木綿を草木染めで染める方法。タンパク質、タンニンで繊維に下地をつける


ウールやシルクなどの動物性の繊維であれば、比較的容易に染められますが、木綿を草木染めする場合は非常に難しいです。

草木を煮出して染め液を抽出しない藍染であれば、木綿との相性が良いのでよく染まりますが、これはいわゆる草木染めという括りのなかでは特殊な例となっています。

一般的な草木染めは植物性の繊維に染まりが悪いので、木綿や麻などの植物性の繊維を染めるためには特殊な下処理が必要なのです。

現在では、濃染剤(カチオン化剤という界面活性剤の一種)を購入して下処理をすれば、簡単に染められることができますが、古くはこのようなものはなかったので、人々は工夫して染めていました。

タンパク質、タンニンで繊維に下地をつける

綿や麻に草木染めする場合には、タンニンやタンパク質、油分などで下地をつくることが大事になってきます。

例えば、インドでは牛乳やヤギの乳に、ザクロやミロバランの木の実を煮つめた液を混ぜて使用していました。

Black Myrobalan

Black Myrobalan,Rumi Borah~aswiki, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons,Link

ミロバラン(myrobalan)は、シクンシ科で10m〜20m程の高さになる落葉樹で、インド木綿更紗の下地染めにその木の実が使われてきました。

タンニンを含んでいるため、金属イオンが付きやすくなるので、木綿や麻などの植物繊維も染まるようになります。ミロバランの液に浸してから、しっかりと絞り、天日の元でしっかりと乾燥させた後に、染色していきます。

ザクロも同様に、タンニンが含まれています。

ミロバランのタンニンと牛乳のタンパク質という色を定着させやすい要素を一緒にプラスすることで、色が染まる下地をつくっていたのです。

媒染ばいせんには、ミョウバンに炭酸ソーダを10%ほど混ぜたアルカリ性のミョウバンを使用したりしました。

日本では、大豆を水ですり潰した液体である呉汁ごじるが、草木染めをする繊維の下地としてよく用いられていました。

例えば、ハンカチを染める場合ですと、呉汁に浸けてから天日で乾燥させる工程を数回繰り返してから、染めるといったような流れです。

また、タンニンを含む五倍子ごばいしで下染してから、染色する場合もあります。

タンニンをもともと含む染料であれば、木綿の素材でも比較的染まる場合もあります。

素材によって、染色条件の良いものがある

多くのタンニンを含むものは、植物繊維であっても、染めやすい条件があるともいえます。

例えば、芭蕉ばしょう(バナナ)の繊維は、タンニンをよく含む植物としても知られています。

参考文献:岡村吉右衛門著『世界の染物


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