投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

嵐絞り,有松絞り,絞り染め

日本における絞り染めの歴史。絞り染めの染色技法や種類について

絞り染めとは、部分的に布に染まらない部分を作る防染の技術です。

布の一部を糸で強く巻き締める「巻き締め」や、針と糸で布を縫い、その糸を引き締めることによって防染する「縫締め」と呼ばれるものが基本的な技法です。

竹皮やビニールなどの防水性のあるものを使用して括ったり、棒などに布を巻きつけて防染する方法などもあります。

絞り染めは日本のみならず、インドや中国の国々をはじめ、中南米、東南アジア、アフリカなど世界中で行われ、さまざま柄が染められていました。 続きを読む

裂織(裂き織り)された布

裂き織り(さきおり)とは?裂織の方法と裂き布の作り方について

織物は、経糸たていと緯糸よこいとが互いに交差しあってできる布ですが、織り込もうと思えば、大抵どのようなものでも緯糸として使用できます。

例えば、和紙やイネ科の多年草であるよし、ヤシ科のツル性植物であるとう、木の皮などを糸にして緯糸に織り込んでいる織物などさまざまあります。 続きを読む

蓼藍(タデアイ)

草木染め・植物染色の薬用効果と抗菌作用。祈念と薬用効果を求めて、薬草を使った染色が古代に始まる

人類は、古くから自然の植物から色を獲得して、自ら身にまとう布に対して染色をおこなってきました。

古代の人々が、まずは目の前にある、色のついた土や植物から色を獲得してきたというのは容易に想像ができます。

ただ、古代に始まった染色は色をつけるためだけのものではありませんでした。

もともとは、自分の身を守るための薬用効果を求めてはじまったとされているのです。 続きを読む

楊梅(やまもも)で染めた色合いの一例

染色・草木染めにおける楊梅(やまもも)・渋木(しぶき)。薬用効果や歴史について

やまももは、漢字で楊梅やまももと書き、中国や日本を原産とするヤマモモ科の常緑広葉樹です。

徳島県では、「県の木」に指定されており、高知県では「県の花」になっています。

草木染めにも使用される楊梅やまももについて、薬用効果や歴史を踏まえながら紹介します。 続きを読む

縞織物

縞織物の種類。海外から舶来した縞織物の歴史について

日本では室町時代頃から茶の湯が行われ、茶人達は海外から舶来はくらいした珍しいきれを競って入手しようとしていました。

朝鮮や中国、ポルトガルやオランダなどの船によって、インドや東南アジア、ヨーロッパなど、様々な国から珍しい織物が運ばれ、とりわけ縞柄の織物が人々の間で人気を博しました。

縞織物は基本的に、縦縞(竪縞たてじま)、横縞よこじま格子縞こうしじまの3種類のうちのどれかに当てはまります。

用いられている色の素材や糸の太細、緻密さ、配色、縞の幅の広狭こうきょう、金銀糸の使用、紋織もんおりの併用など、ありとあらゆるの縞織物が存在します。
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白地紋尽文厚板 能装束(のうしょうぞく)

装束(しょうぞく)とは?一定の格式や慣習にかなった衣服、およびその装い

装束しょうぞくという言葉は、体の保護や威厳を示すために身にまとうものを意味しますが、特に一定の格式にかなった衣服、およびその装いを表します。

宝亀ほうき11年(780年)に書かれた『西大寺資材流記帳せいだいじしざいるきちょう』の780年の項には、「羅陵王装束・・・・」とあったり、平安時代中期の10世紀後半に成立した日本最古の長編物語である「うつほ物語(宇津保物語)」には、「夏冬のしゃうぞく・・・女のしゃうぞくきよげにしゃうぞく・・・」などとの記載があるなど、古くから「装束」という言葉が使用されていたことがわかります。 続きを読む