染色におけるハイドロサルファイト(Hydrosulfite)とは?


ハイドロサルファイト(Hydrosulfite)とは、亜ジチオン酸ナトリウム(化学式:Na2S2O4)の通称です。

ハイドロサルファイト(Hydrosulfite)は、乾燥状態では安定していますが、空気中の湿気を吸収して次第に分解していきます。

新くてさらさらしている状態のものであれば問題ありませんが、保管状態が悪いものや時間が経って古くなったものは、使用する際の効果が薄れてしまうため、注意が必要です。

染色におけるハイドロサルファイト(Hydrosulfite)

ハイドロサルファイト(Hydrosulfite)は、水に対する溶解度(溶けやすさ)は、20℃で100mlの容量の水溶液に対して、22gほど溶けます。(22g/100ml(20℃))

水溶液は不安定ですが、アルカリ性にすると比較的安定的に還元作用を示し、酸性度が高いほど速く分解します。

アルカリ性の液にするためには、苛性かせいソーダがよく用いられます。

染色においては、水に溶けない(不溶性ふようせい)の染料を還元かんげんして可溶性かようせいのアルカリ金属塩にするなどの利用があります。

例えば、藍の建染めの際に、水に不溶なインディゴを可溶化させるために用いられるように、建染め染料の還元剤かんげんざいとしての役割があるのです。

天然発酵の藍染においては、液中に生きている菌が発酵はっこう(活動する)ことによって、色素が液中に溶けますが、ハイドロサルファイトなどの還元剤かんげんざいを使用すれば、簡単に染まるようになります。

ジーンズなどのインディゴ染めには、ハイドロサルファイトなどの還元剤かんげんざいは欠かすことができません。

また、絹や羊毛繊維の漂白や、木綿繊維に染まった染料の抜染など、さまざまな場面で使用されています。

漂白剤としての作用は、酸化による漂白剤(過酸化水素など)よりは穏やかです。


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