投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

「小袖 白黒紅染分綸子地熨斗藤模様」慶長小袖(けちょうこどで)地無し

模様染めのデザインにおける地無(じなし)

模様染めにおいて、「地無じなし」という言葉があります。

小袖こそでの全面に細やかな刺繍ししゅう鹿子絞かのこしり、摺箔すりはくなどの技法を用いて、単独、もしくは併用して地の部分が見えないほど一面に文様(模様)表現されたものを「地無じなし」と呼びました。

小袖こそでは、現在の「きもの」の原型にあたるもので、その名の通り袖口が狭く詰まった仕立てになっています。
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桑の葉を食べる蚕(かいこ)

シルク(絹)を生み出す蚕(かいこ)の一生

人類は、紀元前からかいこが吐き出す絹糸(シルク糸)を利用してきました。

中国においては、長きにわたって絹に関する技術は国外秘にされていましたが、絹織物は、古代ギリシャのアレクサンダー大王(紀元前356年〜紀元前323年)の頃から絹の交易の道であったシルクロードを通じて輸出されていました。

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桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん),鳳凰がデザインされた

デザインにおける桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)

桐竹鳳凰文きりたけほうおうもんは、有職文様ゆうそくもんようの一つで、洲浜に生い立つきりに飛翔する鳳凰ほうおうがデザインされた模様(文様)です。

有職文様ゆうそくもんようとは、平安時代以降の公家社会において装束や調度、輿車よしゃ、建築などに用いられた伝統的な模様(文様)です。

鳳凰ほうおう(Chinese phoenix)は、中国統治した五帝の最初の聖帝とされる黄帝こうていが、南苑なんえんで祭りをしたときに現れたとされる幻獣です。 続きを読む

瓢箪文(ひょうたんもん)

デザインにおける瓢箪・瓢箪文(ひょうたんもん)

瓢箪ひょうたんは、古くから実用品として水や酒を入れる容器として用いられてきました。

瓢箪ひょうたんは末広がりの形状をしているため、縁起が良いものとされ、独特のくびれた実の形のおもしろさから、「瓢箪文ひょうたんもん」として古くから文様(模様)表現としても人々に親しまれてきました。
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葡萄唐草(ぶどうからくさ)がデザインされた伊勢型紙

デザインにおける葡萄唐草(ぶどうからくさ)

葡萄ぶどう(ブドウ)は、乾燥した土地でも育ち、ワインの原料にもなるため、人類にとって日常生活に欠かせない果物として扱われてきました。

紀元前1425年ごろに製作された、エジプト第18王朝時代の「ブドウ摘み」と題する壁画があります。

二人の男がブドウ棚からブドウを摘んでいる図で、この頃にはすでに栽培が農作業として行われていたことがわかります。

ぶどう(葡萄),Edle Weinrebe, 'Vitis vinifera' subsp. 'vinifera

ぶどう(葡萄),eflon (Alex from Ithaca, NY), CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons,Link

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錐彫りされた伊勢型紙を使用して染められた松葉文(まつばもん)

デザインにおける松・松文(まつもん)。松毬文、松皮菱文、松葉文、老松文、若松文について

中国では古くから松は風雪に耐え、極寒にも常緑を保つ節操高いものとされ、神仙思想しんせんしそう(不老不死の神仙となって神仙の住まう理想世界に住むことを希求する思想)と結合し、延年長寿の印とされてきました。

これが日本に導入され、松は儒教的な倫理と開運・延命長寿など吉祥きっしょうの象徴とされていました。 続きを読む

立湧文(たてわくもん),伊勢型紙

デザインにおける立涌文(たてわくもん)・雲立湧(くもたてわく)

立涌文たてわくもんは、「たちわきもん」ともいわれ、日本でも古くから使用されている代表的な文様(模様)のひとつです。

相対する二本の線の中間がふくれ、両端がすぼまった形の線が並列した柄となっています。

立涌文たてわくもんは、基本的な形は単純ですが、広く応用されながら模様が表現されてきました。
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熨斗文(のしもん)

デザインにおける熨斗文(のしもん)

現代において、熨斗のしと聞くと、結婚式などの祝い事の際に贈る祝儀や贈答品の包装の上から右肩に添えてある飾りのことイメージするかと思います。

もともと熨斗のしという言葉は、不老長寿の象徴とされた貝の鮑(アワビ)の肉を薄く伸ばして干した加工品である「熨斗鮑のしあわび」に由来します。

熨斗鮑のしあわびを紙の間に挟み、贈答品に添えることで、相手の繁栄や延寿えんじゅ(長生き)の意味が込められました。

この熨斗鮑のしあわびを文様化(模様化)したものが、「熨斗文のしもん」です。 続きを読む