ものづくり」カテゴリーアーカイブ

染織におけるタペストリー(Tapestry)の特徴について

タペストリーは、模様(文様)に応じて緯糸を下絵にしたがって織り上げた綴織つづれおりの一種です。

綴織つづれおりは、織りたい図柄の下絵を、つづれ機に張った経糸の下にあてがいながら、平織の組織で経糸に地緯糸じぬきいと絵緯糸えぬきいとを織り込み、図柄を織り表していきます。

タペストリーは、古代ローマ時代から建築や宮殿を飾ったといわれ、中世以後、フランスのフランドルを中心として発達していきました。 続きを読む

埼玉県川越 喜多院所蔵 『職人尽絵屏風』「型置師」狩野吉信(1552年〜1640年)

武蔵国(武州)におけるものづくりの歴史。江戸時代の埼玉県域において有名だった地場生産物(工芸品)について

武蔵国むさしのくには、現在の埼玉県と東京都、神奈川県の一部でした。

江戸時代において、武蔵国のうち、「将軍のお膝元」である江戸城及び江戸市中は御府内ごふないと称されていました。

現在の埼玉県域は、江戸時代以降、独自の個性を活かした歩み方をするのではなく、すべてが江戸や東京という大都市との間に、密接な繋がりを持って今日に至っています。

江戸時代は、御用職人ごようしょくにん(幕府や諸藩、武家屋敷に召し抱えられた職人)や町職人、足軽や下級武士が内職として、城下町でいろいろな手工業の仕事をしていました。

武州ぶしゅうにおけるものづくりの形成を考える場合、江戸やその他の城下町形成期における職人の存在、享保きょうほう期(1716年〜1736年)以降の江戸を取り巻く経済圏の中で培われた地場生産物の職人、明治維新になってから士族しぞく(旧武家)が職人となったものなどが挙げられます。 続きを読む

米糊(こめのり)とは?

米糊こめのりとは、米から作った捺染なっせん、または仕上げ用の糊で、使用する米の種類には粳米うるちまい糯米もちごめがあります。

粳米うるちまいを使ったうるちのりは、残った米飯を煮て作った糊液で、浴衣の仕上げに用いると生地が硬く、ハリのある風合いになります。

また、粳米うるちまい長時間水にさらして一部を分解させ、潰して煮あげたものを姫糊ひめのりといい、型紙を使用する捺染なっせんや織物の仕上げに用いられます。

糯米もちごめは粉末にして水とこねて蒸すか、煮るかして糊にします。

米ぬかや食塩を加えて筒描きや型紙の捺染用の糊としたり、友禅板の敷糊しきのりにも用いられます。

防染糊として使用し、捺染して乾燥すれば、引き染め程度の湿潤や摩擦に耐えます。

水中に30分ほどつけておけば、簡単に糊は洗い流すことができます。

安心感と信頼性がブランド価値の土台にある

企業は顧客にブランドを認知してもらい、商品やサービスを購入してもらうためにブランド価値を高める努力をしています。

ブランド価値を高める活動全般がブランディングですが、さまざまな企業がある中で自社の商品やサービスを選んでもらうためには、競合他社との差別化が必要になります。

自社が特徴やコンセプトを明確にし、ネーミング、ロゴ、パッケージ、キャッチフレーズなどにより自社がどのようなブランドであるかを伝えていくのです。

ブランド価値をどのように向上させていくのか、その手段や施策は数知れずですが、ただ単に知名度があげていけば良いという単純な話ではありません。

知名度が高ければ、購買につながる可能性は確かに高くなりますが、繰り返し商品やサービスを顧客に購入してもらうためには、ブランドのファンになってもらうことが大事なのです。 続きを読む

手拭中形(てぬぐいちゅうがた)とは?長板中形に代わって登場した手拭中形の技法について

大正時代から昭和にかけて、手拭中形てぬぐいちゅうがた手注てちゅう)や注染ちゅうせんという方法が始まり、浴衣ゆかたが大量生産されるようになりました。

手拭中形てぬぐいちゅうがたとは、折付おりつけ中形や注染ちゅうせん中形、大阪中形(阪中さかちゅう)などと呼ばれ、布地を昔の日本手拭にほんてぬぐいの長さに折りたたんで染色することから「手拭中形てぬぐいちゅうがた」という名前で呼ばれています。 続きを読む

信念や哲学を持ったものづくりでないと、それはただの量産品になる。

ものづくりと一口にいっても、世の中にはさまざまなものづくりがあります。

低価格で、大量にものをつくるのであれば、機械に頼ったものづくりになります。

いわゆる量産品ですが、これがものづくり産業の大部分を占めています。

一方で、価格は高いし、数をつくれないものづくりもあります。それは、人の手作業が必要となるものづくりです。

価格と生産量において機械には太刀打ちできない、後者のものづくりの利点とはなんでしょうか。

個人的には、手作業であるからこその非効率の価値があると考えています。 続きを読む

人の手がかかるものづくりには非効率の価値があるから、その他の作業をできるだけ効率化するべき。

ものづくりの分野、とりわけ全ての工程を機械やロボットで完結するのではなく、人の手が必要とされる手仕事などは、非効率にみえる作業部分が多くあります。

手仕事においては、人の手が必要な非効率な部分こそが、大きな価値として評価される点でもあるのです。手仕事の手のかかる部分に、しっかりと時間を割くということは言うまでもありません。

ただ、分野にもよりますが、なかなか手仕事でご飯を食べていくのは難しいところです。なぜなら、手仕事であるため、投下した時間に対する生産量に限りがあるからです。

限りがあるなかでどうやって、利益を効率よく出すことができるかを考える第一歩として、まずは手をかける作業以外の工程を徹底的に効率化する意識を持つことが大事だと思います。

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