捺染(プリント)とは。型紙やシルクスクリーン、捺染ロールを使って模様を染める。


捺染(プリント)とは、模様を抜いた型紙やシルクスクリーン、彫刻をいれたローラーを使って、染料を混ぜた糊料を布地にプリントして模様を出すことを表した言葉です。

捺染に使う道具や染め方について、今回は取り上げてみます。

型紙を使う

柿渋を塗った渋紙(しぶがみ)を使った捺染は、手捺染をするような友禅や沖縄の紅型(びんがた)などにおいては現在でも使われてはいますが、ほとんどがシルクスクリーンに取って替わられています。

型紙は、彫刻刀で模様を切り抜いて、紙の補強のために糸や細かい紗(しゃ)を漆(うるし)や合成漆(カシュー)でくっつけます。型紙は、昔から伊勢の白子(鈴鹿市)が、伊勢型紙の産地として有名です。

ただ、着物の需要が減ったことによって、型紙を彫る人がほとんどいなくなりました。現在では、技術を保存する方向で、技術保存会が立ち上がっています。

室内装飾、型紙LED照明、形紙あかりなどと、型紙をつかった新しい取り組みが進んでいるようです。

参照:新しい取り組み|伊勢型紙協同組合

シルクスクリーンを使う

捺染用のシルクスクリーンは、光を当てると水に溶けなくなるような感光材を、細かい網目の紗一面に薄くぬり、写真技術を利用して模様を色別に分解して焼き付けます。

指定の色の部分は、抜き取って染料が通るようにし、そのほかの色の部分は固着させます。

ローラー捺染

ローラー捺染とは、絵柄の型の彫られたローラーに捺染のりをのせ、まわしながら生地に定着させる捺染法です。

ローラー捺染用のロールは、多くが銅製で、直径13センチ前後の太さです。丸い筒の表面に彫刻することで、柄になるところは凹みになり、そこに顔料が入り、それを生地に押し付けることによって、柄がプリントされます。

さまざまな捺染技法

直接捺染法

染料や糊料、助剤などを混ぜてつくる捺染糊を使って、模様を直接プリントする方法で、シルクスクリーンや彫刻されたローラーによって模様を出します。

防染法

あらかじめ防染糊で模様をプリントしてから、染色をすることで、糊で伏せたところが染まらないように柄を出す方法です。

防染糊には、活性炭や撥水剤(はっすいざい)を使って染料の浸透や吸収を防ぐ方法と、染料を分解する還元剤などを使う場合があります。

防染糊の中に染料を加えて、その部分を染める着色防染という方法もあります。

防染の一種で、日本独自の「注染」という技法があります。ゆかたや手ぬぐい、風呂敷、のれんなどに対して主に使われる技法です。

布を端から90センチずつ、染めようとする模様以外のところに、型紙あるいはシルクスクリーンを使って防染糊を置いて、つぎに折り重ねては同じ型紙で糊を置くという作業を繰り返します。

2反(一反は長さ約10.6m、巾が約30㎝)を同時に染めるので、布は20枚前後に折り重ねられます。これを注染台にのせて、模様になる部分に上から染液を注ぎこんで同じ色の部分を一度に染め上げます。

その他に、手工芸的な防染方法としては、ろうを使って防染する、ろうけつ染め(バディック、インド更紗、ジャワ更紗など)があります。

抜染法(ばっせんほう)

布を先に無地で染めておき、染料を分解する抜染剤(還元剤、酸化剤など)を混ぜた糊をプリントして色を抜く方法を抜染といいます。

型付浸染法(かたづけしんぜんほう)

媒染染料やナフトール染料のように、二種類の薬剤が繊維の中で科学反応して染まる場合に使われる方法で、ひとつの薬剤でプリントをしておき、そのあとにもうひとつの薬剤の溶液につけて、模様の部分のみ発色させます。

顔料樹脂捺染法(がんりょうじゅしなっせんほう)

顔料(ピグメント)は水にも油にも溶けない色素で、そのままでは繊維に定着しないので、接着剤を混ぜて、繊維の表面にプリントし、加熱して固める方法がとられます。

古くは友禅染めがこの手法をとっています。接着剤として豆汁(ごじる)をつかい(大豆を砕いて水と混ぜたもの)、顔料と混ぜて色糊にし、布に張って炭火にかざしながら模様を描くと、豆汁の中の水溶性タンパクが熱で固まって、顔料が布地にくっつきます。

顔料は、無機顔料と有機顔料に分けられます。

無機顔料は、べんがら、緑青(ろくしょう)、群青(ぐんじょう)など天然の鉱物を粉末にしたものです。(現在は、ほとんどが人造のもの)

有機顔料はほとんどが合成品で、種類はさまざまです。

顔料に合成樹脂液を練り合わせ、水や油を加えて粘り具合を調節しながら色糊をつくります。顔料樹脂染料をプリントしたあと、高温で数分間加熱すると合成樹脂は固まって、顔料とともに繊維にくっつきます。

転写捺染法

模様を印刷した転写紙をつくって、転写紙と布地を合わせて、10数秒、200度ほどの高温で圧力を加えて、染料を布地に転写する方法です。


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