デザインにおけるバラ(薔薇)

ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。

もっとも古いもので、紀元前1500年頃のクレタ文明における壁画に描かれたバラの落花があります。

バラは、ギリシャやローマに伝えられ、百合やサフランなどと共に古代人に尊ばれていました。 続きを読む

デザインにおける水仙(すいせん)

水仙すいせん(学名Narcissus)は、ヨーロッパでは古くから親しまれてきた花です。

日本における水仙すいせんも、元々は地中海沿岸やヨーロッパに自生していたものが、シルクロードを通り、中国から日本にもたらされたとも言われます。

水仙(すいせん),Narcissus 'Slim Whitman' Narcyz 2023-04-23 01

水仙(すいせん),Narcissus,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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ハンモックの優れた機能性。ハンモックに使用された緑の黄金、エネケン繊維について

ハンモックは、ブラジルにおいてハマック(hamack)という木の皮であみを作って寝たことが、その名前の由来であると言われます。

スペイン語でハンモックは、ハマカ(hamaca)と呼ばれ、メキシコのカンペチェやユカタン半島などで広く使用されてきました。

ハンモック,Hammock 2 (PSF)

ハンモック,Hammock ,Pearson Scott Foresman, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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芙蓉染(灰汁媒染)

染色・草木染めにおける芙蓉(ふよう)

芙蓉ふよう(学名Hibiscus mutabilis)は、アオイ科フヨウ属の落葉低木らくようていぼくです。

夏から秋(7月〜10月頃)にかけて、薄紅色や白色の鮮やかな花を咲かせるため、庭木、公園樹あるいは街路樹として植栽されます。

朝咲いたら、夕方にはしぼんでしまう一日花いちにちばなですが、長期間にわたって毎日次々と開花していきます。 続きを読む

芙蓉染(灰汁媒染)

染色・草木染めにおける刈安(かりやす)

刈安かりやす(学名Miscanthus tinctorius )は イネ科ススキ属の多年草で、古代から現在まで長い間、黄色を染める染料植物として使用されてきました。

花穂が出はじめたタイミングが、刈り取りに適した時期で、刈り取ったあとはしっかりと乾燥して保存しておきます。
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ラック(紫鉱)、染め色

染色・草木染めにおけるラック(紫鉱)。ラック(紫鉱)の染色方法について

正倉院薬物しょうそういんやくぶつに記された正倉院宝物しょうそういんほうもつの中には、ラック(紫鉱しこう)が残されており、染色に使用されていた可能性もあります。

ラック(紫鉱しこう)は、紫梗しこう紫鉚しきょうなどとも書き、江戸時代には花没薬はなもつやくとして薬用の他、染色にも利用されてきました。 続きを読む

染色・草木染めにおけるミロバラン。訶梨勒(かりろく)の染色方法について

インドにおいて、古くから僧衣そういを染めてきた染料がミロバランといわれています。

ミロバランは、訶梨勒かりろくの名で正倉院の薬物の中に現存しています。

ミロバランmyrobalan(学名Terminalia chebula)は、シクンシ科モモタマナ属で10m〜20m程の高さになる落葉樹で、その果実が「ミロバラン」という名前で草木染めの染料として売られています。

ミロバラン,訶梨勒(かりろく),Terminalia chebula

ミロバラン,訶梨勒(かりろく),Terminalia chebula,Sipuwildlife, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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黄連(おうれん)

染色・草木染めにおける黄連(おうれん)。黄連(おうれん)の染色方法や薬用効果について

黄連おうれん(学名Coptis japonica Makino)は、キンポウゲ科オウレン属で常緑多年草の薬用植物です。

葉には光沢感があり、セリに似ており、早春に根茎こんけいから芽を出し、3〜4月ごろに根元から高さ10cmほどの花茎かけいを出し、数個の白い花を付けます。

地下茎ちかけいはやや太く、中は黄色で横にのび、たくさんの根を出します。

Coptis japonica var. anemonifolia 2

Coptis japonica,Qwert1234, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

9〜11月頃に、根茎こんけいを採取して細い根を除いて乾燥させたものが生薬の「黄連おうれん」です。 続きを読む

蘇芳色(すおういろ)黒みを帯びた赤色

染色・草木染めにおける蘇芳(すおう)。蘇芳(すおう)の染色におけるポイントについて

蘇芳すおう(学名Caesalpinia sappan)はインドやマレーシアなどの熱帯地域に自生しているマメ科ジャケツイバラカ亜科の植物です。

蘇芳すおうは成長すると樹高が5~10メートルになり、幹にはトゲが多く、葉は鳥の羽が並んでいるような形の羽状複葉うじょうふくようで、5月から6月ごろに円錐花序えんすいかじょを出し、黄色い花を咲かせます。
蘇芳すおうは、その芯材しんざいに含まれるブラジリン(brazilin)と少量のヘマティン(天然赤色色素が染料として使われてきました。 続きを読む

染色・草木染めにおける榛(はしばみ・はり)。万葉集における榛の染色方法について

はしばみ(はり)(学名Alnus japonica)は、和名で「ハンノキ」と言い、カバノキ科ハンノキ属です。

水気や湿気の多い場所に多く生育する落葉高木らくようこうぼくで、葉は,卵状の長楕円形で先がとんがりギザギザしています。

榛(はり),Alnus japonica Olsza japońska 2021-10-02 05

榛(はり),Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

幹は直立してのび、高さが10m以上にも生長し、 樹皮は紫褐色しかっしょくから暗灰褐色あんかいかっしょくで、縦に浅く裂けてはがれます。

榛,Alnus japonica 02

榛,Alnus japonica,Σ64, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

早春、葉よりも早く開花し、雌花めばなは楕円形で紅紫色で、実は青く熟します。 続きを読む