マスクに使われている不織布とは、何か?

新型コロナウィルスの世界的大流行によって、万人にとってマスクが日常生活に欠かせないものになりました。

2020年1月、日本においても感染が出始め、その後瞬く間にマスクが品切れで購入できない事態となり、これまでマスクが人々の話題の中心にのぼったことは後にも先にもないかもしれません。

そんななか、販売されているマスクのほとんどが不織布(ふしょくふ)という素材でできていることを知ったという人も、多くいたのではないでしょうか。

今回は、そもそも不織布とはどのように作られていて、どんな用途として主に使われているのかについて紹介します。 続きを読む

意匠糸、飾り糸、ファンシーヤーン(Fancy yarn)の種類。

糸の太さや長さ、色などがそれぞれ異なるもの同士を組み合わせることによって、変わった外観や構造をもった装飾用の糸のことを、意匠糸(いしょういと)、飾り糸、ファンシーヤーン(fancy yarn)などと呼びます。

このような一風変わった糸は、組み合わせによっていろんなパターンができるので、多くの種類あります。

ネップヤーン(nep yarn)

意匠糸の代表的なものの一つで、細かいつぶや節のようなものをところどころに入れた糸です。短い繊維をからみあわせることでできています。

スラブヤーン(slub yarn)

スラブとは、紡績糸の不均整な部分を意味しますが、その名前がつくだけあって、一本の糸の中に、太さが違う、膨らんだ太い部分がある糸のことをスラブヤーンといいます。

糸と糸を撚り合せることによって(撚糸)あえて不均整な部分をつくるので、撚糸スラブと呼ばれることもあります。

シュニール糸(chenille yarn)

シュニールは(chenilleは英語で毛虫の意)、綿・絹・毛などで織り、こまかい毛をたて、なめらかでつやのあるビロード状に毛羽立てた飾り糸です。

ささべり糸(笹縁糸)(gimp yarn)

笹縁(ささべり)とは、笹の葉っぱに白く細い縁(へり)があるのに似ていることから、衣服や袋物やござなどのへりを、補強や装飾の目的で、布や組紐などで細くふちどったもの意味します。

ささべり糸は細糸を芯にして、太糸を速く送り出して巻きつけ、さらに細糸を引き揃え、その回りに巻きつけたものです。

ほし糸(knop yarn)星糸

ほし糸は、ある一定の間隔ごとに、玉がついているようにみせるために撚り合せた糸のことです。

くさり糸(Diamond yarn)鎖糸

その名の通り、布地の原料である地糸を2本の細い糸で鎖状に巻いたものです。

ヒゲ糸(snarl yarn)

ささべり糸に非常に似ています。

金糸(きんし)(gold thread)

その名の通り、金箔を使った糸で、銀糸は銀箔をつかった糸です。刺繍(ししゅう)などの装飾用として使われてくました。

ループヤーン(loop yarn)

名前の如く、糸の表面にループ(輪っか)をもたせた糸です。糸の中心にある芯糸に、甘く撚られた糸を連続して絡ませることによってつくっています。

自分好みと用途にあった意匠糸を探す

意匠糸にはそれぞれに特徴があり、上記にいくつか紹介しましたが、その種類は非常に多いです。

他社がつくっていない面白い糸をということで、糸屋さんの努力によってこれまでさまざまなものが商品化されてきました。

意匠糸の用途はニットに使われることが多いですが、織物にも使われることがもちろんありますし、その他糸で加工できるものであればなんでも使用できます。

自分好みと用途にあった意匠糸を探してみるのも、おもしろいですね。

花森安治の灯をともす言葉。暮らし、生き方、美しさ、創ること、書くことについて。

生活雑誌『暮しの手帖』の創刊者である花森安治(はなもりやすじ)。

彼は、「暮しの手帖」の取材、執筆からデザイン、表紙にいたるまで自ら手がけていました。1997年に心筋梗塞でこの世を去るまで、さまざまな才能を発揮しづづけた、稀有な編集者です。

2016年、NHKの朝の連続テレビ小説、『とと姉ちゃん』では、暮しの手帖社の創業者である大橋鎭子(おおはししずこ)との雑誌出版の物語がモチーフにとされていたというのが記憶に新しいです。

灯をともす言葉』という書籍には、より良い生活や暮らしについて考えつづけた彼が、残してきた言葉の数々が載っています。

個人的に好きな言葉がたくさんありましたので、そのなかの一部を紹介したいと思います。 続きを読む

真の美はただ「不完全」を心の中に完成する人によってのみ見いだされる。東洋精神を西欧に伝えた名著『茶の本』。

岡倉天心(覚三)が、日本や東洋の文化を欧米人に伝えるために英語で書いた本が1906年に出版された『The Book of tea(茶の本)』です。

日本人の美意識について書かれた本書の導入部分は、日本や東洋の文化に対する欧米人の認識が間違っていたと岡倉さんは指摘しています。

タイトルは『茶の本』ですが、単に茶に関することだけではなく、茶道、禅、道教などの思想を通して、芸術について論じられています。 続きを読む

デザインとは、何か?

デザインとは、何か?

ウィキペディア(Wikipedia)には、デザインとは「審美性を根源にもつ計画的行為の全般を指すものである。」とありますが、上記の質問に対する答えは、100人に聞けば100通りの答えが返ってくると思います。

世界的なベストセラーになった『エクセレント・カンパニー 』や数々の書籍を書いてきた経営コンサルタントのトム・ピーターズが2005年に出版した『トム・ピーターズのマニフェスト(1) デザイン魂。』には、彼が出会ってきた著名な人々の考える「デザインとは」についての記述があります。

デザインを考える上では、先人たちの言葉は非常に参考になり、イメージをふくらませる手助けとなります。 続きを読む

木材パルプと非木材パルプ。木材からつくる繊維、レーヨンとキュプラ。

パルプは、原料の違いから木材パルプと非木材パルプに分けられます。

紙の原料として知られていますが、再生繊維のレーヨンやキュプラの主要な原料でもあります。1892年、イギリス人によって木材パルプを原料にレーヨンが発明され、これから人工的な繊維が実用的に使用されるようになりました。

レーヨンやキュプラは、木材から取れるセルロースやコットンリンター(綿花を採取した後の種子の表面に付いて残っている繊維で、繊維長が短く紡績用には向かない)を溶かしてから固めて繊維状にしたものです。

化学的な組成は、綿や麻などと同じです。

木材パルプ

木材パルプは、木の幹の樹皮を取り除き、そのままチップ化したものに、機械的、科学的、あるいは複合的な処理をしてつくられます。

原料の木材は、針葉樹と広葉樹共に使われますが、針葉樹のパルプは繊維が長く丈夫であるのに対して、広葉樹は繊維が短くきめ細かいパルプができます。

非木材パルプ

非木材パルプは、アフリカが原産地とされる一年草のケナフが挙げられます。生長は非常に早いのが特徴で、100日から125日で成熟し、高さ 1.5m~3.5m、茎の直径 1~2cmになります。

ケナフは繊維を目的として、インド、バングラデシュ、タイ、アフリカの一部、ヨーロッパの東南部など、世界中で古くから栽培され、栽培品種は約200種ほどあるとされています。

木材パルプに比べて一般的に繊維が長く、その特性を生かして和紙や薄手の紙に使用されることが多いです。

生産効率に関しては、原料の集荷や集積が効率的でなく、大規模の製造もされていないため、木材パルプと比べると、高価です。

また、サトウキビの汁を絞ったあとに出る繊維がバガスと呼ばれ、バガスを原料としたバガスパルプは、植物パルプとしてはわらに次ぐ年間約370万トン(約16%)が生産されているようです。

「繊維の宝石」カシミヤは何がすごいのか。

カシミヤを使った衣類と聞くと、高級なイメージが湧いてきますが、いったいカシミヤの何がすごいのでしょうか。

カシミヤは「繊維の宝石」と呼ばれ、長い歴史の中で常に高品質な繊維としての高い地位を維持してきました。

カシミヤと呼ばれるのは、インド北西部の高山地帯のカシミール地方に生息しているカシミヤヤギに由来があります。 続きを読む

「何のためにものづくりをするのか」という意義目標を設定することの大切さ。

働くということにおいては、人と人のやりとりがまったく生じないというのはほぼありえません。

組織で働くということ、どうすれば人と人とがスムーズにやりとりできるのかなど、今も昔も変わらず話題になることではないでしょうか。

麻野耕司さん著『THE TEAM 5つの法則 』のなかで、チームとして働くための目標設定の仕方として、意義目標をたてることの大切さを説いています。 続きを読む

消費者の価値観が多様化することで、ものづくりはどう変わるか。『2030年アパレルの未来―日本企業が半分になる日』

これまでの日本においては、フォロアー層と呼ばれる「自らがこれといった価値観を持たず、世の中のトレンドに流されやすい中間層」が消費市場において大きな割合を占めていました。

ただ、消費社会が成熟化し、インターネットとスマホの普及にともない、人々の消費における価値観の多様化がますます進んでいます。

消費における価値観は、人それぞれ違いますが、大きく見ると8つに分類できるそうです。『2030年アパレルの未来―日本企業が半分になる日』によると、世界中のほとんどの国や地域で、だいたい当てはまる分類であるとされています。

本書を引用しながら、消費における価値観を下記に分類しています。 続きを読む