日本の住宅建設様式の一つに、合掌造りがあります。
合掌造りといえば、急勾配の屋根を持ち、白川郷の風景を思い浮かべる人も多いかと思いますのが、その屋根に使われている素材が萱です。
萱が使用された屋根は、萱葺き屋根(茅葺き屋根)として、日本の原風景の一つに数えられます。
日本だけでなく、世界中でも萱が屋根の素材として使われていました。
昔の人々は、萱を屋根の素材として使用したのには、理由があります。 続きを読む
日本の住宅建設様式の一つに、合掌造りがあります。
合掌造りといえば、急勾配の屋根を持ち、白川郷の風景を思い浮かべる人も多いかと思いますのが、その屋根に使われている素材が萱です。
萱が使用された屋根は、萱葺き屋根(茅葺き屋根)として、日本の原風景の一つに数えられます。
日本だけでなく、世界中でも萱が屋根の素材として使われていました。
昔の人々は、萱を屋根の素材として使用したのには、理由があります。 続きを読む
綿花は、種類によって採れる繊維の長さが違います。
大きくわけると、エジプト綿やスーダン綿の系統は超長繊維綿で、アメリカ綿に代表されるアンプラント綿は中長繊維綿、アジア在来種のデシ綿は短繊維綿に分類できます。
綿の繊維の長さは、糸にするときにその糸の細さに大きく関係してきます。 続きを読む
ハリスツイード(HarrisTweed)とは、スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で作られている伝統的な毛織物を意味します。
スコットランドの西側に浮かぶアウター・ヘブリディーズ諸島は、古くはロングアイランドと呼ばれ、非常に長い距離に渡って島々が点在しており、その中のルイス島(Lewis)とハリス島( Harris)がハリスツイードの故郷といえます。
北に位置する大きい島がルイス島で、南に位置する小さい島がハリス島であり、地理上では陸続きでつながっている一つの島ですが、通常二つの島と考えられています。
あえて人々が別名で呼んでいたのは、ハリス島は岩山が連なり木々が少ないなど、二つの島の環境が非常に異なっていたためです。
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新型コロナウィルスの世界的大流行によって、一時は万人にとってマスクが日常生活に欠かせないものになりました。
2020年1月、日本においても感染が出始めた頃、瞬く間にマスクが品切れで購入できない事態となったことは記憶にあたらしいです。
そんななか、販売されているマスクのほとんどが不織布(non‐woven fabric)という素材でできていることを知ったという人も、多くいたのではないでしょうか。
不織布とはどのような特徴があり、どのような用途で活用されているのでしょうか。 続きを読む
撥水加工は、繊維に水をはじく性質を与える加工のことです。
科学的処理加工によって、撥水剤を結合し付着することで、繊維の性能を変えています。
ジルコニウムやチタン化合物とパラフィンエマルジョンの系統は、ジルコニウムやチタンが繊維とのなじみを良くし、アルミニウム系よりも耐久性のある撥水性が得られます。
綿やレーヨンの水酸基と化学結合して、耐久性のある撥水剤として、ICIのVelan PFやDu pont(デュポン社)のZalan APは、脂肪酸アミドのピリジニウム塩であり、しみ込ませてから乾燥させ、熱処理を150℃〜180℃で3分〜5分行います。その後、ソーピングが必要です。 続きを読む
綿花はアオイ科のワタ属に属し、品種は20種類ほどが野生種として残っています。
繊維をつくらない種類もありますが、繊維をつくるワタ属は、大きく以下の4つに分類することができます。
①arboreum(アルボレウム)と②herbaceum(ヘルバケウム)は、インド、パキスタンのあたりや中東方面が原産地とみられています。
①arboreum(アルボレウム)は、インドから世界中に世界中に広がり、古く日本で栽培されていた綿花はアルボレウムであったと推定されます。
③barbadense(バルバデンセ)と④hirsutum(ヒルスツム)は、中米や南米北部などのアメリカ大陸が発祥と言われます。
①arboreum(アルボレウム)②herbaceum(ヘルバケウム)の染色体が13個、③barbadense(バルバデンセ)④hirsutum(ヒルスツム)は26個であるため、染色体の数が違う品種同士の交配はできません。 続きを読む
化学繊維を製造するためには、まず最初に原料から鎖状の高分子を溶剤に溶解するか、加熱して水あめのようなドロドロの状態にします。
鎖状の高分子は、原料のセルロースを反応させ改質したり、石油や天然ガスなどの繊維と無縁の原料から合成したりして作ります。
そしてドロドロの高分子を、ノズルといわれる口金(くちがね)の穴から押し出して固めて繊維にする「紡糸」の工程が必要になります。
化学繊維の糸をつくるための紡糸方法は、大きく分けて①湿式紡糸、②乾式紡糸、③溶融紡糸の3種類あります。
他にも、液晶紡糸法、ゲル紡糸法、エマルジョン紡糸法などさまざまな化学繊維の紡糸方法がありますが、今回は上記の基本的な3種類について紹介します。 続きを読む
ほとんどすべての繊維は、ポリマーと呼ばれる高分子物質で構成されています。
合成繊維では、繊維とは一見すると無関係な石炭や石油、天然ガスから化学的処理によって繊維をつくります。
合成繊維は、合成高分子の繊維であり、繊維を合成するのではありません。石炭と水と空気からナイロンがつくられ、この発明から続々と合成繊維が発明されていきました。
ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等、合成繊維の例はたくさん挙げられます。
世界三大合成繊維はナイロン、ポリエステル、アクリルの3種類で、合成繊維のほとんどのシェアを占めています。 続きを読む
羊毛や獣毛の特徴的な性質として、湿潤熱の発生が挙げられます。
湿潤熱とは、羊毛の繊維が水分を吸収する際に(湿潤)によって、放出する熱のことです。
湿潤熱を実感として感じたことがあるという人は、ほとんどいないと思いますが、実話として、水浸しになったウールを保管している倉庫が中にはいれないほど熱気に包まれたり、雨に打たれた毛織り物が凍っても濡れ雑巾のようにはならなかったために、雪山で人が救われたということがあるようです。 続きを読む
羊毛は、毛を採取するその部位によって品質や性質が変わってきます。
胴体の側面で、肩のあたりがもっとも良質とされるウールがとれるのです。
公益社団法人畜産技術協会の記事「目的にあった羊毛の扱い」に非常にわかりやすい図と説明がありますので、ここに引用します。 続きを読む