『画本東都遊』より「紺屋の図」 浅草菴(編) 葛飾北斎(画) 享和2(1802)序刊

「手を染める」の意味や語源、由来について


「手が焼ける」、「手持ち無沙汰」、「手中に収める」など、「手」にまつわる慣用句はたくさんあります。

「〇〇に手を染める」という使い方も、「手」にまつわる慣用句のひとつです。

「染める」は「初(そ)める」?

NHK文化放送研究所のWebサイトにて「気になる放送用語」として、「手を染める」の語源についての記述があります。

参照:「足を洗う」?「手を染める」?

このサイトには、「染める」は「める」と同じ語源であるという説が紹介されていました。以下、一部引用します。

一方「手を染める」のほうは、諸説ありますが、この「染める」は「める」と同じ語源だという考えがあります。「はじめる」という意味で、現代でも「書き初め・お食い初め」などのことばに残っています。「手」はいろいろな慣用句に用いられる語で、「手を染める」の「手」には、体の一部としての「手」の意味はあまりないかもしれません。

上記の指摘では、「染める」は、もともとめるからきているというのです。

つまり、何かをはじめたり、行動に移すような場面に際して、この言葉を使っていたというのは納得感のある説に思われます。

他方、諸説あるなかで「藍染」が「手を染める」の語源ではないかという説があります。

「手を染める」の語源は、藍染からきているという説

藍の液に浮かぶ華

藍の液に浮かぶ華

藍染を行う染物屋を紺屋こうや(こんや)と古くから呼びますが、紺屋こうやで働く職人たちは素手で藍染をするために、手が青く染まってしまいます。

手がしっかり青に染まってしまうと、簡単に染料を落とすことができません。

そこから、一度手を染めるとなかなかそこから抜け出すことができないというような意味で「〇〇に手を染める」という使われ方が定着していったという説があります。

現在では、「悪事に手を染める」などというように、悪いイメージの言葉と結びついて使われることが多いです。


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