色合い」カテゴリーアーカイブ

染色・草木染めにおける胡桃(くるみ)。オニグルミ(くるみ)の染色方法について

胡桃くるみは、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称です。

古くから胡桃と呼ぶのは、「鬼胡桃(オニグルミ)」を示すこと多く、日本列島に自生しているクルミの大半はオニグルミ(学名:Juglans mandshurica var. sachalinensis)です。

樹皮は、暗灰色あんかいしょくで縦に大きく割れ目が入ります。

4月〜6月にかけて若葉とともに花をつけ、その後に仮果かか(外皮)とよばれる実を付けます。

オニグルミ,Juglans mandshurica var. sachalinensis 03

オニグルミ,Σ64, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

仮果かか(外皮)の中に核果かくかが有り、その内側の種子(じん)を食用にする。

胡桃くるみ(オニグルミ)の青い仮果かかの皮や緑葉、樹皮などが染料に使用されます続きを読む

染色・草木染めにおける桑染(くわぞめ)

くわは、クワ科の落葉喬木きょうぼくで中国において古代染料の一つとして使用され、漢方にも用いられてきました。

幹は直立して高さ10メートルほどにも成長しますが、栽培種は毎年、木の枝が刈られるので低い木にみえます。

葉はかいこの重要な飼料となります。
続きを読む

藍鳶(あいとび)色

染色、色合いにおける紫鳶・紺鳶・藍鳶・黒鳶

鳶色とびいろと呼ばれる色は、鳶(トビ)の羽毛の色のような赤暗い茶褐色のことを表します。

とびは人里の近くでも飛び回り、江戸時代に生きた人々にとっても馴染みのある鳥でした。

鳶色とびいろは、江戸時代初期ごろから、茶系統を代表する色の一つとして扱われていました。

鳶色とびいろから派生し、「紫鳶」、「紺鳶」「藍鳶」「黒鳶」など、「鳶」の付く色名がさまざま生まれ、染色がおこなわれてきました。

鳶色とびいろを染める材料としては、蘇枋すおう(蘇芳)がよく用いられていました。
続きを読む

染色・草木染めにおける紅花(べにばな)。薬用効果や歴史について

紅花べにばな(学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属で花弁かべんを植物染料にします。

秋に種をまいて、冬を越して春になってから開花、結実してから枯れる越年草えつねんそう(二年草)として生育したり、寒い地域では一年草として春早い時期に種をまく場合もあります。

紅色の染料としての用途のみならず、食用油の原料としても栽培されています。

紅花,Carthamus tinctorius 050709b

紅花,Carthamus tinctorius,Pseudoanas, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

続きを読む

兼房染(けんぼうぞめ)とは何か?梅皮を鉄媒染した黒梅染について

兼房染けんぼうぞめとは、黒梅染くろうめぞめのことをいい、加賀染かがぞめ(加賀御国染おくにぞめ)ともいわれていました。

黒梅染とは、紅梅こうばいの樹皮や根をせんじた汁で染めたものやその色の中でも、特に赤み黒ずんだ茶色のものを指していいます。 続きを読む

西陣織(にしじんおり)

京都における染色加工である「京染(きょうぞめ)」

地方における染色加工に対して、京都における染色加工は「京染きょうぞめ」という名称が付けられてました。

京都における染色加工である「京染(きょうぞめ)」

染色において、京都は歴史のある生産地であり、江戸時代から「京染」や「京染物」などと称されました。

各地方でその土地の気候や風土、生育した草根木皮そうこんもくひ(草の根と木の皮)などを用いた特産の染めがありました。

京都における染色の特色としては、白生地を小袖模様(文様もんよう)に染めることで、地染めでは紅染と紫染めの特技とされました。

古くから染めの種類によって細かく分業になっていたことから、加工業者と流通業者を取り持つ調整役となっていた悉皆業しっかいぎょうを営む悉皆屋しっかいやは、さまざまな状況に対応しながら顧客の需要を満たしていました。 続きを読む

染色・草木染めにおける黄檗(きはだ)。黄檗の歴史と薬用効果、染色方法の一例について

黄檗きはだ(学名 Phellodendron amurense RUPR.)は日本各地の山地に自生するみかん科の落葉高木です。

幹の外皮は厚く、外皮の内側の内皮が黄色いため、古くから黄色を染める染料に使用されてきました。

飛鳥時代の染織品の中で、緑色系のものの多くは、藍染した上から黄檗きはだで染め重ねたものとされています。

Phellodendron amurense Korkowiec amurski 2019-05-24 05

黄檗,キハダ,Phellodendron amurense RUPR.,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

続きを読む

黄八丈(きはちじょう)

黄八丈(きはちじょう)とは?八丈島の絹織物である黄八丈の歴史と染色技法について

黄八丈きはちじょうとは、主に草木染めで染められた黄色・樺色かばいろ・黒色の三色の糸を使って、さまざまな縞模様を織り出す絹織物のことです。

黄八丈きはちじょうは、広い意味で茶系統の鳶八丈とびはちじょうや黒系統の黒八丈くろはちじょうを含めた、八丈島で生産されたつむぎを総称しています。

全体的に渋く、味わいのある色合いであるため、絹織物らしい光沢感は抑えられます。

染色の工程で、乾燥のために長い日数を八丈島の強い直射日光にさらすため、堅牢度けんろうどが良く変色したり退色しづらい特徴があります。

黄八丈きはちじょうは、たくさん使われ、洗われることで、年を経るにつれて、より一層色合いが冴えてくるともいわれたりします。 続きを読む