マスクに使われている不織布とは、何か?


新型コロナウィルスの世界的大流行によって、万人にとってマスクが日常生活に欠かせないものになりました。

2020年1月、日本においても感染が出始め、その後瞬く間にマスクが品切れで購入できない事態となり、これまでマスクが人々の話題の中心にのぼったことは後にも先にもないかもしれません。

そんななか、販売されているマスクのほとんどが不織布(ふしょくふ)という素材でできていることを知ったという人も、多くいたのではないでしょうか。

今回は、そもそも不織布とはどのように作られていて、どんな用途として主に使われているのかについて紹介します。

不織布とは

織物と編物の組成は、規則的な構造となっています。

織物は経糸(たていと)を張ってその間に緯糸(よこいと)を通すことで直角に糸が交差して組織がつくられます。編物は、輪っかのようなループを連続的につなぎ合わせてできています。

一方、不織布は繊維をからみあわせたり(交絡)、溶かしてくっつけたり(溶着)することにより、繊維同士を結びつけて布にします。織りと編みとは違って、ランダム繊維が結びついて一つの布になっているのです。

不織布の歴史

不織布は、ドイツで羊毛のくずを接着材で固めて、フェルトの代用品をつくったのがその始まりと言われています。

1952年にアメリカのペーロン社が、ナイロンを主に使って乾式不織布を作り、衣料品として市販してから世界的に脚光を浴びました。

日本では、1952年頃から不織布の研究が始まり、1955年ごろからはだんだんと製品が市販されるようになりました。

参照:『21世紀へ、繊維がおもしろい』

不織布の特徴

不織布は、軽くて、通気性がよく、繊維自体が歪みにくく変形しにくいという特徴があります。

ファッション業界ではその特性を生かし、衣類の骨組みを支え、型くずれをできるだけ防ぐための芯地として、不織布が多く使われています。

※芯地は洋服の表には出ませんが、例えばシャツの衿には必ず芯地を張って形を保つように、洋服作りにおいて非常に重要な役割を果たしています。

生産コストも織物や編物に比べると安いという大きなメリットがあり、幅広い分野で使用されています。

不織布はどのようにつくられているのか

不織布は、一般的には厚さが均一で薄いシート(ウェブ)にして、シートの繊維を結合することでつくられます。

シートの作り方によって、①乾式不織布②紡糸直結式不織布③湿式不織布に分けられます。

シートの結合方法は、①化学的接着法②ニードルパンチ法③スパンレース法などがあります。

繊維と樹脂の組み合わせの変化によって、用途にあった厚さ、通気性、吸湿性、耐久性、絶縁性などの性質を自由に設計できます。

不織布の用途

不織布の用途として、『はじめて学ぶ繊維』の中で4つの分野にわけて例をあげています。

①医療・衛生材料用

マスク、アンダーウェア、絆創膏、生理用品、紙おむつなど

②車両、産業資材用

内装材、エアエレメント(空気を取り入れるエアコンのような機械において、吸入する空気に含まれる塵や埃などの異物を取り除くフィリターとしての役割)防音防振材等

③建築・土木

吸音ボード、緑化用排水シート、壁装材(カベソウザイ)ろ過材、補強材

④衣料・インテリア

ファッションの芯地、肩パット、カーペット用の資材、フローリング材、障子紙など。

不織布は、私たちの身近でさまざまな用途として使われていることがわかります。


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