染色・草木染めにおける皂莢(さいかち)


皂莢さいかち(学名:Gleditsia japonica)は、マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の落葉樹で、河原藤木カワラフジノキとも呼ばれていました。

5月〜6月頃の初夏に、枝先から黄緑色の花を大量に咲かせます。

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皂莢(さいかち)の花,Gleditsia japonica,Krzysztof Ziarnek, Kenraiz, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

幹に鋭いトゲがあることや、大型のマメができることで知られ、10月頃に成熟した豆果は長さ20cm~30cmほどにもなります。

さやには、サポニンが含まれるため、煎汁せんじゅうが古くから洗濯に使用されていたことが知られています。

かつてはせっけん用に民家に植えることがありましたが、庭木としては大きなトゲがあるため、現在あまり使用されることはありません。

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皂莢(さいかち)のトゲ,Gleditsia japonica,Nucatum amygdalarum, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

古来、木灰もくばい(きばい)から作るアルカリ性の灰汁あくに変わって、新しく発見された洗剤でした。

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サイカチという名前は、種子の漢方名である「サイカクシ(皀角子)」に由来し、「皀角子」が「西海子(さいかいし)」に転じ、さらにサイカチにな

さやは、薬としても使われてこられ、漢方名は「皂莢そうきょう」といいます。

染色・草木染めにおける皂莢(さいかち)

染色にさやを使用することで、黄色に染めることができます。

皂莢さいかちという名前は、そのさや皂色くりいろ(焦茶色のさらに黒味のある色)であることからきていると考えられます。


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