木綿を草木染めで染める方法。タンパク質、タンニンで繊維に下地をつける

ウールやシルクなどの動物性の繊維であれば、比較的容易に染められますが、木綿を草木染めする場合は非常に難しいです。

草木を煮出して染め液を抽出しない藍染であれば、木綿との相性が良いのでよく染まりますが、これはいわゆる草木染めという括りのなかでは特殊な例となっています。

一般的な草木染めは植物性の繊維に染まりが悪いので、木綿や麻などの植物性の繊維を染めるためには特殊な下処理が必要なのです。 続きを読む

樹皮布とは。ハワイ諸島で発達した樹皮布の版染めについて

織物の原型とはいかないまでも、織布の先駆けともいえるものとして、樹皮布じゅひぬのが挙げられます。

樹皮布は、アフリカのコンゴや東南アジアのタイ、南太平洋諸群島、南アメリカなどで古くはみられ、そのなかで図柄や技法がともに発達していたのは、ハワイ諸島やサモア諸島でした。

樹皮布は、日本にも縄文時代には渡ってきたのではないかとの想定が、考古学者であった後藤守一氏にされていますが、樹皮は腐りやすく存在を証明する史料がないため、確かな情報とは言えません。

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燻革(ふすべがわ)とは?藁や松の煙で革を染める技法

革染めで有名なものに、燻革ふすべがわというものがあります。

燻革とは、ふすべという言葉にあるように煙を利用して染められた革のことです。

人類史上、けものの皮の保存方法として原始的に最初に気づいた手段は、煙でいぶす煙なめしであったとされていますが、煙で染色できるということもその関連で必然的に発見されたのでしょう。

稲藁いねわらの煙を使用すると赤と黄色の中間色である燈色ひいろから茶色になり、松葉や松根の煙では、鼠色ねずみいろのように染まります。

藁と松根を併用すると、鶯色うぐいすいろ(灰色がかった黄緑色)になります。さらに藁を重ねていくと、濃い茶色となっていきます。 続きを読む

名物裂とは?金襴、緞子、錦、繻珍、風通、金羅、金紗、印金、間道、天鵞絨、モール、更紗について

特色ある染織品を、名物裂めいぶつぎれと呼ぶことがあります。

名物裂は、鎌倉時代から江戸時代初期にかけて主に中国やインド、ベルシャや東南アジアから渡来した絹織物の呼び名のひとつです。

名物裂と名付けられ、尊重されるようになる織物との関係が深いのが「茶の湯」です。 続きを読む

群青とウルトラマリンブルー。2種類の青い鉱物から生まれる美しい顔料

空の青、海の青。

私たちの身の回りは青色で溢れていますが、もし自然の世界から青色を取り出そうとすると、実際に手にできる青が非常に少ないことに気がつきます。

そのため、古くから人々は青色を絵具として手にするために、お金と時間と手間をかけてきたのです。

青色の顔料として、古くから非常に有名なのが、東西問わず世界中で使われていた群青ぐんじょうと西洋で大切にされてきたウルトラマリンブルーの二種類です。

関連記事:顔料と染料の違いとは。特徴と性質を理解することが日々の生活に役に立つ。

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浮世絵に使用された主要な絵具。錦絵、紅絵に使用された有機絵具と無機絵具

浮世絵は、江戸時代初期に成立した絵画のジャンルのひとつで、暮らしや風俗、その時の流行などが反映された絵の総称を言います。

さまざまな色で表現された浮世絵ですが、実際にどのような絵具が使用されていたのでしょうか。 続きを読む

正倉院宝物にみる顔料と染料

奈良・平安時代の中央・地方の官庁や大寺には、穀物や財物などの重要物品を納める正倉が設けられていました。

日本中、あちこちに置かれた正倉は、今日に至るまでにさまざまな理由で亡んでしまい、現在残っているのが、東大寺正倉院内の正倉一棟だけです。これがすなわち、正倉院宝庫です。

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東大寺正倉院/あずきごはん/CC BY-SA 4.0/via Wikimedia Commons,Link

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織物・生地の地の目を正しく読む方法

織物は、経糸と緯糸から組織されていますが、経糸と緯糸の方向を「地の目」と言います。

緯糸は織物の「耳(みみ)」に対して平行にはしっています。

経糸の方向を「経の地の目」といい、経の地の目を横切ってはしる糸の方向を「緯の地の目」といいます。 続きを読む