染色・草木染めにおいて、媒染と染めを分けて行う理由


草木染めにおいては使用される植物染料は、それぞれ染料としての性質が異なりますが、藍や紅花など特殊なものを除けば、媒染剤ばいせんざいを活用することで発色し、固着するものがほとんどです。

これらの植物染料では、必ず染色と媒染ばいせんの2工程が必要です。

染めたいものを先に媒染してから染料の中に入れて染めたり、染料に入れてから後から媒染する方法もありますが、基本的に染めと媒染を一緒には行いません。

染めと媒染が一緒にできれば楽だと思いますが、それぞれの工程を分けるのにはちゃんとした理由があるのです。

染色・草木染めにおいて、媒染と染めを分けて行う理由

染料の中に媒染剤をそのまま入れた染め液をつくって、一度に染め上げてしまう「一浴いちよく」と呼ばれる方法があり、染色のプロが行うこともあります。

ただ、媒染剤は色素とすぐに結びついて沈殿し始めるため、染まることは染まるのですが、染料が繊維にきちんと定着せずに、色落ちしやすくなってしまうという大きな欠点があるのです。

媒染と染めを分けて行う理由としては、うまく染まらない点もありますが、堅牢度けんろうどが悪くなってしまうのが大きな理由です。

染色をする場合、堅牢度けんろうどは非常に重要で、色が非常に落ちやすくいものとなってしまっては、欠陥品となってしまいます。

関連記事:染色・草木染めにおける堅牢度。染色堅牢度を高める方法

もちろん、染料で染める場合は色が落ちないことはありませんが、染色をするのであれば、染まる原理をきちんと理解し、最適な方法で染めるということが大事です。


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