藍下とは、藍で下染するという意味でこの名があります。
紅で下染するのを、紅下というの同じです。
昔は、高級品で深みのある黒紋付の染色などに、檳榔子が使用されていましたが、その場合、藍や紅などで下染めした上に、檳榔子染めをすると、青味または赤味を含んだ黒を染めることができました。
インディゴ(indigo)は、インジゴとも書き、①植物の藍(indigo plant)②植物の藍から取った染料③藍色(indigo blue)などの意味があります。 続きを読む
染色・草木染めにおいて、大豆をすりづぶして作った豆汁(呉汁)が使用されてきました。
豆汁の成分は、主に大豆タンパク(グリシニン)とデンプン、脂肪の混合物となります。
絵具や顔料を定着させるために、豆汁の大豆タンパクが役割を果たします。
卵白や牛乳なども、豆汁と同じようにタンパク質による接着剤、凝固剤としての役割をします。 続きを読む
黄櫨、黄櫨染と呼ばれる色彩があります。
平安時代以降、日本の天皇が儀式のときに着用する袍の色と決められ、「絶対禁色」として天皇以外は着ることが許されない色とされてきました。
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蘇芳(学名Caesalpinia sappan)はインドやマレーシアなどの熱帯地域に自生しているマメ科ジャケツイバラカ亜科の植物です。
蘇芳は成長すると樹高が5~10メートルになり、幹にはトゲが多く、葉は鳥の羽が並んでいるような形の羽状複葉で、5月から6月ごろに円錐花序を出し、黄色い花を咲かせます。
蘇芳は、その芯材に含まれるブラジリン(brazilin)と少量のヘマティン(天然赤色色素が染料として使われてきました。 続きを読む
染色・草木染めにおいて、イメージ通りの色合いに仕上げるためには、染色に使用する水(どのような成分が含まれているか)について、注意しておく必要があります。
染色・草木染めに適した水において、先人たちの文献から、参考になりそうなものを引用していきます。 続きを読む
青縞と呼ばれる藍染された糸で織られた布は、埼玉県の北東部に位置する加須市や羽生市を中心に盛んに織られていた生地です。 続きを読む
紫色を染める材料としては、古代から紫草が主に使用されてきました。
紫を染める草というので、紫草と書きますが、染色に用いるのはその根で、「紫根」と言います。
紫草(学名 Lithospermum erythrorhizon)は、ムラサキ科の多年草で、日本や中国、朝鮮、ロシアなど広く分布しており、山地や草原に自生しています。
紫草,Lithospermum erythrorhizon,yakovlev.alexey from Moscow, Russia, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons,Link
樹高は、30〜60cmほどに成長し、6〜7月に白い花が小さく開き、小粒の琺瑯質の実をつけます。
白い花が群れて咲くことから、「むらさき」の名前があるともいわれています。 続きを読む
茶屋染は、江戸時代初期頃から行われていた型染めの一つです。
主に武家の女性が着用した帷子の染色方法で、藍色一色で型紙を用いて全体に模様が入るように(総模様)染めたものです。 続きを読む
紅花の原産地は、中央アジアやエジプト、メソポタミア地方あたりではないかとされていますが、はっきりはしていません。
紅花が日本に渡来したのは、シルクロードを通じて古墳時代に伝来し、古代中国から「呉藍」として輸入されたものと伝えられています。
花は染料としてだけでなく、薬用としても用いられ、種子からは油も絞れるため、幅広い用途に使用されました。 続きを読む