色合い」カテゴリーアーカイブ

藍染された浅葱色(あさぎいろ)の糸

京の水藍(みずあい)。幻の京藍の歴史と栽培方法について

藍染の原料となる藍の栽培は、古くは日本中で行われていました。

京都においては「京の水藍みずあい」という言葉が江戸時代の文献に残っており、色合いがあざやかで品質が高かったとされ、水藍の色は京浅葱きょうあさぎ(淡い水色)とたたえられていました。

水藍とは、その名前だけあって、水稲すいとうのように水を張って田んぼで栽培された藍のことです。

水藍は、京藍、東寺藍、ちょぼ藍(田んぼのことを、その土地の言葉で「ちょぼじ」と言ったことから)などと呼ばれていました。

Persicaria tinctoria bergianska

蓼藍,タデアイ,Persicaria tinctoria bergianska,Udo Schröter, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおける胡桃(くるみ)。オニグルミ(くるみ)の染色方法について

胡桃くるみ(オニグルミ)は、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称で、日本列島に自生しているクルミの大半はオニグルミ(学名Juglans mandshurica var. sachalinensis)です。

樹皮は、暗灰色あんかいしょくで縦に大きく割れ目が入ります。

4月〜6月にかけて若葉とともに花をつけ、その後に仮果かか(外皮)とよばれる実を付けます。

オニグルミ,Juglans mandshurica var. sachalinensis 03

オニグルミ,Σ64, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

仮果かか(外皮)の中に核果かくかが有り、その内側の種子(じん)を食用にする。

胡桃くるみ(オニグルミ)の青い仮果かかの皮や緑葉、樹皮などが染料に使用されます続きを読む

茜染め(絞り)

染色・草木染めでムラなく染める方法。染めムラになる可能性を低くするポイントについて

染色や染料を煮出して染める草木染めにおいては、染めムラが発生する要素はさまざまです。

いわゆる手染めであれば、どうしてもムラは出てしまうことがありますが、染めムラになる可能性を低くするポイントをいくつか挙げることができます。

染めムラが起こり得る原因を知り、細心の注意を払うことによって、良い染め上がりが期待できるのです。 続きを読む

染色・草木染めにおける浴比(bath ratio)

浴比よくひ(bath ratio)とは、染めるべき布や糸の量と、染液(染浴せんよく)の量の比を表します。

例えば、布100gを染めるために染液(染浴せんよく)の量を5リットル使用すると、浴比よくひは、「1:50」ということになります。

浴比よくひが小さいほど、染料の濃度が高くなるため、工場などの機械染色の場合は、できるだけ浴比よくひを小さくする努力がされています。

ただ、浴比よくひが小さければ小さいほどムラにもなりやすいので注意が必要です。 続きを読む

藍染の原料である蒅(すくも)

渋沢栄一と藍作・藍玉づくり・藍染の関係について

江戸時代に木綿の栽培が日本中で広まり、木綿に染まりやすかった藍染の需要も飛躍的に伸びていきました。

江戸時代は貨幣経済が浸透してきたことから、商品作物や各藩の特産物として換金作物かんきんさくもつの栽培が推奨され、特に重要な作物は「四木三草しぼくさんそう」と呼ばれました。

四木しぼくは茶、こうぞうるしくわ三草さんそう紅花べにばな、麻のことを指します。

藍の産地としては、江戸時代中期ごろから徳島県の吉野川流域(阿波あわ)が最も盛んで、「阿波藍あわあい」としてブランド化していました。

現在の埼玉県が含まれる(武蔵国むさしのくに)でも江戸時代から藍の栽培(藍作)と藍染が行われており、明治初期には阿波藍あわあいに次ぐ全国第2位の生産高を誇っていました。

埼玉県深谷市は、2024年度(令和6年度)発行の新一万円札の「顔」となった渋沢栄一(しぶさわえいいち)(1840年〜1931年)が生まれた地で、彼の生まれ育った家も藍染の原料となる藍づくり農家でした。 続きを読む

蓼藍(タデアイ)

藍染の原料となる植物の種類。代表的な藍植物(indigo plant)について

藍染の歴史は非常に古く、古代エジプトではミイラを包む布が藍染されており、紀元前2000年前には藍が利用されていたとされています。

藍の色素を持つ植物も多種多様で、それぞれの地域にあった植物を使用し、さまざまな方法で藍染が行われてきたのです。

日本において、江戸時代に入ってからの服飾は藍一色に塗りつぶされたと言っても過言ではないほど、藍は庶民の身近な色として親しまれてきました。 続きを読む

ラベンダー

染色・草木染めにおけるラベンダー

ラベンダー(学名:Lavandula angustifolia)は、地中海沿岸が原産とされるシソ科の植物で、伝統的にハーブとして古代エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア、ヨーロッパなどで薬や調理に利用されてきました。

ラベンダーという名前は、ラテン語で「洗う」という意味の「ラワーレ(lavare)」という語からきており、洗濯や入浴に使用していたという歴史があります。

民間薬としては花を乾燥させて、入浴剤としてリウマチの治療に用いられ、麻を洗濯する際に香りづけと殺菌を兼ねて使われました。

ラベンダー(lavender)の花は、観賞用だけではなく、満開の状態で刈り取られて香水の原料に使用されたり、ハーブティーなどにも使用されます。

ラベンダーの花を染色に使用する場合は、生のままか、乾燥したドライフラワーのどちらも活用できますが、染まりあがりの色合いはどちらを使用するかによって変わってきます。

ラベンダー(lavender),Echter Lavendel (Lavandula angustifolia) (9478078399)

ラベンダー(lavender),Maja Dumat from Deutschland (Germany), CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons,Link

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染色・藍染におけるインド藍。インド藍の種類や歴史、染色方法について

インド藍(学名 Indigofera suffruticosa)は、熱帯地方に分布するマメ科コマツナギ属の藍色素を持つ植物から抽出した染料の名前でもあり、植物の名称でもあります。

日本の本土で古くから栽培されてきたタデアイ(くさの藍)に対して、木藍きあいと呼ばれたりもしました。

Indigofera tinctoria-2-papanasam-tirunelveli-India

インド藍,Indigofera tinctoria,Yercaud-elango, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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