江戸時代に描かれた浮世絵には、さまざまな色が使われていましたが、藍色もその中にありました。
青の色をつくるのに露草や藍が使われていましたが、植物由来の色であるために、日に焼けて変色しやすかったり等、版画向きでなかったのは想像に難しくありません。 続きを読む
江戸時代に描かれた浮世絵には、さまざまな色が使われていましたが、藍色もその中にありました。
青の色をつくるのに露草や藍が使われていましたが、植物由来の色であるために、日に焼けて変色しやすかったり等、版画向きでなかったのは想像に難しくありません。 続きを読む
空の青、海の青。
私たちの身の回りは青色で溢れていますが、もし自然の世界から青色を取り出そうとすると、実際に手にできる青が非常に少ないことに気がつきます。
そのため、古くから人々は青色を絵具として手にするために、お金と時間と手間をかけてきたのです。
青色の顔料として、古くから非常に有名なのが、東西問わず世界中で使われていた群青と西洋で大切にされてきたウルトラマリンブルーの二種類です。
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天然染料および媒染染料で染色する際に、媒染剤としてクロム塩を使用できます。
鉄や銅で媒染するより色が美しく、アルミニウムや錫を使用するより濃い色が染められるため、クロム媒染は多く使用されてきました。
木綿には塩基性クロムミョウバン、絹には塩基性塩化クロムや塩基性クロムミョウバン、羊毛(ウール)には、重クロム酸カリやギ酸などが使用されます。
クロム染料という言葉がありますが、クロム染料は酸性媒染染料の別称です。
酸性染料の性質を持ち、クロム塩で媒染したのち、クロム染料で染色するか、染色後にクロム塩で処理すると、レーキを形成し堅牢な染色が得られます。
黄色は、赤と青とともに三原色の一つです。
古代中国においては、一年を四季に分けて、春(青)、夏(朱)、秋(白)、冬(玄)としていましたが、時間が経つにつれ、五行説にしたがって黄色を中央に入れることになります。
つまり、夏を二つに分けて一年を五季として、春は青、夏の前半は朱、夏の後半は黄、秋は白、冬は黒(玄)の五つの色によって表すことにしたというわけです。
日本も初めは五行説の考えを取り入れましたが、奈良時代ごろには、黄色は無位無冠(特別な地位がないこと)で一般民衆の服の色でもありました。
金のことを黄金というのは、その色が黄であるということからきています。 続きを読む
四季のうつろい、地理的、歴史的、文化的背景などさまざまな影響を受け、日本の伝統色とされている色の名前は、非常に多くの種類があります。
数々の色の中でも、藍色、紅色、紫色の3つの色は歴史や色の豊富さなど、日本人にとってとりわけ関わりが深く、日本を代表する色であったといえます。 続きを読む
紫染は主に京都で行われていましたが、徳川吉宗(1684~1751)の奨励なども相まって、紫草の栽培や染色が江戸でも行われるようになったといわれています。
江戸時代くらいから紫根染がおよそ東西の二つに分けられ、京都の「京紫」に対して、江戸で行われた紫染は「江戸紫」と呼ばれました。 続きを読む
藍で下染めしてから(藍下)紅花で染め重ねることによって、古くから紫色が染められていました。
平安時代には、藍と紅の二種の藍(染料)で染めた色が「二藍」という色名で表現されていました。
藍染で浅葱色に染めてから、紅花、もしくは蘇芳で染め重ねた色合いを紅藤色と言います。
紅藤色は、その名の通り紅色がかった藤色で、赤みの薄い紫色に用いられます。
江戸時代の『諸色手染草』(1772年)に「紅ふじ 下地をうすあさぎ(浅葱)に染。すわう(蘇芳)うすくしてめうばん(明礬)少し入二へん染。とめにむしやしやきのあく(灰汁)にて染てよし。但し本紅を遣ふ時は右のごとく下染の上に紅染のごとく染てよし」というようにあります。
『染物屋覚書』(1803年頃)には、「紅ふじは白ご(呉)引。随分濃すわう(蘇芳)へかね(鉄)少しくわへ引。早立あく留め。本紅ふじはすわう(蘇芳)の二番を早付。濃すわう(蘇芳)一度引。かわかざる内に濃あく(灰汁)にて留め。直にかね(鉄)にてくるべし。色かげんはかねぐりの時見合可申候」とあります。
「あく(灰汁)」とあるのは、柃や椿などのアルミ成分の多い灰汁を使用しているものと考えられます。
ハーブとは、主に熱帯地方に産し、葉や茎、花などが人々の生活に役立つ、香りのある植物の総称です。
料理やお茶、薬や香りなどに使用され、染色においてもハーブが活用されてきました。 続きを読む
大青(漢名:大藍・菘藍)は、アブラナ科に属し、中国が原産地とされ、享保年間(1716年〜1735年)に日本に渡来したとされます。
ヨーロッパからシベリアのバイカル湖付近にまで分布するといわれるアブラナ科の越年草である細葉大青(学名:Isatis tinctoria)は、英名ではWoad(ウォード)と言われます。
同じ藍の色素を持つ植物でも、蓼藍やインド藍や琉球藍などとは品種が違い、ウォードはアブラナ(菜種菜)によく似た大きな草です。 続きを読む
浮世絵とは、江戸時代初期に成立した絵画のジャンルのひとつで、暮らしや風俗、その時の流行などが反映された絵の総称を表します。
さまざまな色で表現された浮世絵ですが、実際にどのような絵具が使用されていたのでしょうか。 続きを読む