鯉は、古くから「川魚の王様」として知られ、鯉が龍門の急流をさかのぼって龍となるという中国の故事により、立身出世や成功を意味する縁起の良い象徴ともされてきました。
デザインにおける鯉(こい)・鯉文(こいもん)
波間に跳ねる勢いの良い姿は、男子の衣服における文様(模様)として好まれ、緯糸によって絵模様を織り出した絵絣や中型染などに多く用いられてきました。
古く、鯉が描かれた「荒磯」模様が名物裂にもみられます。
鯉の滝登り模様
鯉の滝登りをする様子は、その縁起の良さから、古くから模様化(文様化)されました。
19世紀の江戸時代後期に製作された「小袖 紫紋縮緬地鯉瀧模様」は、小袖の裾部分に非常に美しい鯉が表現されています。