皂莢(学名:Gleditsia japonica)は、マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の落葉樹で、河原藤木とも呼ばれていました。
5月〜6月頃の初夏に、枝先から黄緑色の花を大量に咲かせます。
幹に鋭いトゲがあることや、大型のマメができることで知られ、10月頃に成熟した豆果は長さ20cm~30cmほどにもなります。
莢には、サポニンが含まれるため、煎汁が古くから洗濯に使用されていたことが知られています。
かつてはせっけん用に民家に植えることがありましたが、庭木としては大きなトゲがあるため、現在あまり使用されることはありません。
古来、木灰(きばい)から作るアルカリ性の灰汁に変わって、新しく発見された洗剤でした。
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サイカチという名前は、種子の漢方名である「サイカクシ(皀角子)」に由来し、「皀角子」が「西海子(さいかいし)」に転じ、さらにサイカチにな
莢は、薬としても使われてこられ、漢方名は「皂莢」といいます。
染色・草木染めにおける皂莢(さいかち)
染色に莢を使用することで、黄色に染めることができます。
皂莢という名前は、その莢が皂色(焦茶色のさらに黒味のある色)であることからきていると考えられます。