投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

縹色、花田色の色合いの例

藍染された色合いである縹色(はなだいろ)・花田色

藍は、古くから世界各地で使用され、人々に一番愛されてきたともいえる植物染料です。

日本において、藍染された色は一番薄い藍白あいじろから、一番濃い留紺とめこんまで、「藍四十八色あいしじゅうはっしょく」と呼ばれるほど多くの色味があり、それぞれ名前がつけられていました。

それぞれの藍色に名前をつけて区別をしようと思えるほど、藍色を見る目を昔の人々が持っていた・・・・・・・・・・・・・・・ともいえます。

日本の伝統色とされる数々の色の中でも、藍色、紅色、紫色の3つの色は歴史や色の豊富さなど、日本人にとってとりわけ関わりが深く、日本を代表する色であったといえます。

藍染で濃く染めることによって布自体の丈夫さが高くなり、また縁起の良いものとされていたため、古く、武将が好んで濃色に藍染された衣類を着用していました。

一方、藍染された淡い色も人々には好まれ、京都においては「京の水藍みずあい」という言葉が江戸時代の文献に残っており、色合いがあざやかで品質が高かったとされ、水藍の色は京浅葱きょうあさぎ(淡い水色)とたたえられていました。 続きを読む

科布(しなふ)(榀布)

科布(しなふ)とは?科布(榀布)の生産工程について

原始古代布といわれるものの一つに、科布しなふ(榀布)があります。

科布しなふ(しなぬの)は、東北地方の各地で昭和初期ごろまで盛んに織られていました。

藤蔓ふじつるで作る藤布ふじぬのくづつるで作る葛布くずふなどと同じように、科布しなふは1000年以上の歴史をもつ織物といわれています。 続きを読む

染色・草木染めにおけるモッコク(木斛)

モッコク(学名:Ternstroemia gymnanthera)は、モッコク科モッコク属の常緑樹で、樹高は6m〜10mを越えるほどにも成長します。

病虫害に強く、葉に光沢があり美しく、樹形が整うため、公園の樹木や、庭木として古くから武家屋敷などに植えられてきました。

花の香りがラン科の石斛せっこくに似た木という意味で、江戸時代初期に「木斛もっこく」と名づけられました。

モッコク(木斛もっこく)の材はきめが細かくで細工物に向いており、堅くて美しい赤褐色せっかっしょくをおびる材を建材やくしなどの木工品の素材として用いられています。

木材が赤いため、「アカギ」という別名もあります。

モッコク(木斛)Ternstroemia gymnanthera kz1

モッコク(木斛)Ternstroemia gymnanthera,Krzysztof Ziarnek, Kenraiz, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

樹皮は、繊維を茶色に染める染料として利用されてきました。

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茜染め(絞り)

染色・草木染めにおける茜(あかね)。茜染に用いた茜の種類や染色方法、歴史について

あかね(学名:Rubia argyi)は、アカネ科アカネ属のつる性多年生植物で、日本においては、赤色を染めた最初の染料と一つと考えられています。

あかねは、根っこが赤い色をしており、根っこの煎汁せんじゅうによって染色された赤い色合いは、古来「赤根」と呼ばれていたのです。

あかねは、植物名と染色名が同じであり、例えば「むらさき」と「紫草むらさき」、「べに」と「紅花べにばな」、「きはだいろ」と「黄檗きはだ」など、非常に古くから染色と関係性があったこと名前からもわかります。

現在、日本においてあかねを大量に入手することは難しく、もっぱら染料店で購入できるインド茜や西洋茜が染色に使用される場合が多いです。 続きを読む

デザインという概念・思想のはじまり。デザインの本質は、モノに意味を与えること

デザインという概念の発生は、社会思想家のジョン・ラスキンや思想家であり芸術運動家であったウィリアム・モリスの思想がその源流として考えられています。

19世紀半ば、イギリスで産業革命がおこります。綿織物の製造における紡績機の開発、製鉄業の成長、蒸気機関の開発による動力源の改革、蒸気船や鉄道が発明されたことによる交通革命等、人の手ではなく、産業機械の発明と発展が大きく経済を動かし始めたのです。

初期の機械生産は、いいかげんで大ざっぱなものづくりであり、品質的には人の手が生み出すものと比べると、非常に劣るものでした。

そんな中、異常な速度で「下手なもの」が量産されていき、伝統的に手仕事が育んできた生活や文化、美意識をも奪っていくような機械生産に、意義を唱える人々も少なくありませんでした。

その代表的な人物が、ジョン・ラスキンとウィリアム・モリスです。 続きを読む

ポリエステル65%,綿35%,混紡,特徴,黄金比率(黄金ブレンド)

綿とポリエステルを混紡した黄金ブレンド(黄金比率)。ポリエステル65%綿35%の素材的特徴、長所と短所について

綿(cotton)とポリエステル(polyester)は、衣類にもっとも多く使われている繊維です。

結論から言うと、どちらが優れているかではなく、「どんな用途で使うか」によって最適な素材は変わります。

肌ざわりや吸水性を重視するなら綿、シワになりにくさや乾きやすさを求めるならポリエステル。

さらに両者を組み合わせた混紡素材は、それぞれの欠点を補い合う、非常に実用性の高い素材です。

この記事では、綿とポリエステルの違い、混紡比率ごとの特徴、用途別の選び方を解説します。
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黄連(おうれん)

染色・草木染めにおける黄連(おうれん)。黄連(おうれん)の染色方法や薬用効果について

黄連おうれん(学名Coptis japonica Makino)は、キンポウゲ科オウレン属で常緑多年草の薬用植物です。

葉には光沢感があり、セリに似ており、早春に根茎こんけいから芽を出し、3〜4月ごろに根元から高さ10cmほどの花茎かけいを出し、数個の白い花を付けます。

地下茎ちかけいはやや太く、中は黄色で横にのび、たくさんの根を出します。

Coptis japonica var. anemonifolia 2

Coptis japonica,Qwert1234, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

9〜11月頃に、根茎こんけいを採取して細い根を除いて乾燥させたものが生薬の「黄連おうれん」です。

黄連おうれんの語源は、根茎こんけいが節状に連なり、横断面が鮮やかな黄色であることから「黄連おうれん」と呼ばれる説があります。 続きを読む

絣柄に彫られた伊勢型紙,絣型染(かすりかたぞめ)

型染めで絣模様を表現する絣型染(かすりかたぞめ)・常磐紺形染(ときわこんがたぞめ)。絣形に彫られた型紙を使用した型染め技法について

現在の福岡県の久留米における久留米絣くるめがすりや愛媛県の伊予絣いよがすりなど、絣織物の産地が日本各地にありました。

糸をヒモで括って部分的に防染した絣糸かすりいとを用い、織りによって絣の模様(文様)を表現するのが通常の絣の織物です。

織りで模様(文様)が表現された一般的な絣(絵絣),松竹梅文

織りで模様(文様)が表現された一般的な絣(絵絣),松竹梅文

ただ、絣産地がなかった東北地方においては、絣形に彫られた型紙を使用した型染めを行うことで、「絣模様」を表現するという工夫がされていました。 続きを読む