織り」カテゴリーアーカイブ

薇織(ぜんまいおり)

薇織(ぜんまいおり)とは?薇織(ぜんまいおり)の特徴と技法について

山野に自生するぜんまい(ゼンマイ)(学名:Osmunda japonica)は、山菜料理の「ふるさとの味」として人々に親しまれていますが、ぜんまい(ゼンマイ)の綿わたを使用した織物が織られていました。

薇織ぜんまいおりとは、ぜんまい(ゼンマイ)は春先に、頭部から綿わたが生じますが、その綿わたから糸をつむいで織りあげた織物です。

古くは、東北地方の山間部で、自家用の衣類として織られていました。

薇(ぜんまい)の綿,Osmunda japonica 001

薇(ぜんまい)の綿,Osmunda japonica,Kropsoq, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons,Link

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間道(かんどう)とは?名物裂(めいぶつぎれ)の縞織物である間道の名称一覧

古くから伝承されてきた古いきれの中に、「名物裂めいぶつぎれ」と呼ばれるものがあります。

茶道によって選び出された「名物裂めいぶつぎれ」を大きく分けると、「金襴きんらん緞子どんす間道かんどう」と呼ばれる主流となる三種の特色を持ったきれがあります。

そのほかには、にしきやモール、ビロード、印金いんきん更紗さらさなどの優れたきれなどもあります。 続きを読む

名物裂(めいぶつぎれ)とは?名物裂の種類や特徴(金襴、緞子、間道、錦、繻珍、風通、金羅、金紗、印金、天鵞絨、モール、更紗)

特色ある染織品を、「名物裂めいぶつぎれ」と呼ぶことがあります。

名物裂めいぶつぎれと名付けられ、尊重されるようになる織物との関係が深いのが「茶の湯」です。 続きを読む

伝説の綿織物、ダッカ・モスリン

今では伝説として語り継がれていますが、現在のバングラデシュの首都ダッカでは、高度な技術によってつくられたダッカ・モスリンという伝説の綿織物がありました。

現存するものは、ロンドンのヴィクトリア・アルバート博物館で保存されているようです。

バングラディッシュは、インドから独立した国なので、イギリスが植民地統治をしている以前は、インドの綿業の中心地であり、その生産量や染色技術においてももっとも世界で進んでいたと言われます。

当時はもちろん機械がなく手工業だったので、糸は手紡てつむぎされていましたが、その糸が非常に細く、それを使用して非常に薄い綿織物を織っていました。

インドで手紡てつむぎをイメージすると、ガンジーが糸車を回している有名な写真を思い起こしますが、当時細い糸を紡ぐときも、早朝に霧の立ち込める川のほとりで糸車を回し、指先に油をつけながら紡いだといわれています。

早朝の霧、そして川の近くで湿気の多い場所が、糸を紡ぐのに適していたのです。 続きを読む

沖縄の絣織物の技法。琉球絣の歴史

沖縄における絣織物(琉球絣りゅうきゅうかすり)には、独特な幾何学文様きかがくもんようがあります。

線で構成したこれらの絣柄は、18世紀後半の御絵図帳みえずちょうで高度に完成したと考えられます。

御絵図帳みえずちょう」とは、琉球王国りゅうきゅうおうこくにおける首里王府しゅりおうふの絵師たちによってまとめられた絣の図案集です。

御絵図帳みえずちょう」とは、琉球絣りゅうきゅうかすりが貴重な貿易商品だった時代、王国に収める貢納布こうのうふを織らせるために模様や染色などを細かく指定したものです。 続きを読む

裂き織り(さきおり)とは?裂き布の作り方と裂き織りの方法について

き織りとは、もともと着古された着物であったり、使い込まれた布を細かく裂いた「き布」を緯糸よこいとに織り込んだ平織りの織物のことです。

織物は、経糸たていと緯糸よこいとが互いに交差しあってできる布ですが、織り込もうと思えば、大抵どのようなものでも緯糸として使用できます。

例えば、和紙やイネ科の多年草であるよし、ヤシ科のツル性植物であるとう、木の皮などを糸にして緯糸に織り込んでいる織物などさまざまあります。

経糸に藤糸を用いた裂き織(中央)

経糸に藤糸を用いた裂き織(中央),漱石の猫, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

経糸に藤糸を用いた裂き織

経糸に藤糸を用いた裂き織,漱石の猫, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

裂き織りは、日本だけではなく、スウェーデンやアメリカ、スペインなど海外でも行われていました。

日本における裂き織りの起源はよく分かっていませんが、その分布が東北地方や佐渡、能登、丹後、隠岐おき(島根県隠岐諸島)、中国地方の山地などにみられ、主に日本海側沿岸の地域を中心としているのが特徴的です。
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バリ島の宗教と文化に深く結びつく格子布。

いくつもの島々からなるインドネシア。

古くから織物が盛んなこの国では、平織りが最も一般的で、無地、しまかすりなども織られてきました。

現在観光地として世界中から旅行客が集まるバリ島でも、その独自の文化の一役を担うものとして染織が行われてきました。

バリヒンドゥーと呼ばれる独自に発達した宗教生活上では、染織品は舞踊や祭儀の衣装、魔除けの布として非常に重宝されてきました。

木綿、絹、金銀糸を使って無地、縞、紋織もんおり綴織つづおりが織られ、華やかな染織文化が発達した歴史があります。

その土地の宗教と深く結びつく織物

バリヒンドゥーの象徴といえるのが、白と黒の格子布こうしぬのであり、軽やかに透けたその布はバリ人だけが織っていたそうです。

経糸を空羽あきはを使っておさに通し、緯糸も部分的に空けて織ってあり、縫い取りで模様を入れた布もあります。

また、藍や赤を基調にした格子布も織られています。

色には重要な意味があり、白色は、シヴァ、黒はフィスマ、黄色はマハデワ、赤はプラフマといったように、それぞれの神々を象徴するものとされています。

織物文化は、それぞれの国々の文化とともに発達した歴史があり、事例を調べてみると、非常に興味深いことがわかってきます。

「考古学的織物」とも呼ばれるカード織りとは何か?

「カード織り」は、「考古学的織物こうこがくてきおりもの」とも呼ばれるそうです。

その理由は、20世紀前半のヨーロッパにおいて、古代のカード織りの存在が相次ぐ遺跡の発掘によって明らかになったためです。

カードを使った織物の歴史は古く、紀元前に始まり、ヨーロッパから北アフリカ、中近東、ロシア、中国、東南アジアに至るユーラシア大陸全体に分布しましたが、20世紀に入り、ほとんどの国で姿を消し、忘れたら織物となりました。

19世紀末、ドイツのマーガレット・レーマンは、この古い織物に対して始めて組織的な研究をし、カード織りはテキスタイルにおける不可欠な一分野として認識されるようになりました。

カード織りの由来

カード織りは、ヨーロッパ諸国では、「タブレット・ウィービング」(tabletは、木片という意味)と呼ばれ、アメリカでは「カード・ウィービング」と呼ばれています。

カードは様々な材質のものがあり、アイスランドでは木片を使いっていたようです。

カード織りは、穴を空けた四角いカードに糸を通して、それをくるくるとまわすことで織っていきます。