絹紡とは、繭から生糸を取る時に残った部分(製糸屑)や屑繭をほぐしたものなどの「副蚕糸」を原料にして、糸にする(紡ぐこと)を表します。
紡いだ糸は、「絹紡糸(スパンシルクヤーン)」などと言います。
日本においては、明治時代中期からは紡績技術が発達し、副蚕糸から絹紡糸がつくられてきました。
絹紡糸を用いた織物は、主に和装や風呂敷などに用いられてきました。 続きを読む
絹紡とは、繭から生糸を取る時に残った部分(製糸屑)や屑繭をほぐしたものなどの「副蚕糸」を原料にして、糸にする(紡ぐこと)を表します。
紡いだ糸は、「絹紡糸(スパンシルクヤーン)」などと言います。
日本においては、明治時代中期からは紡績技術が発達し、副蚕糸から絹紡糸がつくられてきました。
絹紡糸を用いた織物は、主に和装や風呂敷などに用いられてきました。 続きを読む
日本に梅が伝わったのは、弥生時代から飛鳥時代ごろとされ、中国から薬用の烏梅として伝来したと言われます。
烏梅とは、実が青い状態の梅を釜戸の煙で黒く燻して薫製にし、乾燥させたもので、煎じて風邪薬や胃腸薬として用いたり、止血や切り傷の手当てにも使用されてきました。
梅は、薬用、食用、観賞用、そして染色用と多様な用途のある有用な植物として渡来し、栽培されるようになったと考えられます。 続きを読む
キュプラ(cupro)という繊維は、「レーヨン」と同じくセルロースを原料とします。
キュプラの原料は、レーヨンが用いている木材パルプではなく、綿花を採取した後の種子の表面に付いて残っている2mm〜6mmほどの短い繊維で、紡績用には向かないコットンリンター(cotton linter)です。
コットンリンター(cotton linter)を溶かしてから固めて、繊維の状態にします。 続きを読む
木材パルプは、紙の原料として主に使用され、木の幹の樹皮を取り除き、そのままチップ化したものに、機械的、科学的、あるいは複合的な処理をしてつくられます。
原料の木材は、針葉樹と広葉樹共に使われますが、針葉樹のパルプは繊維が長く丈夫であるのに対して、広葉樹は繊維が短くきめ細かいパルプができるという特徴があります。
海外では、えぞ松などロシアのシベリア地方で産出される北洋材の針葉樹が多く使用されていますが、国産材ではブナやナラなどの広葉樹が主体になっています。
木材の組成は、原木の種類によって大きく変わってきますが、おおよそセルロース分が約50%、リグニンが約25%、ヘミセルロース約23%、樹脂・その他が約2%からなっています。 続きを読む
キャンブリック(カンブリック)と呼ばれる生地は、本来は細番手の亜麻(リネン)糸を用いた緻密な平織物で、ベルギーとの国境に近いフランスの「カンブレー(cambrai)」という町で作られたものを言いました。
カンブレー(cambrai)は、フランドル(英名:フランダース)地方の一部として11世紀ごろから麻織物や毛織物などの織物工業が盛んでした。
現在は、オー=ド=フランス地域圏(Hauts-de-France)に属するこの町は、「シャンブレー(chambray)」の発祥の町でもあります。
シャンブレーとは、経糸を色糸、緯糸には白系の糸(晒糸晒糸)を使用する生地で、綿またはリネンの先染め織物です。
イギリスでは、カンブレーで生産された麻織物に似せて、綿織物の裏にだけ糊を付け、艶出し機(カレンダー)で「艶出し加工(カレンダーフィニッシュ)」を施したものを大量生産したため、もっぱらそれをキャンブリック(カンブリック)と言いました。
裏糊付けと艶出し加工を合わせて、「キャンブリック仕上げ(キャンブリックフィニッシュ)」と言われました。
かつては主にワイシャツにキャンブリック(カンブリック)の生地が用いられていましたが、現在では雑多な用途に用いられています。
英語のギャザー(gather)という意味には、①拾い集める、引き寄せる、抱き寄せる②蓄積する、貯める③寄り集まる④収穫する⑤選び出すなどの意味があります。
語源は、印欧祖語(インド・ヨーロッパ語族の諸言語の共通の祖先とされる理論上の言語)の「ghedh=1つにする、合体させる」で、古ゲルマン語などを経由して、古英語時代に「集める、集まる」という意味になっています。
ファッション・服飾におけるギャザー(gather)という用語は、布の一端をゆるく縫い、その縫糸を一方に引っ張って布端を寄せる(縮める)ことを表します。
あるいは、一方の布に他の布を縫い付ける際に、一方の布を掻き集めるように寄せ縮めて縫い付け、布に無数に並ぶ不規則な小さなヒダ(シワ)を生じさせているものを言います。 続きを読む
江戸時代から好んで人々に使用されてきた絹織物に、繻子、綸子、縮緬、絹ちぢみがあります。 続きを読む
オーガンジー(organdy、organdie)とは、経糸、緯糸に細糸を使用した平織などの、透け感のある硬めの薄地織物です。
オーガンジーという言葉の由来ははっきりしていませんが、ウズベキスタンの古都「ウルゲンチ(Urgench)にちなむとされます。
オーガンジー加工(Organdie finish)は、もともとは綿織物の用いられてきましたが、レーヨン、シルク、アセテート、ナイロン、ポリエステル繊維にも使用されます。 続きを読む
カンガルーポケット(kangaroo pocket)とは、衣服の前面中心に貼り付けた、カンガルーのお腹にある子袋に似ていて、出し入れ口が上部にあるものをポケット(パッチポケット)を表します。
ホームドレス(日常使いのワンピース)のスカート部分にカンガルーポケットがついた「カンガルードレス(kangaroo dress)」や、オーバーオールの胸当て部分などに用いられたりします。
パーカー(フーディー)においては、左右に出し入れ口がある形のポケットがよくついています。
この形のものはカンガルーポケットというよりも、両手を左右から差し込んで手を暖める「ハンドウォーマーポケット」や、手を暖めるために携帯用の筒状服飾小道具の「マフ」にちなんで、「マフポケット」といったようが適切な場合があります。