ほとんどすべての繊維は、「ポリマー」と呼ばれる高分子物質で構成されています。
合成された高分子化合物から造った繊維を、「合成繊維(英:synthetic fiber)」と言います。 続きを読む
ほとんどすべての繊維は、「ポリマー」と呼ばれる高分子物質で構成されています。
合成された高分子化合物から造った繊維を、「合成繊維(英:synthetic fiber)」と言います。 続きを読む
ウール(羊毛)は、家畜として飼育されている羊の毛を言い表します。
国際的な商取引では羊毛に限って「ウール(wool)」と呼んでおり、他の獣毛繊維を「ヘア(hair)」と呼んで区別しています。
品質表示において「毛」と表記する場合は、すべての獣毛に適応できます。
高級品であること示すために、カシミヤ(cashmere)やモヘア、アンゴラなどとそれぞれ表記できる場合もあります。
Sheep for wool,Virginia State Parks staff, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons,Link
1本の糸をつくるためには、1本から複数の糸をねじりあわせることで撚りをかける作業が必要です。
「撚り」とは、糸をねじり合わせることを意味し「撚糸」という言葉は、「撚りをかけた糸」を表します。
糸を撚ることで、丈夫な1本の糸をつくることができるのです。
糸の撚りについて考えるのは非常に重要で、なぜなら糸の撚り方によって、糸の強度、肌ざわりや風合いに大きく影響するためです。 続きを読む
インドにおけるキャラコ(calico)と呼ばれた平織りの綿織物が、17世紀終わり頃からヨーロッパに伝わり、人々を魅了しました。
キャラコは、カーテンやシーツ、そして肌着等にも適していました。
もともと、ヨーロッパには綿花の栽培と綿工業がなかったため、インドからやってきた綿織物が、人気を博すのは必然でした。
人々に愛されたキャラコですが、歴史をたどってみると、イギリスの産業革命とその背景にあった悲しい歴史がみえてきます。
更紗の断片 (インド)、18 世紀後半,Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum, Public domain, via Wikimedia Commons,Link
黄八丈とは、主に草木染めで染められた黄色・樺色・黒色の三色の糸を使って、さまざまな縞模様を織り出す絹織物のことです。
黄八丈は、広い意味で茶系統の鳶八丈や黒系統の黒八丈を含めた、八丈島で生産された紬を総称しています。
全体的に渋く、味わいのある色合いであるため、絹織物らしい光沢感は抑えられます。
染色の工程で、乾燥のために長い日数を八丈島の強い直射日光にさらすため、堅牢度が良く変色したり退色しづらい特徴があります。
黄八丈は、たくさん使われ、洗われることで、年を経るにつれて、より一層色合いが冴えてくるともいわれたりします。 続きを読む
蚕(家蚕)の繭から取ったままの糸を生糸(raw silk)と言います。
生糸を構成している一本の繊維は、2種のタンパク質からなります。
カイコの体内にある左右の絹糸腺からつくられた2本の「フィブロイン」タンパク質が、膠質の「セリシン(sericin)」と呼ばれるタンパク質に包まれた形になっています。 続きを読む
『魏志倭人伝』は、中国の三国時代についての歴史書です。
『魏志倭人伝』とは、中国の歴史書『三国志』に収められた『魏書』うちの「東夷伝」の項の「倭人」の条にあたる部分のことを通称しています。
「東夷伝」とは、中国の歴史書の中で、中国の東方に住んでいる諸民族について書かれた記述のことです。
3世紀初頭に「倭国の女王」と称された卑弥呼が、中国の三国時代に華北を支配した王朝であった魏への贈りものとして、染織品も挙げられているため、弥生時代にはすでにある程度の染織技術があったと考えられます。 続きを読む
明治8年(1875年)に、東京大学の初代お雇い教師であったイギリスの科学者であるロバート・ウィリアム・アトキンソン(1850年~1929年)が来日した際、道行く人々の着物や軒先の暖簾などを見て日本人の暮らしの中に、青色が溢れていることを知りました。
東京を歩き、日本人の服飾に藍色が多いのを見て驚いたアトキンソンは、明治11年(1878)『藍の説』を発表し、藍に「ジャパンブルー(JAPANBLUE)」と表現したとされます。
日本中の庶民にとって大切にされてきた、藍染の衣類。
藍染が日本に広がった理由として、木綿との非常に密接な関係がありました。 続きを読む
江戸時代に流通した主な商品は、米を抜きにして考えると、木綿・菜種・干鰯・酒・材木・藍などが上位を占めました。
江戸時代以前、木綿が大陸からやってきて広がっていくまでは、日本においてイラクサ科の多年草木である苧麻(学名 Boehmeria nivea var. nipononivea)を原料にした布が一般的に生産されていました。
木綿は、戦国時代から江戸初期にかけて、爆発的に普及したとされています。
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