ファッション・服飾におけるカーディガン(cardigan)の意味と由来について

カーディガン(cardigan)とは、V字形の首元(Vネック)で前明きをボタンで留め、えりがなく、ニット(編み物)でできた長袖の上着を表します。

「前明き形のセーター」といえますが、カーディガンの名前が知られるようになったのは、19世紀のイギリス人の軍人であり、クリミア戦争で活躍した「第7代カーディガン伯爵はくしゃく」であるジェイムズ・ブルーデネル(James Thomas Brudenell,7th Earl of Cardigan)が愛用したことからです。 続きを読む

カットソー(cut and sewn)とは?カット・アンド・ソーンの意味や由来、特徴について

カットソーとは、カット・アンド・ソーン(cut and sewn)を略したもので、英語の「Cut(裁断)」と「Sewn(裁縫)」を合わせた日本独自の和製英語です。

カットソーという名の通り、「編み物生地を切って縫い合わせた服」を表します。 続きを読む

「金よりも価値がある」超高級繊維ビキューナ(Vicuna)の特徴について

「金よりも価値がある繊維」ともいわれるビキューナ(Vicuna)とは、南米のアンデス山脈に生息しているビクーニャ(Vicugna)からとれる「毛」またはそれを用いた織物を表します。

ビクーニャ(Vicugna)とは、ペルー、アルゼンチン、ボリビア、チリ北部、エクアドルなどの標高約3800m以上のアンデス山脈に生息しています。

ラクダ、アルパカ、リャマと近縁のラクダ科の小さな動物で、すべてのラクダ科動物の繊維と比較しても、良質な獣毛繊維が採れます。

ビクーニャ(Vicugna)Vicuña - Chimborazo, Ecuador

ビクーニャ(Vicugna)Vicuña,Dabit100 / David Torres Costales Riobamba, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

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カシミヤ(cashmere)とは?「繊維の宝石」カシミヤ繊維の特徴について

カシミヤ(cashmere)は「繊維の宝石」とも呼ばれ、長い歴史の中で常に高品質な繊維としての高い地位を維持してきました。

カシミヤと呼ばれるのは、インド北西部の高山地帯のカシミール地方に生息しているカシミヤヤギ(カシミヤ山羊)に由来があります。

カシミヤヤギから取れる優良な毛は、絹(シルク)に似た光沢を持ち、繊維もしっかりしており(強靭きょうじん)、滑りが良いのが特徴的です。 続きを読む

藍染の原料である蒅(すくも)

渋沢栄一と藍作・藍玉づくり・藍染の関係について

江戸時代に木綿の栽培が日本中で広まり、木綿に染まりやすかった藍染の需要も飛躍的に伸びていきました。

江戸時代は貨幣経済が浸透してきたことから、商品作物や各藩の特産物として換金作物かんきんさくもつの栽培が推奨され、特に重要な作物は「四木三草しぼくさんそう」と呼ばれました。

四木しぼくは茶、こうぞうるしくわ三草さんそう紅花べにばな、麻のことを指します。

藍の産地としては、江戸時代中期ごろから徳島県の吉野川流域(阿波あわ)が最も盛んで、「阿波藍あわあい」としてブランド化していました。

現在の埼玉県が含まれる(武蔵国むさしのくに)でも江戸時代から藍の栽培(藍作)と藍染が行われており、明治初期には阿波藍あわあいに次ぐ全国第2位の生産高を誇っていました。

埼玉県深谷市は、2024年度(令和6年度)発行の新一万円札の「顔」となった渋沢栄一(しぶさわえいいち)(1840年〜1931年)が生まれた地で、彼の生まれ育った家も藍染の原料となる藍づくり農家でした。 続きを読む