初版が1993年に発行された岡本太郎(著)『自分の中に毒を持て』は、人生において大切だと思えるエッセンスがたくさん詰まった本です。
不器用で下手な素人のものづくりには価値がある
岡本太郎は芸術家でしたが、「ものづくり」に関しても、本書にて言及しています。
ものづくりに関わる人でも、そうでない人にとっても示唆に富むことが書かれています。
働くということにおいては、人と人のやりとりがまったく生じないというのは、ほとんどの場合でありません。
組織で働くということ、どうすれば人と人とがスムーズにやりとりできるのかなど、今も昔も変わらず話題になることです。
チームとしてうまく機能するための一つのポイントとして、皆の考えの方向性が同じ向きを向いている点が挙げれられます。 続きを読む
染色において、先染め(さきぞめ)、後染め(あとぞめ)という言葉があります。
先染めと後染めの違いとしては、染色の工程を生地(布)を「織る・編む」前にするか、後でするかという点です。 続きを読む
ものづくりにおいて、仕事で使用する道具を大切にできるかどうかは作り手としては非常に大切なことです。
なぜなら、道具を大切にするという取り組みの姿勢が、結果的に成果物の出来上がりの質に影響すると考えられることが多いためです。
木版画家として知られていた立原位貫氏(1951年〜2015年)は、著書の『一刀一絵』にて、仕事道具について、以下のように語っています。
いい道具は時を繋いで、いい仕事をしてくれる。使い続けることでその命が生かされていく。『一刀一絵』
立原位貫は、江戸時代と同じ手法、絵具、紙を独学で研究し再現し、それらの道具をつかって江戸時代の浮世絵の復刻を成し遂げた木版画家であり、著書である『一刀一絵』からは、道具に徹底的にこだわる姿勢が伝わってきます。
型染めにおける地張りから糊置きまでの工程については、以下のような流れとなります。 続きを読む
板締めは、布地に両面から板を当てて、きつく両側から固定することで防染し、模様を染める技法です。
日本で古くから行われてきた染色技法を表す言葉に、絞り染めの纐纈、ろうけつ染めの臈纈、そして板締めの夾纈があります。
上記の三種類の技法は、「三纈」という言葉でまとめて表されます。 続きを読む
糸目糊とは、友禅染め(ゆうぜんぞめ)の一工程である「糸目糊置き」に使用する防染糊も言います。
友禅染めでは、青花液で下絵を描いた後に、筒描きによって模様(文様)を描き、ある色と他の色との境目を糊で線描きすることがあります。
色を挿すときに染料のにじみを防ぐために、青花で描いた下絵にそって、糸のように細い防染糊を置くのです。
この色と色の境目を防染する糊を「糸目糊」といい、糸目糊を使用して糸目糊置きが行われます。 続きを読む
タペストリーは、模様(文様)に応じて緯糸を下絵にしたがって織り上げた綴織の一種です。
綴織は、織りたい図柄の下絵を、綴機に張った経糸の下にあてがいながら、平織の組織で経糸に地緯糸と絵緯糸を織り込み、図柄を織り表していきます。
タペストリーは、古代ローマ時代から建築や宮殿を飾ったといわれ、中世以後、フランスのフランドルを中心として発達していきました。 続きを読む
武蔵国は、現在の埼玉県と東京都、神奈川県の一部でした。
江戸時代において、武蔵国のうち、「将軍のお膝元」である江戸城及び江戸市中は御府内と称されていました。
現在の埼玉県域は、江戸時代以降、独自の個性を活かした歩み方をするのではなく、すべてが江戸や東京という大都市との間に、密接な繋がりを持って今日に至っています。
江戸時代は、御用職人(幕府や諸藩、武家屋敷に召し抱えられた職人)や町職人、足軽や下級武士が内職として、城下町でいろいろな手工業の仕事をしていました。
武州におけるものづくりの形成を考える場合、江戸やその他の城下町形成期における職人の存在、享保期(1716年〜1736年)以降の江戸を取り巻く経済圏の中で培われた地場生産物の職人、明治維新になってから士族(旧武家)が職人となったものなどが挙げられます。 続きを読む
米糊とは、米から作った捺染、または仕上げ用の糊で、使用する米の種類には粳米と糯米があります。
粳米を使ったうるち糊は、残った米飯を煮て作った糊液で、浴衣の仕上げに用いると生地が硬く、ハリのある風合いになります。
また、粳米長時間水に晒して一部を分解させ、潰して煮あげたものを姫糊といい、型紙を使用する捺染や織物の仕上げに用いられます。
糯米は粉末にして水とこねて蒸すか、煮るかして糊にします。
米ぬかや食塩を加えて筒描きや型紙の捺染用の糊としたり、友禅板の敷糊にも用いられます。
防染糊として使用し、捺染して乾燥すれば、引き染め程度の湿潤や摩擦に耐えます。
水中に30分ほどつけておけば、簡単に糊は洗い流すことができます。