染色・草木染めにおける柏・槲・檞(かしわ)。薬用効果や歴史について

かしわ(学名:Quercus dentata)は、その若葉をお餅に包んだ「かしわ餅」の名前でも知られている植物です。

漢字では、かしわのほか、かしわかしわの字が当てられ(以下、かしわの表記に統一)、「ほそばがしわ」、「たちがしわ」、「もちがしわ」、「おおがしわ」など多くの異名があります。

種名の「dentata」は、葉っぱの形が、のこぎりの歯のようにぎざぎざした形状(歯状しじょう)なっていることを意味しています。
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蓼藍(タデアイ)

蓼藍(タデアイ)の種類と色素含有量について

藍染に使用できる色素を持った植物は、世界中に100種類以上あるとされています。

藍の色素を持つ植物を科別にすると、マメ、アブラナ、キツネノマゴ、タデ、キョウトウチク、ガガイモ、マツムシソウ、モクセイ、クロウメモドキ、キク、ヒメハギ、ランなどが挙げられます。

日本においては、蓼藍たであいの葉が藍染の原料とされ、沖縄では琉球藍りゅうきゅうあいが使用されてきました。

関連記事:藍染の原料となる植物の種類について
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デザインにおける梶の葉文(かじのはもん)。梶の枝と葉をかたどった模様(文様)について

かじの木(学名:Broussonetia papyrifera)は、クワ科コウゾ属の落葉高木で、単に梶(かじ)、または構(こう)などとも呼ばれます。

かじの枝からとれる繊維は、和紙の原料としても用いられてきました。

そんなかじの枝と葉をかたどった模様(文様)は、「梶の葉文(かじのはもん)」として古くからデザインに用いられてきました。 続きを読む

縞帖(1857年)(安政四年嶋染集帳)

縞帖(縞帳)とは?縞帖(しまちょう)の特徴から手紡ぎ糸から紡績糸へ、天然染料から化学染料への変化を読みとる

古く、機織はたおりは各家庭でおこなわれ、もっぱら女性の仕事でした。

縞帖しまちょう(縞帳)とは、自家用で作る織物の参考のために、使い終わった大福帳だいふくちょうの上に縞柄しまがらきれが無数に貼りつけられたものです。

縞柄のきれが貼られた縞帖しまちょうには、年号が記されたものも多く(経年劣化で解読できないものも多い)、貼り付けられた織物の年代を知る手掛かりとなります。

縞帖しまちょうの特徴から、時代の変化もみえてくるのです。

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【王朝の色】平安時代の色彩。重ね着の配色美である襲色目(かさねいろめ)と十二単(じゅうにひとえ)について

平安時代になると、文学的で優美な色名が誕生します。

王朝おうちょうの色」とも呼ばれる重ね染めを巧みに駆使しながら生まれた優雅な色彩が、元々は大陸からきた文化の影響から離れて、日本独自に発達していきました。

地位や身分を示す色を「位色いしき」の規制は名目上存在してはいますが、次第に実質的には何の意味もなさなくなり、女性の装束しょうぞくに代表されるような日本独自の繊細で美しい色彩文化が平安時代に花開くのです。

平安時代の染織品は、現在ほとんど見ることはできませんが、この時代が残した美の意識や色彩が文献の随所にあらわれており、その美の創造性を高く評価することができます。 続きを読む

エポレット(epaulet)とは?トレンチコートなどに見られる肩章(けんしょう)について

エポレット(epaulet/epaulette)とは、トレンチコートやカジュアルなジャケットなどに見られる肩章けんしょうのことで、肩線に取り付けた細くて平たい布を表します。

肩章けんしょうとは、制服や礼服などの肩の線に沿って装着される細長い布やモールなどでできた付属品で、官職や階級などを示す目印としての役割があります。

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【おすすめのミシン糸】ミシン糸の選び方と縫い糸の種類について

縫製したい生地に対して、適したミシン糸(縫い糸)を選ぶのは非常に大切です。

ミシン糸の選択は、製品の質を向上させ、縫製の良し悪しにも影響してきます。

本記事では、素材に合った正しい縫い糸の選び方と縫い糸の種類について紹介していきます。 続きを読む

デザインにおける風車(かざぐるま)

四角い紙を細工し、細い木か竹に取り付け、風で回るようにした子供のおもちゃである風車かざぐるまは、「風車文かざぐるまもん」として模様化(文様化)されました。

型友禅かたゆうぜん小紋こもんなどのデザインに、用いられてきました。

小紋こもんは、文字の通り、小形の紋様の集合を一定の間隔で繰り返し表した染め物を表します。

紋章もんしょうとしても風車は活用され、「八本骨風車紋はっぽんぼねかざぐるま」や「風車に巴紋かざぐるまにともえ」などがあります。