桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん),鳳凰がデザインされた

デザインにおける桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)

桐竹鳳凰文きりたけほうおうもんは、有職文様ゆうそくもんようの一つで、洲浜に生い立つきりに飛翔する鳳凰ほうおうがデザインされた模様(文様)です。

有職文様ゆうそくもんようとは、平安時代以降の公家社会において装束や調度、輿車よしゃ、建築などに用いられた伝統的な模様(文様)です。

鳳凰ほうおう(Chinese phoenix)は、中国統治した五帝の最初の聖帝とされる黄帝こうていが、南苑なんえんで祭りをしたときに現れたとされる幻獣です。 続きを読む

瓢箪文(ひょうたんもん)

デザインにおける瓢箪文(ひょうたんもん)

瓢箪ひょうたんは、古くから実用品として水や酒を入れる容器として用いられてきました。

瓢箪ひょうたんは末広がりの形状をしているため、縁起が良いものとされ、独特のくびれた実の形のおもしろさから、「瓢箪文ひょうたんもん」として古くから文様(模様)表現としても人々に親しまれてきました。
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桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん),鳳凰がデザインされた

デザインにおける幻獣(げんじゅう)。ペガサス、ケンタウロス、鳳凰(ほうおう)について

実際に存在はしないが幻とされる幻獣げんじゅうは、世界中で古くから人々の希望や願望をのせたものとして作り出されてきました。

ペガサスやケンタウロスなど日本人でも聞いたことがあるでしょうし、中国では鳳凰ほうおうなどが見て取れます。 続きを読む

藍染と唐草模様

日本における藍染(ジャパンブルー)の歴史。藍作・藍染が発展し、衰退していった背景について

藍染は、古くから世界中で行われてきました。

古代エジプトではミイラを包む布が藍染されており、紀元前2000年前には藍が利用されていたとされています。

藍の色素を持つ植物も多種多様で、それぞれの地域にあった植物を使用し、さまざまな方法で藍染が行われてきたのです。

藍の色素を持つ植物を科別にすると、マメ、アブラナ、キツネノマゴ、タデ、キョウトウチク、ガガイモ、マツムシソウ、モクセイ、クロウメモドキ、キク、ヒメハギ、ランなどが挙げられます。

インドにおける藍栽培の歴史は古く、古代ローマ時代にはインドで商品化されたインド藍がエジプトのアレクサンドリアを経由してローマへ輸入されていました。

アラビア商人によって、エジプトをはじめ地中海方面へと運ばれていましたが、ポルトガルのバスコダガマが南アフリカを周るインド洋航路を発見したことによって、インドにおける藍の生産はいっそう盛んになったのです。 続きを読む

葡萄唐草(ぶどうからくさ)がデザインされた伊勢型紙

デザインにおける葡萄唐草(ぶどうからくさ)

葡萄ぶどう(ブドウ)は、乾燥した土地でも育ち、ワインの原料にもなるため、人類にとって日常生活に欠かせない果物として扱われてきました。

紀元前1425年ごろに製作された、エジプト第18王朝時代の「ブドウ摘み」と題する壁画があります。

二人の男がブドウ棚からブドウを摘んでいる図で、この頃にはすでに栽培が農作業として行われていたことがわかります。

ぶどう(葡萄),Edle Weinrebe, 'Vitis vinifera' subsp. 'vinifera

ぶどう(葡萄),eflon (Alex from Ithaca, NY), CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons,Link

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錐彫りされた伊勢型紙を使用して染められた松葉文(まつばもん)

デザインにおける松文(まつもん)。松毬文、松皮菱文、松葉文、老松文、若松文について

中国では古くから松は風雪に耐え、極寒にも常緑を保つ節操高いものとされ、神仙思想しんせんしそう(不老不死の神仙となって神仙の住まう理想世界に住むことを希求する思想)と結合し、延年長寿の印とされてきました。

これが日本に導入され、松は儒教的な倫理と開運・延命長寿など吉祥きっしょうの象徴とされていました。 続きを読む

立湧文(たてわくもん),伊勢型紙

デザインにおける立涌文(たてわくもん)

立涌文たてわくもんは、「たちわきもん」ともいわれ、日本でも古くから使用されている代表的な文様(模様)のひとつです。

相対する二本の線の中間がふくれ、両端がすぼまった形の線が並列した柄となっています。

立涌文たてわくもんは、基本的な形は単純ですが、広く応用されながら模様表現されてきました。
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熨斗文(のしもん)

デザインにおける熨斗文(のしもん)

現代において、熨斗のしと聞くと、結婚式などの祝い事の際に贈る祝儀や贈答品の包装の上から右肩に添えてある飾りのことイメージするかと思います。

もともと熨斗のしという言葉は、不老長寿の象徴とされた貝の鮑(アワビ)の肉を薄く伸ばして干した加工品である「熨斗鮑のしあわび」に由来します。

熨斗鮑のしあわびを紙の間に挟み、贈答品に添えることで、相手の繁栄や延寿えんじゅ(長生き)の意味が込められました。

この熨斗鮑のしあわびを文様化(模様化)したものが、「熨斗文のしもん」です。 続きを読む

縞帳(縞帖)

縞帖(縞帳)とは?縞帖(しまちょう)の特徴から手紡ぎ糸から紡績糸へ、天然染料から化学染料への変化を読みとる

古く、機織はたおりは各家庭でおこなわれ、もっぱら女性の仕事でした。

海外から様々な縞織物しまおりものが届いたことによって、それを真似するところから始まり、徐々に日本でも独自の縞織物が生産されるようになります。

上着や一枚着として着物に縞柄が見られるようになったのは、安土桃山あづちももやま時代(1573年〜1603年)以降のようです。

江戸時代後期には、町人の間で特に好まれたのが縞柄の織物でした。
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