に黄色味を帯びてきます。

もちろん、黄ばみはウールだけでなく、コットンやシルク、ナイロン、ポリエステルなどさまざまな繊維でも発生します。

ウール糸のストック,Stock of wool

ウール糸のストック,Stock of wool ,Lauchap, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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ポリエステル65%,綿35%,混紡,特徴,黄金比率(黄金ブレンド)

ポリエステル65%・綿35%混紡|黄金ブレンド(黄金比率)の特徴とメリット・デメリット

綿(cotton)とポリエステル(polyester)は、衣類によく使われる代表的な繊維です。

どちらが優れているかというよりも、「どんな用途で使うか」によって最適な素材は変わります

肌触りや吸水性を重視するなら綿、シワになりにくく乾きやすさを求めるならポリエステルが向いています。

さらに、両方を組み合わせた混紡素材なら、それぞれの欠点を補い合い、より実用的な衣類を作ることができます。

この記事では、綿とポリエステルの違い、混紡比率ごとの特徴、用途別の選び方について詳しく解説します。
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萱葺き屋根(かやぶきやね)は、なぜ萱が素材として使われたのか?萱葺き屋根の特徴について

日本の住宅建設様式の一つに、合掌がっしょう造りがあります。

合掌がっしょう造りといえば、急勾配の屋根を持ち、白川郷しらかわごうの風景を思い浮かべる人も多いかと思いますのが、その屋根に使われている素材がかやです。

Shirakawa village - 白川郷 002

白川郷,Emran Kassim, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons,Link

かやが使用された屋根は、萱葺かやぶき屋根(茅葺かやぶき屋根)として、日本の原風景の一つに数えられます。

日本だけでなく、世界中でもかやが屋根の素材として使われていました。

昔の人々は、かやを屋根の素材として使用したのには、理由があります。 続きを読む

松根(しょうこん)と藁(わら)を併用して燻した焦茶色の燻革(ふすべがわ)・印伝(いんでん)(鹿革)

燻革(ふすべがわ)・印伝(いんでん)とは?燻革の染色方法や歴史について

革染めで有名なものに、燻革ふすべがわというものがあります。

燻革ふすべがわとはふすべという言葉にあるようにけむりを利用して染められた革のことです。

人類史上、けものの皮の保存方法として原始的に最初に気づいた手段は、けむりいぶす「けむりなめし」であったとされています。

けむりで染色できるという点も、その関連で必然的に発見されたのでしょう。
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刺し子された藍染布 岡村吉右衛門『庶民の染織』

こぎん(こぎん刺し)の特徴と東北地方の麻布文化について

こぎん(小巾)とは、麻でできた単衣ひとえ(裏地がない着物)の仕事着を表します。

東北地方の中で、特に青森県や秋田の日本海側の地域で「こぎん」という呼称が使われていました。

江戸時代後期の明和めいわ安政あんせい年間の文献に、「小巾こぎん」の文字が見られています。

青森県の津軽地方では、藍染で濃紺に染められた麻布の長着ながぎ短着みじかぎのの背中と前身頃まえみごろに白い木綿糸で刺しつづる(刺子さしこ)、「こぎん刺し着物(津軽刺しこぎん)」があります。 続きを読む

桑の葉を食べる蚕(かいこ)

シルク(絹)を生み出す蚕(かいこ)の一生

人類は、紀元前からかいこが吐き出す絹糸(シルク糸)を利用してきました。

中国においては、長きにわたって絹に関する技術は国外秘にされていましたが、絹織物は、古代ギリシャのアレクサンダー大王(紀元前356年〜紀元前323年)の頃から絹の交易の道であったシルクロードを通じて輸出されていました。

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