綿花はアオイ科のワタ属・ゴシピウム属に入り、20種類ほどの品種が残っています。
綿花の種類
繊維をつくらない種類もありますが、繊維をつくるワタ属は、大きく以下の4つに分類できます。
- arboreum(アルボレウム)
- herbaceum(ヘルバケウム)
- barbadense(バルバデンセ)
- hirsutum(ヒルスツム)
アルボレウムとヘルバケウムは、インド、パキスタンのあたりや中東方面が原産地とみられ、バルバデンセとヒルスツムは、中米や南米北部などのアメリカ大陸が発祥と言われます。
綿の花が咲くと、1日〜2日の間に花が落ちてしまい、めしべの基部にある子房が生長し始めたものが後のコットンボールになります。
コットンボールが裂け、綿の繊維が露出してくると、繊維は水分を失って偏平になり、長さ2~4cmのリボン状の繊維をつくります。
繊維一本の太さは、12〜20ミクロンくらいになり、先端の方は細くなります。繊維の太さと長さは品種によって異なります。
綿繊維の組成
未精錬の標準的な綿繊維の組成は、水分のない状態では、下記の数値が標準的です。
- セルロース94%
- タンパク質1.4%
- ペクチン1.2%
- ロウ質0.6%
- 灰分1.2%
- 全糖0.3%
- 微量の色素
- その他約1.3%
参照:『月刊染織α1988年7月号No.88』
大部分がセルロースでできているので、吸水性があったり、アルカリ性に強かったり、熱に強いといった特徴があります。
約5パーセントほどはペクチンやロウ質、色素などの不純物が含まれているため、精錬や漂白によって除去する必要があります。
セルロースが主成分である繊維に表れる特徴
セルロースが主成分である繊維に表れる特徴としては、大きく5つほど挙げられます。
- 吸水性がある
- 水分を含むと、繊維が強くなる
- アルカリ性に強い
- 染色しやすく、発色が鮮やかで、堅牢度が高い染め物(堅牢染め)に適している
- 熱に強い
その他にも、化学薬品に反応しやすかったり、防水加工ができる点などもセルロースが主成分となる繊維の特徴です。