兼房染(けんぼうぞめ)とは何か?梅皮を鉄媒染した黒梅染について

兼房染けんぼうぞめとは、黒梅染くろうめぞめのことをいい、加賀染かがぞめ(加賀御国染おくにぞめ)ともいわれていました。

黒梅染とは、紅梅こうばいの樹皮や根をせんじた汁で染めたものやその色の中でも、特に赤み黒ずんだ茶色のものを指していいます。 続きを読む

ものづくりにおけるギルド(Guild)

ギルド(Guild)とは、中世のヨーロッパの都市で発達した親方、職人、従弟じゅうていからなる商工業者の特権的同業団体を表します。

商工業の同職仲間(同じ仕事をしている仲間)であるギルドと同じような団体は、中世のイスラム世界や中国、日本など世界中の国々においてもみられました。 続きを読む

古代ギリシャにおける染織と服飾

古代ギリシャは、他国との交易が盛んに行われ、染織品においても麻織物を生産したエジプトや西アジアの毛織物などの影響を受けていたと考えられます。

古代ギリシャ時代の染織については、その遺品を見ることができないため、壁画や彫刻などに表現されている服装や古文書における記述、周辺地域の状況などから推測するしかありません。 続きを読む

小葵地桐竹鳳凰文二重織物表着

デザインにおける桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)

桐竹鳳凰文きりたけほうおうもんは、有職文様ゆうそくもんようの一つで、洲浜に生い立つきりと竹に飛翔する鳳凰ほうおうがデザインされた模様(文様)です。

有職文様ゆうそくもんようとは、平安時代以降の公家社会において装束や調度、輿車よしゃ、建築などに用いられた伝統的な模様(文様)です。

鳳凰ほうおう(Chinese phoenix)は、中国統治した五帝の最初の聖帝とされる黄帝こうていが、南苑なんえんで祭りをしたときに現れたとされる幻獣です。 続きを読む

「金銀襴緞子等縫合胴服(きんぎんらんどんすとうぬいあわせどうふく)」伝 上杉謙信 上杉景勝所用/上杉神社

布の切継ぎ(きりつぎ)・裂仕立・縫合せ、寄裂文様について

色や柄の異なる二種類以上のきれを接ぎ合わせて一枚の衣服を仕上げる手法を「切継ぎ」や「裂仕立」、「縫合せ」などといいます。

布の接ぎ合わせ方には、布目を合わせて細かく返し針で縫っていく方法や、つなぎ合わせる部分に別の布を細かく挟んでパイピングのようにする方法などがあります。
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ファッション・服飾におけるキルト(quilt)の特徴や歴史。キルティング(quilting)のメリットとデメリットについて

キルト(quilt)とは、2枚の布の間に綿(ワタ)や毛、羽毛などの詰めものをいれ、そのままでは中で詰めものがズレてしまうため、表から要所に抑え縫い(キルティング(quilting))している生地を表します。

縫い合わせた生地を、「キルティング(quilting)生地」ともいい、基本的には「キルト」と「キルディング」の用語には違いはありません。 続きを読む

金彩(きんだみ)とは?金彩の技法や加工技術、金属材料の種類や使用する糊料、道具について

金彩きんだみとは、文字の通り「金」で「いろどる」金加工のことを表し、細工物にはく金泥きんでいで装飾する技法です

金彩きんだみの技術を簡単に言うと、繊維の上に金属を糊料こりょうで接着する技術ということになります。

金彩きんだみと同じ金加工の技法に、印金いんきんがあります。

印金いんきんは、しゃなどの薄手の生地に加工し、袈裟けさ表具ひょうぐ、仏具に主な使途がありました。

白繻子地桔梗模様摺箔-Noh Costume (Surihaku) with Chinese Bellflowers MET DP217601

白繻子地桔梗模様摺箔,Metropolitan Museum of Art, CC0, via Wikimedia Commons,Link

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インド更紗

更紗(さらさ)とは?基本的な染色方法と装飾加工。インド更紗における主な植物染料について

更紗さらさとは、16世紀以降、ポルトガルやオランダ、イギリスなどのいわゆる南蛮船なんばんせんが運んできた、インドや東南アジアの模様染めされた布を指して呼ばれたものです。

更紗といえば、木綿に東南アジアやインド的な模様を細かく模様染めされた布を指していることが多いです。 続きを読む