板締め染め(plate resist dyeing)。染色技法における板締め(いたじめ)について

板締めは、布地に両面から板を当てて、きつく両側から固定することで防染し、模様を染める技法です。

日本で古くから行われてきた染色技法を表す言葉に、絞り染めの纐纈こうけち、ろうけつ染めの臈纈ろうけち、そして板締めの夾纈きょうけちがあります。

上記の三種類の技法は、「三纈さんけち」という言葉でまとめて表されます。 続きを読む

ファッション(洋服)の扱いにおけるイージーケア(easy-care)

ファッション(洋服)の取扱いに関して、「イージーケア(easy-care)」という言葉があります。

「ウォッシュ・アンド・ウェア(wash-and-wear)」、「ドリップドライ(drip-dry)」、「ノーアイロン(no-iron)/ノンアイロン(non-iron)」などが同義語になります。 続きを読む

ファッション(洋服)におけるアンサンブル(ensemble)

ファッション・服飾用語において、「アンサンブル(ensemble)」という言葉があります。

ファッション(服飾)におけるアンサンブルは、「調和、均整」に重点があります。

アンサンブルとは、組み合わせて着ることを前提としてつくられた衣服のことを表し、コーディネートした衣服が「揃っている」という意味に用いられます。 続きを読む

アールヌーボー(Art Nouveau)とは?アールヌーボーの特徴と、それに続くアールデコ(Art Deco)について

アールヌーボー(仏:Art Nouveau)は、19世紀末期から20世紀初頭にかけて興った美術、デザインの新様式運動のことを表します。

フランス語でアール(Art)は「芸術」、ヌーボー(Nouveau)は「新しい」という意味で、直訳すると「新芸術・ニューアート(new art)」になります。

語源としては、ドイツのハンブルク出身の美術商人で、日本や東洋の美術品を扱っていた「サミュエル・ジークフリート・ビングSiegfriedBing(1838年〜1905年)がパリで開店した工芸品店の名前が「Maison de l’Art Nouveau(Art Nouveau)」であったことに由来しています。

サミュエル・ジークフリート・ビング(SiegfriedBing)(1838年〜1905年)S. Bing en kimono

サミュエル・ジークフリート・ビング(SiegfriedBing)(1838年〜1905年),Unknown (before 1895), Public domain, via Wikimedia Commons,Link

英語では、モダンスタイル(modern style)とも言いましたが、「Art Nouveau」としても1901年に文献に初出しました。 続きを読む

アランセーター(アイリッシュセーター)とは?アラン編みされた伝統的なフィッシャーマンズ・セーターについて

アイルランド西部のゴールウエー湾の沖で大西洋の荒波にもまれる「アラン諸島(Aran Islands)」は、編み物の歴史上、重要な役割を果たしてきました。

アラン諸島で作られるセーターは、「アランセーター(Aran sweater)」呼ばれ、アイルランドで作られていることもあり「アイリッシュセーター(Irish sweater)」とも呼ばれたりもします。

各港にはそれぞれ独自の伝統的なフィッシャーマンズ・セーター(漁師が着用したセーター)があり、縄柄、ダイアモンド柄、ジグザグなど、凹凸のある大胆な模様を編み方が表現されていました。 続きを読む

アパレル(apparel)とは?アパレルの語源や由来について

「アパレル(apparel)」とは、日本では「衣服」の意味で用い、1970年代初期ごろから「アパレル製品」、「アパレル産業」、「アパレル製造業」などと言葉が使われるようになりました。

現在では、「衣服」という意味から派生して、「アパレル」という言葉だけで、衣服の製造や販売を行っている会社や服飾系の業種や職種を意味するようになっています。
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科布(しなふ)(榀布)

科布(しなふ)とは?科布(榀布)の生産工程について

原始古代布といわれるものの一つに科布しなふ(榀布)があります。

科布しなふは、東北地方の各地で昭和初期ごろまで盛んに織られていました。

藤蔓ふじつるで作る藤布ふじぬのくづつるで作る葛布くずふなどと同じように1000年以上の歴史をもつ織物といわれています。

科布しなふの原料は木の皮であり、荒々しい肌ざわりですが、歴史的に東北地方の人々は男女問わず科布しなふの仕事着を用いることが多かったのです。 続きを読む

藍染された木綿糸(先染め)

6種類の基本的な染色の仕方と染料の種類。直接染法、反応染法、建染め染法、発色染法、媒染染法、分散染法について

染色方法は、基本的に6種類に分けられます。

染料の種類も数多くありますので、本記事で紹介しています。

染色方法の種類

(1)直接染法(ちょくせつせんぽう)

直接染料は、染料自体がそのまま水によく溶けます。そのため、染料で水溶液をつくり、その中に繊維を浸して加熱することで染められます。

特別な助剤じょざいがなくとも、動物繊維、植物繊維の両方に染まる染料で、アクリル繊維に使うカチオン染料なども直接染法です。

染め方の原理としては一番簡単ですが、一般的には色がクリアに染まりづらく、洗濯や太陽の光に対する堅牢度けんろうどは高くありません。

そのため、古くから色止めの方法がさまざま工夫されてきました。 続きを読む