投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

黄八丈(きはちじょう)

黄八丈(きはちじょう)とは?八丈島の絹織物である黄八丈の歴史と染色技法について

黄八丈きはちじょうとは、主に草木染めで染められた黄色・樺色かばいろ・黒色の三色の糸を使って、さまざまな縞模様を織り出す絹織物のことです。

黄八丈きはちじょうは、広い意味で茶系統の鳶八丈とびはちじょうや黒系統の黒八丈くろはちじょうを含めた、八丈島で生産されたつむぎを総称しています。

全体的に渋く、味わいのある色合いであるため、絹織物らしい光沢感は抑えられます。

染色の工程で、乾燥のために長い日数を八丈島の強い直射日光にさらすため、堅牢度けんろうどが良く変色したり退色しづらい特徴があります。

黄八丈きはちじょうは、たくさん使われ、洗われることで、年を経るにつれて、より一層色合いが冴えてくるともいわれたりします。 続きを読む

絵絣(えがすり)文様,「二筋格子棒縞に豊作祝儀文様(米俵に鼠、扇面、笠松)」

絵絣(えがすり)とは?絵絣の起源や模様(文様)について

絵絣えがすりとは、絣糸によって絵模様(文様もんよう)を織り出した絣織の一種です。

鳥取県の出雲広瀬、弓ヶ浜、倉吉くらよしなどの山陰地方で多く製造され、福岡県の久留米なども、絵絣えがすりの産地として知られていました。

絵絣えがすり」という名前自体は、昭和7年(1932年)〜昭和10年(1935年)ごろに、柳宗悦やなぎむねよしを中心に集まった初期民芸運動の人々の間で生まれ、定着していったと考えられます。 続きを読む

裂織(裂き織り)された布

裂き織り(さきおり)とは?裂織の方法と裂き布の作り方について

織物は、経糸たていと緯糸よこいとが互いに交差しあってできる布ですが、織り込もうと思えば、大抵どのようなものでも緯糸として使用できます。

例えば、和紙やイネ科の多年草であるよし、ヤシ科のツル性植物であるとう、木の皮などを糸にして緯糸に織り込んでいる織物などさまざまあります。 続きを読む

蓼藍(タデアイ)

草木染め・植物染色の薬用効果と抗菌作用。祈念と薬用効果を求めて、薬草を使った染色が古代に始まる

人類は、古くから自然の植物から色を獲得して、自ら身にまとう布に対して染色をおこなってきました。

古代の人々が、まずは目の前にある、色のついた土や植物から色を獲得してきたというのは容易に想像ができます。

ただ、古代に始まった染色は色をつけるためだけのものではありませんでした。

もともとは、自分の身を守るための薬用効果を求めてはじまったとされているのです。 続きを読む

楊梅(やまもも)で染めた色合いの一例

染色・草木染めにおける楊梅(やまもも)・渋木(しぶき)。薬用効果や歴史について

やまももは、漢字で楊梅やまももと書き、中国や日本を原産とするヤマモモ科の常緑広葉樹です。

徳島県では、「県の木」に指定されており、高知県では「県の花」になっています。

草木染めにも使用される楊梅やまももについて、薬用効果や歴史を踏まえながら紹介します。 続きを読む

縞織物

縞織物の種類。海外から舶来した縞織物の歴史について

日本では室町時代頃から茶の湯が行われ、茶人達は海外から舶来はくらいした珍しいきれを競って入手しようとしていました。

朝鮮や中国、ポルトガルやオランダなどの船によって、インドや東南アジア、ヨーロッパなど、様々な国から珍しい織物が運ばれ、とりわけ縞柄の織物が人々の間で人気を博しました。

縞織物は基本的に、縦縞(竪縞たてじま)、横縞よこじま格子縞こうしじまの3種類のうちのどれかに当てはまります。

用いられている色の素材や糸の太細、緻密さ、配色、縞の幅の広狭こうきょう、金銀糸の使用、紋織もんおりの併用など、ありとあらゆるの縞織物が存在します。
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