投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

デザインという概念・思想のはじまり。デザインの本質は、モノに意味を与えること

デザインという概念の発生は、社会思想家のジョン・ラスキンや思想家であり芸術運動家であったウィリアム・モリスの思想がその源流として考えられています。

19世紀半ば、イギリスで産業革命がおこります。綿織物の製造における紡績機の開発、製鉄業の成長、蒸気機関の開発による動力源の改革、蒸気船や鉄道が発明されたことによる交通革命等、人の手ではなく、産業機械の発明と発展が大きく経済を動かし始めたのです。

初期の機械生産は、いいかげんで大ざっぱなものづくりであり、品質的には人の手が生み出すものと比べると、非常に劣るものでした。

そんな中、異常な速度で「下手なもの」が量産されていき、伝統的に手仕事が育んできた生活や文化、美意識をも奪っていくような機械生産に、意義を唱える人々も少なくありませんでした。

その代表的な人物が、ジョン・ラスキンとウィリアム・モリスです。 続きを読む

豆汁(ごじる),呉汁(ごじる)

顔料を定着させる方法。豆汁(ごじる)、膠(にかわ)、蜜蝋(みつろう)などの膠着剤(こうちゃくざい)について

顔料は、科学的に染め付くのではなく、物理的に染めつけることで色が定着します。

顔料は、水に溶けない不溶性のため、膠着剤こうちゃくざいと呼ばれる顔料を染める対象物に付着されるための助剤が必要になるのです。
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染織におけるタペストリー(Tapestry)の特徴について

タペストリーは、模様(文様)に応じて緯糸を下絵にしたがって織り上げた綴織つづれおりの一種です。

綴織つづれおりは、織りたい図柄の下絵を、つづれ機に張った経糸の下にあてがいながら、平織の組織で経糸に地緯糸じぬきいと絵緯糸えぬきいとを織り込み、図柄を織り表していきます。

タペストリーは、古代ローマ時代から建築や宮殿を飾ったといわれ、中世以後、フランスのフランドルを中心として発達していきました。 続きを読む

越後上布(えちごじょうふ)

上布(じょうふ)とは?上布の産地や特徴について

上布じょうふとは、苧麻ちょま(からむし)の糸を用いて平織りにした上質な麻布のこといい、もともとは中布、下布に対して上質な苧麻布を表す言葉として使用されていました。

糸が細く、織りあがった布が薄手であればあるほど上質なものとされ、越後上布(えちごじょうふ)や奈良晒(ならざらし)、近江上布(おうみじょうふ)や能登上布(のとじょうふ)、宮古上布(みやこじょうふ)や八重山上布(やえやまじょうふ)などが良く知られています。

上布じょうふは、主に夏物の着尺地きじゃくじ(大人用の着物1枚を作るのに要する布地)として最高級のものとされ、白生地、紺無地、縞物しまものかすりなどがあります。 続きを読む

シャム更紗とは?暹羅(タイ)から輸入された更紗について

タイの現在の正式国名は、タイ王国(ラーチャ・アナチャク・タイ The Kingdom of Thailand)ですが、20世紀初頭までの国名は「シャム」でした。

「シャム」(syama)は、サンスクリット語由来とされますが、他国からのいわば他称に基づくものであったため、1938年に近代国家へと進んでいくなかでタイ族の国民国家として「タイ」に改称されたのです。

日本では「暹羅」と書かれシャムと呼び、14世紀頃から600年~700年ほど続いた国の呼び名でした。 続きを読む

染色・草木染めにおける福木(フクギ)。福木(フクギ)の染色方法や薬用効果について

福木フクギ(Garcinia subelliptica)は、琉球紅型(びんがた)に使用される沖縄で有名な染料植物の一つです。

フクギの属名(Garcinia)は、フランスの植物学者ガルサン(Laurence Garcin)の名前に由来しています。

日本においては、奄美大島や沖縄、八重山諸島などに分布し、同属の植物も世界中の熱帯や亜熱帯地方に分布しています。

Garcinia subelliptica (200703)

福木,Garcinia subelliptica,E-190, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons,Link

福木の木は硬く、虫害の影響を受けにくいため、建築材に使用されてきました。

また、台風や潮風、火災、干ばつなどの厳しい環境に耐えうる強さを持っているので、沖縄では古くから防風・火が燃え移らないようにする防火を兼ねた生垣や、防潮林などとして道路や沿岸に植えられてきました。

5月〜6月ごろ黄色の花を小さく咲かせ、果実は食用にはなりませんが、球体で直径3センチくらいの大きさで、熟すと黄褐色になり、中に3、4個の種子ができます。

Fukugi Tree (Garcinia subelliptica) 1

Fukugi Tree,Mokkie, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons,Link

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