素材」カテゴリーアーカイブ

からむし糸と絹糸で織った布

【染織の名著】堀切辰一(著)『襤褸達の遍歴ーこぎれ四百姿』

1987年1月21日、古民具店を経営していた堀切辰一氏が、『襤褸らんる達の遍歴』という本を出版しました。

この本は、約15年かけて全国から集めた着物やふとん地の布400枚が、4センチ×12センチに切り分けられ、貼り付けられています。

江戸から昭和初期にかけて生産された布たちの用途、材質、産地を一枚ずつ調べ、可能な限り身につけていた人から着物にまつわる話を聞き出して、解説が書かれているのです。

襤褸らんるとは、「ぼろきれ」や「ぼろ」のことを指し、使い古した布や、補修されて継ぎ接ぎだらけの布を意味しています。

堀切氏は、「ぼろ」ではなくあえて襤褸らんると呼んでいました。

なぜなら、小さな布もまだ使命を持っており、役に立たないものではないから「ぼろ」と呼ぶのはふさわしくないと考えていたためです。

古着としても歴史資料の価値がある着物を切り刻んで本に張るのには、やはり周囲の反対があったようですが、「布に込められた人生と思いは、実物の布に触れてもらわないと伝わらない」と堀切氏はあえて本に残したのです。

襤褸 

経糸がからむし糸、緯糸に絹糸で織られた布

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蚕(かいこ)の繭(まゆ),絹糸(シルク糸)の原料

野蚕シルクの種類と特徴、家蚕シルクとの違いについて

シルクの素材を扱う上で、「家蚕かさん」、「野蚕やさん」という言葉に出会います。

野生であったものを人工的に繁殖させたり、品種改良しながら飼育されたが「家蚕かさん」と呼ばれます。

野生に生息していたり、野生に近い状態のマユをつくる昆虫類を「野生絹糸虫やせいけんしちゅう」と総称し、その中で特に実用的なマユをつくる品種を「野蚕やさん」と呼んでいます。 続きを読む

繊維の宝石、シーアイランド・コットン。世界最高級である海島綿(かいとうめん)の特徴について

木綿の原産地は、インドと言われています。

インドのパンジャブ地方は、古くから織物の技術の世界的な源であり、ヒマラヤを源流としインド洋に注ぐインダス川流域の文化とともに世界中へ広がっていきました。

紀元前1世紀頃の古代ローマでは、人々はすでに綿の布を身にまとっていたようです。 続きを読む

飯田紬(いいたつむぎ)とは?飯田紬の技法について

長野県では、古くからつむぎ織物が盛んに織られてきました。

飯田紬いいだつむぎ山繭紬やままゆつむぎ上田紬うえだつむぎなど歴史的にも古く、その名が広く知られていますが、これらを総称して信州紬しんしゅうつむぎと呼んでいます。 続きを読む

山繭紬(やままゆつむぎ

山繭紬(やままゆつむぎ)とは?山繭紬の技法や特徴について

長野県では、古くからつむぎ織物が盛んに織られてきました。

山繭紬やままゆつむぎ上田紬うえだつむぎや、飯田紬いいだつむぎなど歴史的にも古く、その名が広く知られていますが、これらを総称して信州紬しんしゅうつむぎと呼んでいます。 続きを読む

アイヌの伝統織物、アツシ(厚司)(厚子)

アイヌの伝統織物、アツシ(厚司)の特徴。オヒョウの樹皮から織られた着物について

アイヌの伝統織物に、厚司アツシ(厚子)があります。

厚司アツシ(厚子)は、古くからアイヌの人々のあいだに伝わってきた織物で、ニレ科の植物であるオヒョウ(オヒョウダモ)の樹皮を繊維にして織られています。 続きを読む