草木染めにおいて、鼠色ほど、多くの植物で染められる色もありません。
鼠色にも、色の幅があり、青味、紫味、赤味、茶味などを帯びた鼠色があり、それぞれ多くの色名がつけられました。 続きを読む
草木染めにおいて、鼠色ほど、多くの植物で染められる色もありません。
鼠色にも、色の幅があり、青味、紫味、赤味、茶味などを帯びた鼠色があり、それぞれ多くの色名がつけられました。 続きを読む
青縞と呼ばれる藍染された布は、埼玉県の北東部に位置する加須市や羽生市を中心に盛んに織られていた生地です。
青縞と呼ばれる理由としては、綿糸を藍染し、染め上がった糸を織ると、染めムラが独特の縞模様に見えることからその名前があります。
青縞は、仕事着である野良着や股引、脚絆、足袋などに使用され、江戸時代は主に農家の副業として青縞が生産されていました。
尾州紺木綿『江戸・明治藍の手染め』愛知県郷土資料刊行会
天明年間(1781年〜1789年)に北埼玉郡騎西町付近(現在の加須市)で農家の副業として織られたことから、この土地の名前に由来し私市縞と呼ばれたようです。
明治以降は織物をつくる事業家(機業家)によって、生産、発展してきました。
元々は、天然藍のみが使用されていましたが、明治30年(1897年)頃からは、化学藍(インディゴピュア)が使用され始めました。
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紫色は、その希少性から世界中のさまざまな場所で、高貴な色・尊い色に位置付けられていました。
地中海沿岸では貝紫(Royal purple)による紫の染色があり、その希少性から王侯貴族を象徴する色とされて、ギリシャやローマへと受け継がれました。
貝紫は、アクキガイ科に属した巻貝のパープル腺と呼ばれる分泌腺からとれる染料で、西洋では珍重されていました。
貝紫,染めた生地と対応する貝,Exhibit of the Museum of Natural History in Vienna,Photograph: U.Name.MeDerivative work: TeKaBe, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link
沖縄における絣織物(琉球絣)には、独特な幾何学文様があります。
線で構成したこれらの絣柄は、18世紀後半の御絵図帳で高度に完成したと考えられます。
「御絵図帳」とは、琉球王国における首里王府の絵師たちによってまとめられた絣の図案集です。
「御絵図帳」とは、琉球絣が貴重な貿易商品だった時代、王国に収める貢納布を織らせるために模様や染色などを細かく指定したものです。 続きを読む
辛夷(学名Magnolia kobus DC.)バラ科リンゴ属の落葉樹で、樹高は3~10m程度になります。
属名のMagnoliahahaはフランスの植物学者P.Magnolの名前からきており、種名のkobusは、和名のコブシに由来しています。
辛夷は、3月下旬から4月上旬にかけて、雑木に混じって枝一面に白い花を咲かせることから、春の訪れを告げる花として知られています。 続きを読む
綿花は、種類によって採れる繊維の長さが違います。
大きくわけると、エジプト綿やスーダン綿の系統は超長繊維綿で、アメリカ綿に代表されるアンプラント綿は中長繊維綿、アジア在来種のデシ綿は短繊維綿に分類できます。
綿の繊維の長さは、糸にするときにその糸の細さに大きく関係してきます。 続きを読む
臭木(Clerodendrum trichotomum)は、日本や中国、台湾に分布しているシソ科の落葉低木で、日当たりのよい場所で良く見られ、生長すると2m〜5mほどになります。
属名(学名の前半の部分)のClerodendrumは、ギリシャ語のKleros(運命)とdendron(木)の合字で「運命の木」という意味です。「運命の木」となったのは、ある種類が呪術に用いられたり、医薬として効果があることに由来するという説があります。
クサギ属(Clerodendrum)は、熱帯や亜熱帯地域に分布しており、欧米では花の美しいものは古くから観賞用や庭木にされています。
木の枝や葉をちぎると独特なにおいがするので、臭木という和名がつけられています。臭木の漢名は、臭梧桐で、葉っぱの形が桐の葉を小さくしたように見えることから由来しています。
臭木,I, KENPEI, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link
8月〜9月にかけて枝先に白色〜薄い紅色の花が咲き、花が散ったあとに丸く紫みを帯びた濃い青色の果実が熟します。 続きを読む