青く染められた葛布 岡村吉右衛門(著)『庶民の染織』

染色・藍染めにおけるインディゴピュア(インジゴピュア)


インディゴピュア(インジゴピュア)は、人工的に作られた人造藍の名称です。

天然の藍染めの主成分であるインディゴ(indigo)の構造が、ドイツの化学者であるアドルフ・フォン・バイヤー(Johann Friedrich Wilhelm Adolf von Baeyer,1835年〜1917年)によって1883年に研究の末、合成されました。

藍の植物から色素成分を採取すると、かなりの不純物が含有しており、インディゴの他にも赤色の色素であるインジルビンやインジゴブラウンと称する茶色の色素も少量含まれています。

一方、化学的に合成されたものは、ほとんど純粋なインディゴであるため、インディゴピュア(インジゴピュア)という名称が付けられました。

染色・藍染めにおけるインディゴピュア(インジゴピュア)

インディゴピュア(インジゴピュア)は、青紫色の細かい粉、または針状結晶しんじょうけっしょうで、摂氏せっし170度以上に加熱すると昇華して紫色の蒸気を出します。

そのため、インディゴピュアで藍染めされたものかどうかを識別するための一つの方法として、例えば、藍染された小さな布を焼いて、その上に白色の陶磁器で覆います。

焼いた布を覆った陶磁器に、青色が付着するか否かによって、インディゴピュアで染めたことがわかります。

天然藍の場合は、陶磁器が染まらず、インディゴピュアで染めている場合は陶磁器に青色が付着するのです。

インディゴピュアは、アルカリ性の状態のもと、還元剤を使用するとロイコ体(リューコ体)となって液中に色素が溶け出します。

例えば、アルカリ剤としては石灰を使用し、亜鉛末で還元させたり、アルカリ剤として苛性かせいソーダを使用し、還元剤としてハイドロサルハイトが使用されます。

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色素が液中に還元した(溶け出した)液に、木綿や麻などを浸したのちに空気に触れされると(酸化させる)、青く染色できるのです。

インディゴピュアは粉末のまま、顔料として使用されることもあります。

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インダンスレン染料

1901年にドイツ人のレーネ・ボーンによって、インディゴ(インジゴ)の合成方法をアンスラセンの誘導体であるアントラキノンに応用し、より美しく、堅牢けんろうな染料を合成したので、それを「インダンスレン」と名付けました。

インダンスレンは、合成染料の中でも最高級の染料とされ、これで染めた製品は「スレン染」と表記して販売されるほどでした。

染色には、苛性かせいソーダと還元剤のハイドロサルファイトが使用され、染めるためには強アルカリが必要とするため、絹(シルク)や羊毛(ウール)を染めるのにはほとんど用いられません。


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